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第二章 逃亡編
第21話 焦り
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ルースもいつの間にか寝てしまっていた。
まだ休憩の時間では無かったが、馬車が止まりルースは起こされた。
「疲れている所を悪いが起きて確認してくれないか?」
そこは分岐路であり、どちらに進むべきか相談する為だった。
分岐があるところには標識があるもので、ここも標識があるのはあったがよく分からなかった。
そこに書かれていたのは矢印とライラレイク、トリトーンとだけだった。
少なくともその看板というか道標を見てトニーはどちらに行くべきか判断できなかったからだ。
トニー達も同じである。ルースはアルテミスとソフィアを起こして案内標識を見てもらったが、二人とも首を横に振った。
この案内標識がどちらが目的の方向の町へ行く方なのかどうかすら分からない。どちらもパッと見似たような大きさの道になっている。さて困ったとなったが、全員地理不案内で判断がつかなかった。
またパッと見近くに誰もいない。こんなところで足止めをくらうのは御免被りたいものだ。ルースがコイントスで決めようと言ったが、そんなんでいいのか?というような事を誰も言わず、トニーも頷いたのでルースがコイントスをした。その結果としてトリトーンに向かう事になった。
よくよく見ればどちらの方が人々の行き交った痕跡が多いかというのが分かるようなものなのであるが、残念ながら二人にはそういう事を見極めるだけの知識も経験もなかった。3人の奴隷の少女達も同じである。
不安を覚えつつもコインの指し示した方に向かって進みだしたが、1時間ほどで小さな町が見えて来た。その町に入る用事が有る訳ではないのだが、そこにいる門番に道を尋ねてみた。地図を持っていない事に対して呆れられたが、一度魔物の襲撃に遭い馬車が燃やされてしまい、武器と金目の物を持ち出すのが精一杯だった。地図は買い足し忘れていたと告げるとなるほどとは言ってくれた。勿論ただ聞くだけではない。ソフィアにお願いし、門番に多少のお金を握らせている。仕方がねえなあという感じで質問に答えてくれた。幸いな事に向かう方向はこちらで合っていて、分岐の方を逆に進んでいた場合観光地である湖に出ると言っていた。もしもそちらに行っていたならば1時間以上のロスになるところであった。
門番の話によると、この先はだんだん町や村の数が減っていくと言っていた。このまま街道をまっすぐに行けばいずれ国境に出ると言っているが、国境に近づく程人口が減り、魔物の数が増える。
時間は惜しかったが町に入り休憩を取ったり食料を確保する事にした。そんなに大きい町ではないが、とりあえず宿屋に行けば食事を出してくれるという事を聞き、食事の為に宿屋に行った。
一旦宿屋の馬房に馬車を預ける事にしたが、馬の世話などはどうも子供がやっているようで、子供にお金を渡し、馬に飼い葉を与え、道中の分の飼い葉を分けてもらうようにお願いをした。
そしてちょっとした食事を食べ、この先の分の弁当も用意してもらった。それらを馬車に積み込み、出発した途端に食料を収納の中に入れていった。
ルース達の馬車は普通の馬車よりも歩みが早い。2頭立ての馬車だというのもあるが、今はどうも収納に200 kg程入るらしく、しかも収納の中に入れていると重量が無くなる。その為本来よりも200 kg 程重量が軽くなっているので馬車の歩みは軽いのだ。
町を出てから程なくして寂れた道を進む事になり、今はのどかな草原地帯を進んでいる感じだ。
王都から森を突っ切って来たのが大きい。森を迂回してこちらから国境に向かう者は少ない。迂回路の途中に分岐路があり、大半の者はルース達が進んでいる旧街道ではなく、整備された主要街道を通り国境に向かう。
距離は旧街道の方が短いが、魔物がそれなりに多く出る所を通り、犠牲者も多かったので、少し距離が伸びるが魔物が少ないルートを整備し主要街道としていた。それもあり旧街道沿いは年月と共に段々と廃れていった。その為行けども行けども何もない。何かが出没してもすぐに発見できるような位に草の背丈も低い。その為時折魔物がいたが、トニーの弓で遠くから撃破していた。
