神獣使いは魔法の使えない魔法使い!〜異世界召喚された魔法使いはヌンチャクの使い手だった!奴隷少女と格闘派魔法使いの異世界成り上がり物語!〜

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第三章 新天地編

第46話 急遽ドレスを買いに行く

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 翌朝ルースはドアをノックされ目が覚めた。

「おはようございます。起きていますか?」

 アルテミスだった。

 ルースはまだ眠いが寝癖のひどい頭をボリボリとかきながらドアを開けた。

「おはようアルテミス。今日も綺麗だね」

「うふふ。ルース様がお世辞を言うなんて珍しいですね!もう食事が運ばれてきましたよ!皆待っているから早く来てね!」

 お世辞じゃないんだよと言いたかったがそそくさとアルテミスは戻っていった。

 しゃあないなとなりトニーを起こし、少ししてから壁抜けで隣の部屋に行った。だが目の前には着替えの最中の女性陣がいた。慌ててトニー共々背中を向けたが、女性陣も短くキャッと悲鳴を上げて服を抱えて隣の部屋に逃げていった。

 程なくして3人共着替えて戻ってきた。

「ちょっと何をしているのですか?レディーの部屋にノック無しに入るなんて駄目でしょ!私達は良いけど、ミライもいたのよ!まったくもう」

「ははは。ごめんよ。二度としないよ」

「お二人共お着替えがまだですわね。着替えを持って来てくださらないかしら?」

 ミライに言われ、はいと返事をし、二人は着替えを取ってきた。
 まだ頭が回っておらず、次の展開が読めなかった。読めていたら着替えてから来るのだろうが、言われた通りに抱えて持ってきたのだ。

「はい。では今ここでお着替えをなさってくださいな」

「えっ?」

「えっ?じゃありません。私達の着替えを覗いたのですから、お二人のお着替えを見せて貰いますわよ。必要でしたらお着替えをお手伝いしますわよ!」

 3人の目が本気だったので、二人はパンツ一丁になった。

 3人は着替えを奪っており、少しの間だが二人の体をまじまじと見て、意外と筋肉質なんだね!とかあれこれ言っていた。二人は恥ずかしかったがミライがルースの手を取った。

「ルース様の手を初めて触りましたが、やはりトニー同様労働者の特徴が何処にも無い綺麗な手ですわね。それに体に傷も無いですわね。さて困りました。二人共騎士団にいる貴族の体付きで、剣タコも無いので出来れば手袋か指抜きのグローブ?をして握手をした方が異世界人とバレ難い気がします。さて堪能もとい、確認できましたから服を着てください」

「今堪能って言ったよね?」

「はてなんの事でしょうか?それより折角のお料理が冷めますわ」

 ため息を付きつつ食事を摂り身支度をした。
 身支度が終わった時にドアがノックされ、2時間後に城から迎えが来るとの使者が来たとの事だった。

 近くの服を売っている店と冒険者向けの店を教えて貰い、リーナとルーナは部屋でお留守番にして買い物に向かった。まずは服屋だ。女性陣の服がない。流石に買い物に行く時間が出来たのも有りミライに言われたのだ。

「トニー、ルース様、申し訳有りませんが、急ぎ私達の服を買って頂きたいのです。今持っている服ですとお二人に恥をかかせてしまいます」

 そうして尤もだなとなり、謁見時に着る服を急ぎ買いに行っていた。ルースも二人が恥ずかしい思いをしなくて済むのならと賛成したし、気持ちに余裕が出てきたからだ。何より綺麗に着飾った二人の姿を見たいのだ。

 店員に事情を説明したがかなり驚かれてしまった。ただ、噂で神獣使いが各々神獣様を連れて突如この王都を訪れたと。お金さえ持っていれば真偽はどうでも良い感じだった。完璧じゃなくても良いから、及第点で良いからと今できる精一杯をお願いしたが、一人に付き金貨50枚とかなり吹っ掛けられたが、背に腹は代えられないので前金で渡した。慌てた店員が謝罪をしてきたので、じゃあ後で取りに来るからパーティー用のドレスも作るようにお願いし、追加が幾らなのか聞いた。

「その、申し訳ございませんでした。追可はその、い、頂けません。これでも貰い過ぎです」

「女性への買い物に値切る事はしませんよ。それより僕にはよく分かりませんが、背の高い子は多分大丈夫ですが、あの二人は必要な物を見繕ってあげてください。僕らはあちらの店で少し買い物をしていますから」

 そうやって店員にお任せし、ミライに言われたグローブを買いに行った。手袋は性に合わなかったが、指抜きになっているグローブだとしっくり来た。それと少しは見栄えのする装備を買い足した。又、本来必要はないが、武器屋に行きトニーに弓と矢を買った。また、ルースはヌンチャクを店の者に見せ、これの予備が欲しいと似たようなのを作って貰うようにし、剣帯を買った。敵から奪った剣を売り、所謂ショートソードを買い装着した。短い時間であり、やれる事に限りがあるが、何とかそれっぽい格好を目指した。周りにいる冒険者?を参考にしていたのだ。そうして宿に戻る時間が近付いてきたので、服屋に戻り、謁見の時に着る服を着た女性陣を伴い宿に戻った。宿の入り口にて待たせ、ルースは急いでリーナとルーナを迎えに部屋に戻り、宿の入り口にて皆と迎えの馬車を待つのであった。
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