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第五章 魔軍襲来
第89話 決着とタカタミの正体
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バリバリバリバリ!ヒューンドスン!鼓膜が破れたのじゃないかと言う程の凄まじい音がしたが、即時振動が来た。
そこには直径4m位の穴が開いており、周りにいた三郎達も肉片を浴びて血塗れだった。
三郎は恐る恐るクレーターの中を見るも原型を保っている死体もあるが、死体まみれだった。
タカタミは上半身のみになり、人型になって虫の息だった。その側には巨大な蛇の部分が転がっていた。
そこにいくと三郎に手を伸ばしてきた。
「あたいの負けなんだな。虫の良いことを言うが、アタイを負かした男をよく見せておくれ。どこで間違ったんだろうか。ああ、横浜に帰りたい」
「お前日本人だったのか?」
「魔王軍に召喚されてな。お前も日本人なのか?ああ最後に自我を取り戻せたよ。暗くなってきたな。日本人のよしみでキスをして送ってくれないか?あたいは片峰さくらってんだ。名前をおぼえてくれないか?」
三郎は穏やかな日本人の顔のそれに見えた。勿論違うのだが、魂がそう見えた。
三郎はうんと頷き、キスをして手を握ったまま逝かせてやった。最後にありがとうと言われた。そしてキスをした。瞬間、何かが体に入ってきたのが分かった。さくらが最後の力を振り絞り、その特殊な力を三郎に託したのだ。しかし、それを知るのは今ではない。
逝った後、やりきれない思いからかせめてきちんとまいそうをしてやろうと、収納に死体を入れた。
そこから出ると三郎は自らにヒールを掛け、仲間の元に戻った。皆にクリーンを掛け、皆バラバラ死体で、タカタミの下半身は確認できたが、上半身はバラバラで分からなかったと告げた。
騎士達には魔物の生死確認をし、魔石を回収してから王都に向かうようにとお願いをし、リセとリーナのみを伴い急ぎ王都に向かう事にした。リーナは二人、乗ると伝えてきた。つまり二人共背に乗ってと言っているのだ。三郎はリセの背中に抱きつく形で背に乗った。
三郎は泣いていた。リセは何故泣いているのかの理由が分からなかった。
「三郎?何か有ったの?」
「済まない。あいつ、俺の国にいて、魔王軍に召喚されたって言っていた。俺、同郷の女を殺したんだ。くそ!なんなんだよ。キスをして送って欲しいって言われたんだよ」
「それで様子がおかしかったのね。大丈夫よ。私が付いているから。三郎は正しい事をしたのよ。シルフ様より倒し方を指示されたのでしょ?やろうと思えばイフリート様を随意召喚して焼き払えたと思うの。シルフ様には相手の正体が分かっていたのでしょう」
そっとお腹に回されている手に手を重ねた。
今だけと言って、三郎はリセの背中ですすり泣いていた。
そんな三郎についてやはりキュンとなり、胸が苦しくなっていた。男が泣くなんて余程の事がない限りないと認識していた。少なくとも師匠に会いに行く時とは状況が違う。ちょっとやそっとの痛み程度では泣く事も無い筈だが、同郷の者を殺した事で泣いているのは分かるが、どんな会話が有ったのか?と心中が分からずどうしたものか困ってもいた。ただ、少ししたら落ち着いていつものむっつりスケベに戻るよね!と思う事にした。
ただ、先を進むに従ってかなりの魔物と遭遇し、都度リセが蹴散らしていた。オークやオーガ、それらに使役されている獣型等々だ。段々と王都の町が見えてきたが、煙が立ち込めているのが分かり、リセが三郎に告げた。
「王都がおかしいの。戦えるようにして!王都から戦いの気配がするの」
三郎は涙を拭った。
「わ、分かった。さっきタカタミは後詰めと言っていたから、本体は町を襲っているんだろうね。ありがとう。完全にではないけど、もう大丈夫だよ。うん。確かに戦いの気配がするね。リーナ、リセを頼んだぞ!二人共、気を引き締めて行こう!さあ森を抜けるよ!」
