異世界召喚された俺は余分な子でした

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第5章

第126話 旅立ち

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 2日目(day35)
 女神達?の夢を見た。
 彼女達は誰かを必死で探しており、無駄だと思いつつ一縷の望みに託して呼び掛けている。驚いた事に私の名前を呼んでいるのだ!それも必死に。

「ランス、どうかどうか返事を。お願いだから一言で良いので返事を!ううお願い」

 泣いていたのは綺麗なハーフエルフの若い女性で、周りには他に女性が数人居る

「ナンシー無理をしないで!彼は何故かかなり遠くにいるのよ。魔力不足で念話は無理よ。でも生きてはい・・・」

 夢の途中だが目覚めた。

 朝だった。
「知らない天井だ」
以前も有名なテンプレを言った気がする。

 目が覚めるとセチアが俺の背中に抱き付いていた。

「そう言えば夢に出て来たのがナンシーさんか。とんでもなく綺麗だったな。それに俺の事を探しているのか」

 気がつくと呟いていた。それとずっと感じていたのは摩訶不思議な感覚だった。セチアさんが私の奴隷となってから彼女の存在や居場所を何となくだが感じる。それと同じような感覚が遙か彼方にうっすらと感じ取れるのだ。

 念話というのを試してみよう。

「誰か私の声が聞こえますか?」

 一言だけ言うと何かがごっそり持っていかれ、急激に頭が痛くなりふらふらになった。何故分かるか不思議だが、魔力の殆どを持って行かれた。

「まだかなり早い時間だ。少し休もう」

 そう思い30分程そのまま横になっていた。背中に胸の感触が感じられるが、それよりも温もりが心地良かった。私は何故か上の服を着ていない。そう言えば背中には生の胸が当たっている感じがして、恐る恐るセチアを見ると裸だ。

「俺はあんなにも格好を付けておきながら、や、やっちゃったのか?」

 呟きつつ自己嫌悪をしていると、セチアが目覚めた。おはようとにっこりと挨拶をすると、あっ!と唸って経緯を説明してくれた。

 その前に胸を隠そうとしないので、床に落ちていた上着を無理矢理着せてあげた。

 どうやら私はうなされていて、体がまるで死体なのではと思う位に低い温度になっていたらしい。これは不味いと思い、人肌で暖めてくれていたのだという。
 思わず抱きしめて感謝をして頭を撫でていた。

 私はランニングしないといけないなと思い、30分程だが村の外周を軽く走ってきた。そして剣を握りしめ、素振り等の鍛錬を行う。セチアが朝食が出来たと呼びに来るまで鍛錬をしていた。
 記憶が無いが、自然と毎日朝の訓練をしていたようで、難なくやれた。

    鍛錬をしている時に収納の中を確認していると、1冊の仕事用の手帳が出てきて、少し目を通した。

 仕事のメモが終わった後、この世界に来てから俺の身に起こった事が書かれていた。

 どうやら俺は45歳でこの世界に異世界転移か召喚させられられて、18才の若い体になった。召喚した奴に嵌められて追放されたりと書かれている。後でじっくり見よう。書かれている最後のページには34日目の朝の事が少し書かれていて、そこで終わっている。今は転移して35日目のようだ。

 質素な朝食を食べると村長に予定を聞かれた。
 今日は特に予定が無いが、倒した盗賊のカードを回収したいと伝えたが、私が倒した分は既に回収しており、渡してくれた。

「ありがとうございます。実は記憶を無くしております。記憶を失くす以前に書き留めていた手帳があったので、多少の事は分かるので、そこに記された手掛かりを元に自分を知る人物を探そうと思っています。しかし今日は亡くなった方の埋葬などが有るのでしょう?あと私の名前が分かりました」

 俺はギルドカードを見せた

「はい。それは難儀な事で。今日は亡くなった者の埋葬を行います。何のおもてなしも出来ず申し訳ありません」

村長はカードを見て唸った。

「驚きましたな。強いとは思いましたが、S級の冒険者様でしたか」

「そう言えばセチアさんの処遇についてなのですが、どうすれば良いのでしょうか?彼女を差し出すと言っていたようですが?」

「はい。文字通りでして。彼女は奴隷です。残念ながら村にはお支払い出来る対価を用意できません。私の方で所有している彼女しか価値のある物は有りません。どうか貰って下され。こんなちんけな村で一生を終えさせるのは彼女には不憫です。それに初めての方がS級の冒険者様となり、一緒にいる方が彼女も良い暮らしが出来ましょう」

「そうか。しかし昨夜は俺も怪我をしていて、そういう意味ではまだ彼女を抱いていませんよ。勿論生娘のままです。本当に頂いても良いのですか?無論大事にしますが」

「何とそれはランスロット様は希代の紳士様なのですな。尚の事貰って下され。既に聞き及んでいるかとは思いますが、此度の盗賊の襲撃は彼女を巡ってなのです。本音を言うと他の村人から処分せよと強く訴え掛けられております。ご無礼を承知で申し上げますと、出来れば早く彼女を連れて村を出発をして頂ければと思います」

「そんなに状況が悪いのか?」

「はい。今はまだ死体の埋葬で忙しいのですが、それが終わると今度はセチアに意識が向きます。馬車は盗賊が乗ってきたのがありますし、隣町にはどちらも今出れば夕刻には到着出来ると思います。馬の飼い葉も積んであります。どうかあの子の事を宜しくお願いします。年老いた私達にとっては娘同然でした。勿論私達のみの時には一度として奴隷として扱った事は有りません。あの時に奴隷として扱ったのは、ああすれば村の恩人の所有物となり、間違っても殺される心配がなくなるからでございます」

 ある程度事情が分かり、セチアには恐らく親とは金輪際の別れとなる旨を伝え、一緒にお墓お参りに行く事にした。何でも3年前に流行病で亡くなったのだそうだ。奴隷ではあるが、あの老夫婦が未だに生娘で手元に置いている理由が分かったから、大事にされているのだなと羨ましかったのであった。

 
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