今進んでいる辺りは生き物も殆どいないので、魔物に襲われる心配も少ない感じだった。
先程の町で地図を購入できたので大まかな地理は分かる。そう、門番の言っていた通り町や村を示すマークがまばらにしか無かったのだ。と言っても地図の精度など大したものではない。子供のお絵かきかと思うようなそういう地図しかないのだ。
測量技術があるわけでも、きちんとした地図が作成されている訳でもない。旅人などがこんな感じかな?と手持ちの地図や自分が歩いた街などの位置関係を記入した。そんな感じだ。
先の町から2時間程進んだところで漸く小さな村があった。だがあまりにも小さいので立ち寄らずにスルーしてそのまま先を進んでいた。
その後次の町が見つからないまま段々と日が落ちてきた。
そろそろ野営の準備をしなければとなり、そこから少し進むとちょっとした木立があったのでその木に馬を繋げた。馬の世話を女性陣にお願いし、簡易的な夕食の準備をする事にした。男女逆だなと二人は思いつつも馬の世話の仕方が分からず、そういうふうに別れていた。
また、男女で分けた方が良いとの判断でもある。女性陣だけで話す機会を作ろうとした。自分達は彼女達を奴隷として扱わないと言ったが、彼女達は奴隷としての振る舞いが所々でており、自分達に聞かれたくないような話もあるだろうとの配慮でもある。
生活魔法で水は出せるので魔法で火を起こし、水を沸かしてかなりの薄味のスープを作った。そこにジャガイモに似たイモを細かく切ったのと、豆類などの水で戻すものと干し肉を入れてから茹で、塩しかなかったが味を整え皆でそれを啜っていた。一応弁当類はまだあるが、町がまだらにしかなく、ある程度は取っておく事にしている。
ひとつ分かったのはルースの収納というのは時間の流れが止まっているという事だ。
熱いものを入れておき、数時間後にそれを取り出した。温度がどうなっているかというのを確認したのだが、触れると火傷をする、それ位の温度の物を入れていた。数時間後に出して確認するも、火傷しそうな温度のままだったのだ。その為温度変化がないものとした。温度計があるわけではないので湯気の出方や触った時の熱さなど感覚的な事であったが、検証はそれで十分だった。
まだ休憩の時間では無かったが、馬車が止まりルースは起こされた。
「疲れている所を悪いが起きて確認してくれないか?」
そこは分岐路であり、どちらに進むべきか相談する為だった。
分岐があるところには標識があるもので、ここも標識があるのはあったがよく分からなかった。
そこに書かれていたのは矢印とライラレイク、トリトーンとだけだった。
少なくともその看板というか道標を見てトニーはどちらに行くべきか判断できなかったからだ。
トニー達も同じである。ルースはアルテミスとソフィアを起こして案内標識を見てもらったが、二人とも首を横に振った。
この案内標識がどちらが目的の方向の町へ行く方なのかどうかすら分からない。どちらもパッと見似たような大きさの道になっている。さて困ったとなったが、全員地理不案内で判断がつかなかった。
またパッと見近くに誰もいない。こんなところで足止めをくらうのは御免被りたいものだ。ルースがコイントスで決めようと言ったが、そんなんでいいのか?というような事を誰も言わず、トニーも頷いたのでルースがコイントスをした。その結果としてトリトーンに向かう事になった。
よくよく見ればどちらの方が人々の行き交った痕跡が多いかというのが分かるようなものなのであるが、残念ながら二人にはそういう事を見極めるだけの知識も経験もなかった。3人の奴隷の少女達も同じである。
不安を覚えつつもコインの指し示した方に向かって進みだしたが、1時間ほどで小さな町が見えて来た。その町に入る用事が有る訳ではないのだが、そこにいる門番に道を尋ねてみた。地図を持っていない事に対して呆れられたが、一度魔物の襲撃に遭い馬車が燃やされてしまい、武器と金目の物を持ち出すのが精一杯だった。地図は買い足し忘れていたと告げるとなるほどとは言ってくれた。勿論ただ聞くだけではない。ソフィアにお願いし、門番に多少のお金を握らせている。仕方がねえなあという感じで質問に答えてくれた。幸いな事に向かう方向はこちらで合っていて、分岐の方を逆に進んでいた場合観光地である湖に出ると言っていた。もしもそちらに行っていたならば1時間以上のロスになるところであった。