そうして森を抜け王都の正門が辛うじて見える筈の場所に出るのであった。
そこには直径4m位の穴が開いており、周りにいた三郎達も肉片を浴びて血塗れだった。
三郎は恐る恐るクレーターの中を見るも原型を保っている死体もあるが、死体まみれだった。
タカタミは上半身のみになり、人型になって虫の息だった。その側には巨大な蛇の部分が転がっていた。
そこにいくと三郎に手を伸ばしてきた。
「あたいの負けなんだな。虫の良いことを言うが、アタイを負かした男をよく見せておくれ。どこで間違ったんだろうか。ああ、横浜に帰りたい」
「お前日本人だったのか?」
「魔王軍に召喚されてな。お前も日本人なのか?ああ最後に自我を取り戻せたよ。暗くなってきたな。日本人のよしみでキスをして送ってくれないか?あたいは片峰さくらってんだ。名前をおぼえてくれないか?」
三郎は穏やかな日本人の顔のそれに見えた。勿論違うのだが、魂がそう見えた。
三郎はうんと頷き、キスをして手を握ったまま逝かせてやった。最後にありがとうと言われた。そしてキスをした。瞬間、何かが体に入ってきたのが分かった。さくらが最後の力を振り絞り、その特殊な力を三郎に託したのだ。しかし、それを知るのは今ではない。
逝った後、やりきれない思いからかせめてきちんとまいそうをしてやろうと、収納に死体を入れた。
そこから出ると三郎は自らにヒールを掛け、仲間の元に戻った。皆にクリーンを掛け、皆バラバラ死体で、タカタミの下半身は確認できたが、上半身はバラバラで分からなかったと告げた。
騎士達には魔物の生死確認をし、魔石を回収してから王都に向かうようにとお願いをし、リセとリーナのみを伴い急ぎ王都に向かう事にした。リーナは二人、乗ると伝えてきた。つまり二人共背に乗ってと言っているのだ。三郎はリセの背中に抱きつく形で背に乗った。
三郎は泣いていた。リセは何故泣いているのかの理由が分からなかった。
「三郎?何か有ったの?」
「済まない。あいつ、俺の国にいて、魔王軍に召喚されたって言っていた。俺、同郷の女を殺したんだ。くそ!なんなんだよ。キスをして送って欲しいって言われたんだよ」
「それで様子がおかしかったのね。大丈夫よ。私が付いているから。三郎は正しい事をしたのよ。シルフ様より倒し方を指示されたのでしょ?やろうと思えばイフリート様を随意召喚して焼き払えたと思うの。シルフ様には相手の正体が分かっていたのでしょう」
そっとお腹に回されている手に手を重ねた。
今だけと言って、三郎はリセの背中ですすり泣いていた。
そんな三郎についてやはりキュンとなり、胸が苦しくなっていた。男が泣くなんて余程の事がない限りないと認識していた。少なくとも師匠に会いに行く時とは状況が違う。ちょっとやそっとの痛み程度では泣く事も無い筈だが、同郷の者を殺した事で泣いているのは分かるが、どんな会話が有ったのか?と心中が分からずどうしたものか困ってもいた。ただ、少ししたら落ち着いていつものむっつりスケベに戻るよね!と思う事にした。
ただ、先を進むに従ってかなりの魔物と遭遇し、都度リセが蹴散らしていた。オークやオーガ、それらに使役されている獣型等々だ。段々と王都の町が見えてきたが、煙が立ち込めているのが分かり、リセが三郎に告げた。
「王都がおかしいの。戦えるようにして!王都から戦いの気配がするの」
三郎は涙を拭った。
「わ、分かった。さっきタカタミは後詰めと言っていたから、本体は町を襲っているんだろうね。ありがとう。完全にではないけど、もう大丈夫だよ。うん。確かに戦いの気配がするね。リーナ、リセを頼んだぞ!二人共、気を引き締めて行こう!さあ森を抜けるよ!」
そうして森を抜け王都の正門が辛うじて見える筈の場所に出るのであった。
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