異世界召喚された俺は余分な子でした

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第2章

第563話 救えなかった命

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 俺は失敗した。
 ゲートを閉じるタイミングが遅くなり、それにより1機のドローンがゲートに突入してしまった。
 つまり集落への侵入を許してしまったのだ。2機目が機体の半分がゲートを通過した時点で閉じたため、機体が真っ二つになり地面を転がった。

 無傷で突入したドローンが集落を蹂躙していく。
 俺の目の前で罪のない子供達がレーザーに焼かれたり、銃撃を食らってその短い人生の幕を閉じていった。

 血を流して倒れる子供たち。
『痛いよ!痛いよ!』と呻く声。苦悶の表情で目を見開き、力尽きた者たち・・・

 とてもではないがまともな神経をしていれば、直視に耐えられないほどの凄惨な光景が広がっており、俺は涙を流しながらドローンに駆けていった



 直視に耐えられないほどの凄惨な光景が広がっており、俺は涙を流しながらドローンに駆けていった。

 俺は『グアアアアア!』と叫び、アンタレスでドローンを何度も斬り裂いた。

 しかし、斬った所が不味かった。モロにエネルギーパックを斬ってしまったようで爆発したのだ。

 気が付けば俺は瓦礫の中に半ば埋まっていた。辛うじて生きていたが、誰かが足を引っ張り瓦礫から引きずり出してくれた。

 ヒールを使い体を治す。
 地面に多くの子供達が寝かされていた。

 俺はハッとなり死者蘇生を使おうとした。しかし、対象リストには対象が0とある。

 顎に手をやると髭の長さがかなり長い。俺が気絶してから丸1日以上経過している事を示す。

 俺はごめんな!助けられなかった!と子供達に謝るしかなかった。泣け叫び血の涙を流していた・・・

「・・・ス!ランス!お願い!起きて!」

 誰かが俺の名を呼んでいる。
 頼むからまだ寝かせてくれ。それよりも何やら騒がしいな。
 全く、夜中に人が寝ているところで騒ぐなって、近所の子供達に説教をくれてやったのに、騒がしいことだ。
 それともまた隣の部屋に最近越してきたあいつが女を連れ込んで激しくやっているのか?五月蝿い!壁を叩くぞ!・・・

 ??何の事だ?
 子供達の声がするが、何を言っているのか分からん。

 誰かが俺を呼んでいる。体が痛いうえに耳鳴りがする。取り敢えずヒールっと。

 目を開けると洞窟の中にいる?意味が分からん。

 俺が目を開くと、膝枕をしてくれている水樹が大粒の涙を流している。

 意識が混濁していたが、急激に頭がはっきりしてきた。
 はっとなりガバッと起き上がると周りを見る。

 俺を見ている複数の視線が気になる。キョロキョロと周りを見渡すと、破壊尽くされた集落ではなく、朝のままだ。

「水樹、死んだ者達はどこだ?」

「何を言っているの?怪我人は数人出たけど、向こうの子達は全員無事に来れたのよ」

「ここにあのドローンが入ってきただろう?」

「夢でも見たのじゃないの?ねぼけて頭でも打ったの??勿論ドローンなんて来なかったわよ」

「良かった。そうか、夢か・・・ふう」

 その後何があったのかを聞いたが、俺が起きたのだと知るとアトランジェが駆け付けてきたが、アトランジェは俺の顔を見ると安心した柔らかい笑顔を向けてきた

「あら、目が覚めたのね」

「ああ、なんとかな。いったい何があったんだ?記憶が混乱しているんだ」

 俺は何があったのか質問しつつ起き上がろうとしたが、アトランジェに止められた。

「まだ起きてはだめよ。β集落は完全に潰されたけれども、奇跡的に全員助かったのよ。もっともあなたが助けに入った時点で既に5人が亡くなっていたけど、それ以外は誰も死んでいないわ」

「そうか・・・それは良かった。でも、俺たちがα集落に辿り着いた時、何人かが怪我をしたよな?俺もゲートを出た時に頭を打ちつけて気絶したんだよな?頭が痛かったからそう判断したが」

「そうよ。あなたが気絶した途端ゲートも消えたの。あなたが救った者、つまりβ集落の生き残りは20名だったわ。頭を強く打ち付けていて、丸1日以上意識を取り戻せなかったのよ。それに、大量の岩石に埋もれた死体を短時間で探し出すのは現実的じゃないし、どうあがいても死体を見つけて蘇生するのは無理だと言わざるを得ないのよ。だから気に病むことはないわ。むしろ20名の命を救えたことを誇りに思って。ね!」

 俺はその言葉に救われたような気がするが、ドローンがα集落を襲ったのが夢だったことに大いに安堵した。
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