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第一章 召喚編
第8話 固有スキルと異変
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「ごめんごめん。今確認していたのは魔法使いの勇者固有スキルで、異空間収納なんだよ。そうだねぇ、異空間収納には大体ソフィアふたり分の重量を入れられるようなんだよ。だから今日貰った支度金を収納の中に入れてみたんだ。制限があるからお金や大事な物を入れて置く感じかな。もう一つは回復術かな。見ての通り怪我を直せる感じだ。それと壁抜けというものだったよ。今見た通りだけど、触れている者も一緒に壁や床などを抜けられるみたいだからちょっとだけ試したいな。」
そう言いソフィアの手を掴んでから軽く引っ張り、スキルを発動し壁を抜け廊下に出てみた。そしてまた部屋に戻る。うんうんと唸っていた。ソフィアの手って小さく、綺麗で華奢だなと感じた。
「えっとね、試した通り、触れている者も一緒にこうやっていけるようだね。これは凄い力だと思うよ。どうやら厚みに制限はないらしいけど、ただ固体じゃないと抜けられないみたい。だから水だとかは壁じゃないからダメみたいだよ。ソフィアのお陰で今試す事が出来たよ。ありがとうね」
「凄い!凄いです!収納については確かに魔法使いの方が異空間収納をお持ちだというのは聞いた事がありますが、壁抜けですか!どのような使い道があるのでしょうか?」
「うん、そうだね。何者かに追われていた時に行き止まりに追い込まれたとする。壊すのに時間の掛かる壁をすり抜けられたら逃げ切れるよね。また逆に追っている時にくねくねしている道を進んでいるとしても、こちらが最短距離を進み、予測ルートを先回りして待ち伏せをする。そういうような使い方もできると思うんだよね」
「あっ!確かに!凄いですね!今確認されたばかりのスキルなのに、もうそのようなところまで思い付いているのですね!とてもでは有りませんが私には無理です」
そんな事を話していたが、三郎が眠そうにあくびを噛み殺していた。
「あっ!申し訳ございません。ついはしゃいでしまいましたが、そういえば本来は寝ているような時間でしたわね。申し訳ございませんでした。今日はもうお休みになられるという事でよろしかったでしょうか?その、ご主人様は良さそうな方ですが、夜伽をしても良いんですよ?」
「そうだね。明日もまた大変な一日になりそうだから今日はこれで寝ようよ。その、そういうように魅惑的な事を言われると、僕も男だから誘惑に負けるかもだから、控えようね。まあ本当に権利を使わないのか気が気じゃないから聞いたんだよね?大丈夫だから。君が初めての時は好きな人と過ごせるようにしたいから。それが僕だったら嬉しいけどさ。って、この話はここまでね!」
「はい、分かりました。それではおやすみなさいませ!ご主人様」
そう言うとソフィアは床に寝転がった。
「ちょっと!!?一体何をしているの?」
「はい、夜伽をしない奴隷が床で寝るのは当たり前でございます。それとも馬小屋の方が宜しかったでしょうか?」
「えっ!あっ、ベッドが一つか。駄目だよ!女の子が床で寝るなんて。何もしないから一緒にベッドで寝よう?」
「その、申し訳ないのですが・・・」
「うーん。僕はソフィアの事を奴隷として扱うつもりは毛頭ないって言ったけど、その、今回は一緒に寝て欲しいな。断るなら命令するよ?それも嫌なら僕が床で寝るよ!」
立ち上がりハイ!分かりました!と返事をしたと同時に部屋がノックされた。
はいどうぞというと渡井がそっとドアを開け、中を伺っていた。
「三郎君、ちょっといいかな?その、取り込み中じゃなかったかい?」
「な、何もないから大丈夫です」
渡井が奴隷の少女を伴って部屋に入ってきたが、彼女もちゃんと着替えをしていた。
「三郎君に嫌われたくないからではないが、僕も奴隷制度については胸クソが悪いと思うし、青臭いかもだがミライを手籠めにはしないよ。君と同じだよ」
「渡井さんが良い人そうで良かったです。聖哉さんの所は大丈夫かな?」
