神獣使いは魔法の使えない魔法使い!〜異世界召喚された魔法使いはヌンチャクの使い手だった!奴隷少女と格闘派魔法使いの異世界成り上がり物語!〜

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第四章 精霊契約編

第67話 三星槍の槍

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 旅は約4日と言っていた。
 国際的にはハレム国の一部なのだが、特別自治区で、一般的にハーレム国の属領とされてはいるが、れっきとした独立国家で神獣国のひとつだと言っていた。

 三郎とリセを乗せた馬車と、輜重用の荷馬車、騎馬が20と、それなりの人数だ。また、惜しげもなく高価な魔物避けを使い、そのおかげからか順調に進んでいた。

 三郎達の馬車は王族の旅用の馬車で、豪華な内装だ。座席のクッションもフカフカで、時折リセの神獣もリセに甘えに来ていた。

 神獣の寿命は約50年との事。この子は10歳のオスで、人間で言うと、12,13歳の悪戯盛りの歳だ。体の大きさはリーナと同じ位だ。普通メスは一回り小さいし、この子は一般的な大きさと言っていた。

 そういえばと思い、小休憩の時に槍を渡した。

「悪い悪い。試合の時に奪ってしまった槍を返すよ。それとこれはどんなんだ?」

 リセは愛槍が行方不明で落胆していたが、戻って来たので嬉し涙を流し、三郎の胸に顔を埋めていた。

 そしてもう一本の槍を見せられたのだが、リセの槍とほぼ同じだが、首を傾げていた。

「こ、これは三星槍の槍よね?なんで三郎が持っているのよ?」

「逃げている時の追っ手に手練の槍使いが3騎いて、流石に3人相手では押されていたけど、トニーが一人を矢で倒してくれたから残り2騎を倒したんだ。生死までは確認していないけど、槍は回収したんだ。一本はアルテミスにあげたんだ。業物なのか?」

「全くあんたときたら本当に規格外よね。ハイガスランの三星槍って有名よ。私より強いんだから、ありえないのよ」

「確かに強かったな。たださ、リセは別格だけど、初めて殺られると覚悟をした相手かな。よかったら使うか?使うなら今の槍は俺の収納に一旦入れとくぞ」

「駄目よ。私より強い者のヤリを使うなんて」

「何を言っているんだ?お前の方が強いぞ。そうだな、あいつらを二人同時に相手をして互角かな?流石に3人相手では俺も勝てなかったけどな」

「そ、そうなんだ。じゃあ、貰おうかな。」

 槍を受け取ると色々確かめていた。どうも聞いた事のある槍のようだ。どうやら魔力を流したようで、ガシャンガシャンという軽快な音と共に槍が短くなったのだ。

「これはね、こうやって短くして携帯できるの。ただ短くはなるけども、重さが軽くなるわけではないのでそれなりの力が必要よ。カグラじゃなくてアルテミスには重たいかもね」

「エッ?じゃあお前には重くないのか?お前の方が体は細いと思うぞ」

「種族が違うでしょ!体が細くてもね、エルフの方が膂力があるのよ。うふふありがとう!大切に使うわね」

 三郎の頬にキスをしてきた。

 先ほどは唇を重ねているのだが、あれはあくまで処置の為の行為であって、キスではないと。処置の場合唇を重ねる事自体は多少恥ずかしいが、それでもやはりキスは別だ。そう言っていたのを思い出し、頭を撫でた。そして少し体を伸ばしてから、再び馬車に乗り込むのであった。
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