門番の話によると、この先はだんだん町や村の数が減っていくと言っていた。このまま街道をまっすぐに行けばいずれ国境に出ると言っているが、国境に近づく程人口が減り、魔物の数が増える。
時間は惜しかったが町に入り休憩を取ったり食料を確保する事にした。そんなに大きい町ではないが、とりあえず宿屋に行けば食事を出してくれるという事を聞き、食事の為に宿屋に行った。
一旦宿屋の馬房に馬車を預ける事にしたが、馬の世話などはどうも子供がやっているようで、子供にお金を渡し、馬に飼い葉を与え、道中の分の飼い葉を分けてもらうようにお願いをした。
そしてちょっとした食事を食べ、この先の分の弁当も用意してもらった。それらを馬車に積み込み、出発した途端に食料を収納の中に入れていった。
ルース達の馬車は普通の馬車よりも歩みが早い。2頭立ての馬車だというのもあるが、今はどうも収納に200 kg程入るらしく、しかも収納の中に入れていると重量が無くなる。その為本来よりも200 kg 程重量が軽くなっているので馬車の歩みは軽いのだ。
町を出てから程なくして寂れた道を進む事になり、今はのどかな草原地帯を進んでいる感じだ。
王都から森を突っ切って来たのが大きい。森を迂回してこちらから国境に向かう者は少ない。迂回路の途中に分岐路があり、大半の者はルース達が進んでいる旧街道ではなく、整備された主要街道を通り国境に向かう。
距離は旧街道の方が短いが、魔物がそれなりに多く出る所を通り、犠牲者も多かったので、少し距離が伸びるが魔物が少ないルートを整備し主要街道としていた。それもあり旧街道沿いは年月と共に段々と廃れていった。その為行けども行けども何もない。何かが出没してもすぐに発見できるような位に草の背丈も低い。その為時折魔物がいたが、トニーの弓で遠くから撃破していた。
今進んでいる辺りは生き物も殆どいないので、魔物に襲われる心配も少ない感じだった。
先程の町で地図を購入できたので大まかな地理は分かる。そう、門番の言っていた通り町や村を示すマークがまばらにしか無かったのだ。と言っても地図の精度など大したものではない。子供のお絵かきかと思うようなそういう地図しかないのだ。
測量技術があるわけでも、きちんとした地図が作成されている訳でもない。旅人などがこんな感じかな?と手持ちの地図や自分が歩いた街などの位置関係を記入した。そんな感じだ。
先の町から2時間程進んだところで漸く小さな村があった。だがあまりにも小さいので立ち寄らずにスルーしてそのまま先を進んでいた。
その後次の町が見つからないまま段々と日が落ちてきた。
そろそろ野営の準備をしなければとなり、そこから少し進むとちょっとした木立があったのでその木に馬を繋げた。馬の世話を女性陣にお願いし、簡易的な夕食の準備をする事にした。男女逆だなと二人は思いつつも馬の世話の仕方が分からず、そういうふうに別れていた。
また、男女で分けた方が良いとの判断でもある。女性陣だけで話す機会を作ろうとした。自分達は彼女達を奴隷として扱わないと言ったが、彼女達は奴隷としての振る舞いが所々でており、自分達に聞かれたくないような話もあるだろうとの配慮でもある。
生活魔法で水は出せるので魔法で火を起こし、水を沸かしてかなりの薄味のスープを作った。そこにジャガイモに似たイモを細かく切ったのと、豆類などの水で戻すものと干し肉を入れてから茹で、塩しかなかったが味を整え皆でそれを啜っていた。一応弁当類はまだあるが、町がまだらにしかなく、ある程度は取っておく事にしている。
ひとつ分かったのはルースの収納というのは時間の流れが止まっているという事だ。
熱いものを入れておき、数時間後にそれを取り出した。温度がどうなっているかというのを確認したのだが、触れると火傷をする、それ位の温度の物を入れていた。数時間後に出して確認するも、火傷しそうな温度のままだったのだ。その為温度変化がないものとした。温度計があるわけではないので湯気の出方や触った時の熱さなど感覚的な事であったが、検証はそれで十分だった。
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