「流石に今日はおとなしくしているだろうさ。先程からいびきが聞こえてきたからね。一番眠そうにしてたし、今日もし彼女に手を出せば君に殺されるとさっきもぼやいていて、畜生!と叫んでいたよ。まあ、今晩は大丈夫だろう。それよりこの子の名前を決めたのかい?」
「はい。ソフィアと。こちらはミライさんなんですね。所でどうしました?」
「疲れている所悪いのだけれども、どうも胡散臭くてね。三郎君の意見が聞きたいんだ」
「聖哉さんを交えなくて大丈夫ですか?」
「必要ないだろうさ。あれはチンピラであり、下半身で生きているタイプだから、女を宛てがっている間は本当に何でも言う事を聞く奴だよ。懐柔されて犬になるタイプだし、向こうからしたら扱いやすいだろうね。それよりも僕らは扱いにくいだろうさ」
「た、確かに。えっと胡散臭いって、どうしました?」
「気付いていないかい?どうも様子がおかしいんだ。ミライに聞いたが、魔王軍に攻められている話は聞いた事がないらしいよ。それよりも隣国との争いが深刻らしいね。皆の疲弊具合や焦りから、どうやら僕らは戦争に巻き込まれているのじゃないかと思うんだ。城の外がちらっとみえたが、戦いの準備か既に戦っている最中のような慌ただしさだったよ」
「た、確かに慌ただしい感じがしますね。よく気が付きましたね」
「嫌な予感がするんだ。僕は弓使いだからきっと眼が良いんだろう。失礼を承知で聞くけれども、三郎君はどんなスキルを得られている?ってまず僕の方を話そう。一つは弓使い固有スキルで遠見だ。大体100m先にある物が直ぐそこにあるかのように見える。もう一つはインビジブル。これは触れている者を含め、臭いを含めてありとあらゆる気配を消す。但し、流れ弾等、たまたま攻撃されたら当たるが、発動中は例え目の前にいても存在を感じられずに済む、その2つだ」
「僕のは、魔法使い固有スキルで異空間収納。今は100kg位のようです。成長と共に増えるっぽいですよ。なので今は最初に持っていた荷物や服、それと支度金を入れています。もう一つは壁抜けですね。インビジブル同様に触れている者を含め、壁、床、天井等をすり抜けられます」
「なる程ね。二人のスキルを合わせればここから脱出するのは難しくなさそうだね」
「渡井さん、それを考えた方が良いのでしょうか?」
「剛で良いよ。僕も三郎君と呼んでいるから、名前で良いよ。そうだね、何時でも逃げられるようにしておいた方が良いと思うよ。だから今晩は僕は寝間着は着ないよ。!?」
!?と4人は一斉に異変に気が付いた。煙の匂いがし、騒がしい事に気が付いたのだ。窓の外を見ると空が赤かった。それは火災の所為だとしか思えないのであった。
そう言いソフィアの手を掴んでから軽く引っ張り、スキルを発動し壁を抜け廊下に出てみた。そしてまた部屋に戻る。うんうんと唸っていた。ソフィアの手って小さく、綺麗で華奢だなと感じた。
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「凄い!凄いです!収納については確かに魔法使いの方が異空間収納をお持ちだというのは聞いた事がありますが、壁抜けですか!どのような使い道があるのでしょうか?」
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「あっ!確かに!凄いですね!今確認されたばかりのスキルなのに、もうそのようなところまで思い付いているのですね!とてもでは有りませんが私には無理です」
そんな事を話していたが、三郎が眠そうにあくびを噛み殺していた。
「あっ!申し訳ございません。ついはしゃいでしまいましたが、そういえば本来は寝ているような時間でしたわね。申し訳ございませんでした。今日はもうお休みになられるという事でよろしかったでしょうか?その、ご主人様は良さそうな方ですが、夜伽をしても良いんですよ?」
