異世会男子の聖女物語〜能力不足の男として処刑放逐した召喚者は実は歴代最強勇者(男の娘判定)だった!〜変装の為の女装だ!男の娘言うな!

KeyBow

文字の大きさ
17 / 52

第16話 早とちり

しおりを挟む
 食堂に二人で行き、空いている席に向かっていたが、コウの背後からおっさん声の者から声を掛けられた。

「そこの別嬪さん達!」

 と声を掛けられたが、早速来たなとコウが警戒した。

「おっ?お客様、元気になられたのですね!空いている席にどうぞ」

 コウは帯剣しており、美貌の女剣士に見える。警戒したコウを見てフレンダはくすくすと笑っており、コウは小声で笑うなよ!と抗議していた。初めて見るフレンダの笑顔はコウをどきりとさせる程魅力的だった。

 朝の出発前の時間であり、宿の客も夜とは違い酒も入っていない。その為か美人の二人だなと話題には登るが、絡んで来る者もいなかった。

 宿代はフレンダが払っていてくれたが、この世界の宿は殆どが朝食は宿代に含まれている。

 朝食はスープ、パン、野菜のサラダが一般的で、可もなく不可もなくといった内容だとフレンダが言っていた。標準的な朝食としてコウは覚えるが、パンは固くあまり味がしなかった。今の日本のスーパーで売られているパンでも最高級のパンとして高値で取引されると思われる程、味や食感が違い過ぎた。フレンダや周りの者を見ると、なるほどと思った。スープは硬いパンに吸わせ、柔らかくして食べるものであり、直接齧ったコウを見てフレンダが不思議そうな顔をしていたのだが、そういう事かと納得していた。早々にスープを飲んでしまったから、フレンダのスープにパンを漬けさせて貰っていた。

 宿の主に今からギルドに行き、町を出る前にまた宿に寄るからと話し、お金を払い弁当を作って貰う事にした。また、今からギルドに行くと言うと、この時間は馬車で行くと馬車を停める所が少ない為に苦労する事になると言われ、今は徒歩で行き、弁当を受け取ってから馬車を出すように勧められた。

 二人にとってあまり分かっていない町の為、店主の勧めに従う事にし、徒歩でギルドに向かう事にした。

 食事が終わってからまだ少し時間が早い為、一度部屋に戻り荷物をまとめていた。その時にフレンダが何かの書簡を落とした。コウはそれを拾った時にちらっと見えたが、何かの模様にしか見えなかった。

「何か書類が落ちたぞ。大事な書類じゃないのか?」

 コウが一言言うと、フレンダは黙って受け取った。

 書類といっても、羊皮紙のような紙であり、パルプを使った今の日本の紙とは雲泥の差の紙だ。おそらく紙は貴重品なのだろうと感じた。

 それを持って立ち竦んでいたので、コウは質問をした。

「どうした?何かあったのか?」

「うん。この旅に出る事になった時に渡された私への命令書よ。命令が書かれた手紙なの」

 この旅の目的と指示が書いてある手紙だと言う。

 念の為、フレンダがどういう指示を受けていたのかを知る方が良いと感じ、確認したい旨を話し、手紙を読んで貰うようにお願いをする事にした。

「嫌じゃなかったら読んでくれないか?今ちらっと見えたが、やはり読めないんだよな。何かさ、フレンダが何を命ぜられているのかちゃんと把握しないといけない気がするんだよ。向こうに行った時に知らないと対処するのが難しい気がするんだ」

 フレンダは確かにと同意し、読んでくれる事になった。

 フレンダから聞いていた事が書いてあった。予言師が召喚されるのが今回は男の可能性が高いと。召喚ミスなのか、聖女ではなく、勇者召喚をする可能性がある事を告げた為だ。子をなす事が可能な相手であれば申し訳ないが、その者の子を身籠って欲しいという旨が書いてあった。フレンダから聞いている内容そのものだ。

 しかし、フレンダが読み終わったのだが、違和感があった。そう、指示書や手紙などであれば締めくくりの言葉がある筈だが、フレンダからは聞いていない。手紙の文字数と、読み上げられた文字数に違和感があった。フレンダは悔しそうな顔をしていた。

「その先も何か書いてあるんだろ?そこも読んでくれ!なんか引っ掛かるんだ」

 ブレンダはきょとんとなりながら、何が?何でとか言いながら慌てて喋り始めた。コウがきつめに言っていて、その口調に気圧されたのだ。

「君に対して酷い事をお願いをしているのは重々承知している。任務を達成したならば、君達がこれから何不自由なく生活できるように国として面倒を見る事を約束する。陛下から書簡を頂いている。また、これも約束を取り付けているが、召喚者との年齢差を考えると君一人では辛かろう。そこで我が弟子の中で一番若いフレンダを同行させる。彼女は丁度国元から今回の聖女召喚に伴い一度国元に帰るようにと指示を受けておるようだ。召喚が終わればまた留学先に戻っても良いと言われているので丁度良い。君達はフレンダの同行者として不審がられずにウッダード国に入れるであろう。

 君からフレンダに役割を伝えてくれ。彼女であれば年齢からも召喚された者とお近付きになれる可能性も高かろう。そこから先は君の才覚に委ねる。

 流石にフレンダにこれはお願いできない。申し訳ないが、未亡人の君に託さざるを得ない。もしもフレンダが召喚者と仲良くなり恋人関係になるなら、止めたり君が体の関係を求めて行く必要はない。折角の関係をこじらせる事はせず、その場合は二人を結婚させる方向に舵取りを頼む。もし破局したならば、慰めるなりで君が子種を得てくれ。頼むとしか言いようがない。君が帰ってきたならば、私は君に対して行った指令に対し、我が命を持って償う用意がある。君の生還を求む」

 フレンダは今読んだ部分を見ていなかったようだ。

「あう!あの、その、ゴニョゴニョ」

「まあ、昨日の事は無かった事にするって言ったからそうするけど、これってフレンダの勘違いだよな?」

「ご、ごめんなさい。私の早とちりだったわ」

「まあ、今後は気を付けないとな。これはあの亡くなった方宛の手紙だよな」

「どうしよう、どうしよう、私、私、恥ずかしい」

 フレンダは顔を押さえて泣き出してしまった。

「まあ、気にするな。俺も気にしないから。それよりもそろそろギルドに行っても良いんじゃないのか?ギルドってどんな所かドキドキするな」

 そう言ってフレンダの手を取り、立ち上がらせていた。ギュッと抱き寄せたのだが、泣き止むなりフレンダが怒り出した。

「な、何を勝手に抱きついているのよ!」

 コウはため息しか出なかった。さっきまで恥ずかしいと泣いていたのに、もうツンデレに戻っていたからだが、それでもコウと腕を組み、わざとかたまたまか、コウの腕はフレンダの胸に押し付けられる格好になり、胸の感触にドキドキしているコウであった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

処理中です...