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第4章

大陸統一

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 早馬の第一報が来てから3日後、南の平定が終わった旨の第一報が届いた。
 南のランペールと北の国はほぼ同勢力、ランペールの西側の国はランペールと
 の8割位の国力だった。


 4つの国のある大陸だった。

 北の国
 クリスト
 ランペール
 ジュピル

 位置関係は
   
     北の国
     クルスト
 ジュピル ランペール

 こんな感じだ
 北から順に北の国、クルスト、ランペール、ランペールの西側にジュピル

 南は先にジュピルを制圧しそのままランペールを落とす。ジュピルとランペールは王城が比較的近い。

 どうもランペールをけしかけたのはジュピルで、ランペールとクルストの戦いで漁夫の利を得ようとしたようだ。
 半日後にもう一人伝令が来て、ジュピルの王族の殆どは討ち死にし、何も知らぬ王族しか生きていない。王は一騎打ちの末ジョーイが首を刎ねて終わった為戦争の詳細は殆ど分からないと言う。

 そのままランペールの占領軍と対峙したが、国王の首を渡すと無条件降伏をしてきた。
 ランペールの城を破壊したのが当夜だと知っているのはごく一部で、実は当夜がセレーシャを介してジョーイにお願いしたのが、ジュピル側の戦争の詳細を知る者を、首謀者をドサクサに紛れて討てと。ジュピルが城を破壊した事にし、当夜への怨みをこちらに向けないように仕向けている。9万の兵もクルストには来ていない事に、戦争の記録に一切記入していない。奴隷だった者も既にクリストでの市民権を半年後には手に入れる。奴隷開放が決まっているのだ。当夜の力を知っているし、恩人でもある。当夜の信奉者となっていて既に皆、墓まで9万の兵の事は持っていくと誓いを立てていた。そして奴隷開放後当夜の元に集う事を当夜は、今は知らない。

 因みにスクーニャが真実を知るのは当夜に完全に許されるまで無いのである。可愛そうな娘である。
 公式にはランペールの軍がジュピルと対峙したが、ジュピル軍の魔法部隊の前に屈して、ランペールの王城を破壊されれ支配されたと。
 幸いランペールの王城を支配していたのがジュピル軍と市民も知っており、公式記録を疑う者は誰もいない。
 ただ、後の識者が訝しがったのが、9万の兵の戦闘の痕跡がないのと、クリストにある不自然な山の謎だった。後の大陸7不思議の都市伝説となる。ただし、クルストの王にのみ引き継がれる正史には当夜が9万の兵を葬り、その時の魔法で湖と山ができた旨の詳細と、ランペールの城をどうやって破壊したかの詳細が引き継がれている。予備の書は城から離れた墓地の中に保管されていたりする。

 そうして更に6日後北の国からの帰還兵が戻ってきた。スクーニャとラビィの姿もあった。二人は当夜の姿を見るなり泣いて駆け寄り膝まついてその脚にしがみつきちゃんと戦ってきた事と、同胞への行軍では無い方に向かわせてくれた配慮に感謝していた。
 当夜は二人を立たせ、戦いに向かわせた事を謝罪しハグしてあげている。
 今は人目もあるので、後で話をする事とし、当夜の家に行くように指示をし、レグナスに世話を一任した。

 そしてジョーイのご家族と対面し、国王に賓客としてもてなすようお願いをした。

 当夜は僅か2週間足らずで通訳が殆ど要らないレベルで言葉を習得し、ついでに読み書きも幼児の、日本語でいうひらがな相当は物にしていて、周りを驚かせていた。文法が英語と変わらなかったので殆ど単語を覚えるだけで済んだからである。

 それでも、まだ難しい言葉のあやとか、格言のようなのが理解できなかったのでセレーシャの同伴が必須で、メイド服での同伴のままというのは良くないと思い、いつの間にかドレスまで作っていたりする。正式の場に同行させるのに相応しい装いを今はさせている。

 今日は帰還兵の相手をし、家での食事となるが、空き部屋の最後の1部屋がスクーニャとラビィで埋まってしまった。
 明日国王に空いている屋敷がないか相談する事とした。既に当夜はいつでも国王に会いに行ける。国王が当夜の信奉者だからだ。そして救国の英雄に閉じる門はない。
 それでも国王の顔を立てるのを忘れない当夜である。

 屋敷で食事をする前に風呂に入る事とし、当夜は風呂場に向かうのであった。
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