「そうだね。明日もまた大変な一日になりそうだから今日はこれで寝ようよ。その、そういうように魅惑的な事を言われると、僕も男だから誘惑に負けるかもだから、控えようね。まあ本当に権利を使わないのか気が気じゃないから聞いたんだよね?大丈夫だから。君が初めての時は好きな人と過ごせるようにしたいから。それが僕だったら嬉しいけどさ。って、この話はここまでね!」
「はい、分かりました。それではおやすみなさいませ!ご主人様」
そう言うとソフィアは床に寝転がった。
「ちょっと!!?一体何をしているの?」
「はい、夜伽をしない奴隷が床で寝るのは当たり前でございます。それとも馬小屋の方が宜しかったでしょうか?」
「えっ!あっ、ベッドが一つか。駄目だよ!女の子が床で寝るなんて。何もしないから一緒にベッドで寝よう?」
「その、申し訳ないのですが・・・」
「うーん。僕はソフィアの事を奴隷として扱うつもりは毛頭ないって言ったけど、その、今回は一緒に寝て欲しいな。断るなら命令するよ?それも嫌なら僕が床で寝るよ!」
立ち上がりハイ!分かりました!と返事をしたと同時に部屋がノックされた。
はいどうぞというと渡井がそっとドアを開け、中を伺っていた。
「三郎君、ちょっといいかな?その、取り込み中じゃなかったかい?」
「な、何もないから大丈夫です」
渡井が奴隷の少女を伴って部屋に入ってきたが、彼女もちゃんと着替えをしていた。
「三郎君に嫌われたくないからではないが、僕も奴隷制度については胸クソが悪いと思うし、青臭いかもだがミライを手籠めにはしないよ。君と同じだよ」
「渡井さんが良い人そうで良かったです。聖哉さんの所は大丈夫かな?」
「流石に今日はおとなしくしているだろうさ。先程からいびきが聞こえてきたからね。一番眠そうにしてたし、今日もし彼女に手を出せば君に殺されるとさっきもぼやいていて、畜生!と叫んでいたよ。まあ、今晩は大丈夫だろう。それよりこの子の名前を決めたのかい?」
「はい。ソフィアと。こちらはミライさんなんですね。所でどうしました?」
「疲れている所悪いのだけれども、どうも胡散臭くてね。三郎君の意見が聞きたいんだ」
「聖哉さんを交えなくて大丈夫ですか?」
「必要ないだろうさ。あれはチンピラであり、下半身で生きているタイプだから、女を宛てがっている間は本当に何でも言う事を聞く奴だよ。懐柔されて犬になるタイプだし、向こうからしたら扱いやすいだろうね。それよりも僕らは扱いにくいだろうさ」
「た、確かに。えっと胡散臭いって、どうしました?」
「気付いていないかい?どうも様子がおかしいんだ。ミライに聞いたが、魔王軍に攻められている話は聞いた事がないらしいよ。それよりも隣国との争いが深刻らしいね。皆の疲弊具合や焦りから、どうやら僕らは戦争に巻き込まれているのじゃないかと思うんだ。城の外がちらっとみえたが、戦いの準備か既に戦っている最中のような慌ただしさだったよ」
「た、確かに慌ただしい感じがしますね。よく気が付きましたね」
「嫌な予感がするんだ。僕は弓使いだからきっと眼が良いんだろう。失礼を承知で聞くけれども、三郎君はどんなスキルを得られている?ってまず僕の方を話そう。一つは弓使い固有スキルで遠見だ。大体100m先にある物が直ぐそこにあるかのように見える。もう一つはインビジブル。これは触れている者を含め、臭いを含めてありとあらゆる気配を消す。但し、流れ弾等、たまたま攻撃されたら当たるが、発動中は例え目の前にいても存在を感じられずに済む、その2つだ」
「僕のは、魔法使い固有スキルで異空間収納。今は100kg位のようです。成長と共に増えるっぽいですよ。なので今は最初に持っていた荷物や服、それと支度金を入れています。もう一つは壁抜けですね。インビジブル同様に触れている者を含め、壁、床、天井等をすり抜けられます」
「なる程ね。二人のスキルを合わせればここから脱出するのは難しくなさそうだね」
「渡井さん、それを考えた方が良いのでしょうか?」
「剛で良いよ。僕も三郎君と呼んでいるから、名前で良いよ。そうだね、何時でも逃げられるようにしておいた方が良いと思うよ。だから今晩は僕は寝間着は着ないよ。!?」
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