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第1章
第456話 別れの時と日蝕
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最後の夜という事もあり、俺とリギアはカイルを挟んで川の字で寝る事になった。
いい年をした親子が一緒の布団で寝るというのも考えものではあるが、今まで親子として暮らしておらず、泣いても笑っても一夜限りの事なのでとリギアの願いだった。
40半ばで親に添い寝をされると言うのでカイルも相当恥ずかしがったが、リギアのたっての希望であり、カイルが折れてくれたのだ。
翌朝になり、朝食の前に日課としてカイルが息子達と朝稽古をするというので、俺も付き合った。
そしてカイルの息子達に持ってこさせた愛用の武器に、この世界で倒した魔物の魔石を使って可能な限りの強化を施した。
孫達に特別に何かしてやれるわけでもないので、せめてこれくらいはと言ったのだが、皆からある意味呆れられた。
強化した武器の全てが国宝級、伝説級の武器に仕上がったからだ。勿論カイルの愛用の武器にも施していく。
そして朝食の後、一部の重鎮達と軽く話を行って欲しいとカイルからお願いされた。
朝食はカイルの奥さんが自ら腕を振るった料理を食べさせて貰った。
料理が趣味だというので、調理人が作る普段の食事とはまた違った家庭の味を披露してくれた。
朝食が終わるといつのまに手配していたのか、向こうの世界に行く前に是非とお土産を渡された。
有り難い話だ。
また、俺達の使っていた屋敷について管理をカイルに託した。
自由にしてくれと。
町から少し離れたところにあるのだが、馬車だと日帰りで行けなくはない距離だ。
もうそろそろ屋敷に行かなければならない時間になり、最後の別れを外で行なっていた。
そう、まさに玄関先でだ。一応カイルも魔法陣の発動に立ち会うと言ってはいたが、来るのは一部の者と、護衛や御者のみだ。
そうしていると気の所為か辺りが少し薄暗くなってきた。
快晴なのだが。
そして誰かが叫び出した。
「太陽がぁ!太陽が消えていく!」
俺達がこの世界に来てから初めての皆既日食だった。
誰かが不吉だとか、この世の終わりだとか言い出したので、俺は一喝して黙らせた。
俺は純粋な惑星や衛星、つまり月等の天体の動きによって起こる天体の現象であると。
不吉な事ではなく、むしろ神秘的で、めでたい事だと説明した。
重鎮達を交え、天体について手短に話をした。
皆既日食の説明と、簡単に天動説と地動説の話をしたが、この世界は地動説が主流だったので、天体の動きや大きさの概要を事実として説明をした。
これは頭の良い者がきちんと星の動きなどを調べ、計測すればすぐ分かる事だと。
そして日食の話も、過去の日付だとか、発生場所をきちんと調べれば、次はいつ発生するのかというのが計算で出てくるものだと。
そのために星を見なさいと告げた。
更に天体の観測を常日頃からするようにと伝えた。
そして国全体に黒い薄い膜状のフィルターを作った。
日食グラスがないので、こういう時のためにとスキルや魔法の使い方を研究していたのだ。
そうするとかなりの広範囲にわたり日蝕グラスの代わりになるような膜を生成できるという事が分かっていた。
そして国を覆うのに魔力の大半を使ってしまうが、それでもこの日蝕を1人でも多くの者に失明したり怪我をする事なく安全に見て貰おうと魔法を展開したのだ。
これで太陽を直接見ても良いぞと話し、皆で日蝕を観覧と言うか、堪能していた。
勿論念話で不安がっている妻達に日蝕の事を伝えた。
そして日蝕が終わり明るさが戻った頃に念話が入り、今直ぐに来てくれとトリシアに言われたのだ。
そうして屋敷に来る者や馬車を引き連れ、ゲートで魔法陣の元に行った。
この日蝕が最後の引き金だったらしく、魔法陣がもう発動していた。
いまにでも魔法が発動するような状態になっており、妻達はもう身構えていた。
俺は待たせたなと言い、最後にリギアと2人してカイルと抱き合い、さらばと告げて魔法陣の元に行った。
そして魔法陣が展開しだしたのだが、この世界とさよならをするまさにその瞬間、俺はふと思い出し2本目にゲットしたアンタレスを引き出した。
「カイル!この剣をお前に託す。これは俺の愛剣アンタレスだ。この世界のどの剣よりも強く、壊す事のできない剣だ」
そしてアンタレスをカイルの足下に投げた瞬間、俺達はこの世界から消え失せたのであった。
いい年をした親子が一緒の布団で寝るというのも考えものではあるが、今まで親子として暮らしておらず、泣いても笑っても一夜限りの事なのでとリギアの願いだった。
40半ばで親に添い寝をされると言うのでカイルも相当恥ずかしがったが、リギアのたっての希望であり、カイルが折れてくれたのだ。
翌朝になり、朝食の前に日課としてカイルが息子達と朝稽古をするというので、俺も付き合った。
そしてカイルの息子達に持ってこさせた愛用の武器に、この世界で倒した魔物の魔石を使って可能な限りの強化を施した。
孫達に特別に何かしてやれるわけでもないので、せめてこれくらいはと言ったのだが、皆からある意味呆れられた。
強化した武器の全てが国宝級、伝説級の武器に仕上がったからだ。勿論カイルの愛用の武器にも施していく。
そして朝食の後、一部の重鎮達と軽く話を行って欲しいとカイルからお願いされた。
朝食はカイルの奥さんが自ら腕を振るった料理を食べさせて貰った。
料理が趣味だというので、調理人が作る普段の食事とはまた違った家庭の味を披露してくれた。
朝食が終わるといつのまに手配していたのか、向こうの世界に行く前に是非とお土産を渡された。
有り難い話だ。
また、俺達の使っていた屋敷について管理をカイルに託した。
自由にしてくれと。
町から少し離れたところにあるのだが、馬車だと日帰りで行けなくはない距離だ。
もうそろそろ屋敷に行かなければならない時間になり、最後の別れを外で行なっていた。
そう、まさに玄関先でだ。一応カイルも魔法陣の発動に立ち会うと言ってはいたが、来るのは一部の者と、護衛や御者のみだ。
そうしていると気の所為か辺りが少し薄暗くなってきた。
快晴なのだが。
そして誰かが叫び出した。
「太陽がぁ!太陽が消えていく!」
俺達がこの世界に来てから初めての皆既日食だった。
誰かが不吉だとか、この世の終わりだとか言い出したので、俺は一喝して黙らせた。
俺は純粋な惑星や衛星、つまり月等の天体の動きによって起こる天体の現象であると。
不吉な事ではなく、むしろ神秘的で、めでたい事だと説明した。
重鎮達を交え、天体について手短に話をした。
皆既日食の説明と、簡単に天動説と地動説の話をしたが、この世界は地動説が主流だったので、天体の動きや大きさの概要を事実として説明をした。
これは頭の良い者がきちんと星の動きなどを調べ、計測すればすぐ分かる事だと。
そして日食の話も、過去の日付だとか、発生場所をきちんと調べれば、次はいつ発生するのかというのが計算で出てくるものだと。
そのために星を見なさいと告げた。
更に天体の観測を常日頃からするようにと伝えた。
そして国全体に黒い薄い膜状のフィルターを作った。
日食グラスがないので、こういう時のためにとスキルや魔法の使い方を研究していたのだ。
そうするとかなりの広範囲にわたり日蝕グラスの代わりになるような膜を生成できるという事が分かっていた。
そして国を覆うのに魔力の大半を使ってしまうが、それでもこの日蝕を1人でも多くの者に失明したり怪我をする事なく安全に見て貰おうと魔法を展開したのだ。
これで太陽を直接見ても良いぞと話し、皆で日蝕を観覧と言うか、堪能していた。
勿論念話で不安がっている妻達に日蝕の事を伝えた。
そして日蝕が終わり明るさが戻った頃に念話が入り、今直ぐに来てくれとトリシアに言われたのだ。
そうして屋敷に来る者や馬車を引き連れ、ゲートで魔法陣の元に行った。
この日蝕が最後の引き金だったらしく、魔法陣がもう発動していた。
いまにでも魔法が発動するような状態になっており、妻達はもう身構えていた。
俺は待たせたなと言い、最後にリギアと2人してカイルと抱き合い、さらばと告げて魔法陣の元に行った。
そして魔法陣が展開しだしたのだが、この世界とさよならをするまさにその瞬間、俺はふと思い出し2本目にゲットしたアンタレスを引き出した。
「カイル!この剣をお前に託す。これは俺の愛剣アンタレスだ。この世界のどの剣よりも強く、壊す事のできない剣だ」
そしてアンタレスをカイルの足下に投げた瞬間、俺達はこの世界から消え失せたのであった。
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