60 / 73
第1章 入試篇
第60話 ハイランド邸
しおりを挟む
ハイランド商会からハイランドの自宅まで歩いて10分程というので、歩いて行こうとしたのだが、サリーの治療時のフォルクスの疲弊具合から馬車を出した方が良いと判断され、馬車で向かった。
ハイランド邸は上級貴族の邸宅が立ち並ぶエリアにあり、屋敷はフォルクスの屋敷と同じ位に大きかった。いやそれ以上だと感じた。
屋敷を見た途端にフォルクスの顔が強張っていた。そう、屋敷を見て色々やらかしたかなと焦ったのだ。
「あ、あのう、ひょっとしてハイランドさんって偉い貴族だったりするんですか?」
「フォフォフォ。一応侯爵になりますが、まあお気になさらず。フォルクス殿が女性陣達に格好付ける為、私めに虚勢を張っておられるのは分かっておりますから。それに・・・まあいずれ分かりますが、さあ、着きましたから中にお入りください」
「くくく。フォルクス殿は虚勢を張っていたのだな。くすくすくす。」
「あ、あう!」
フォルクスは虚勢を張っているというのがバレバレで、格好良い出来る男を装っていたそのメッキが剥がれて行く。ラティス達に格好をつけているだけの単なるヘタレだと思われたよな?嫌われたかな?とオロオロしている感じであった。
アプローチを通り、屋敷の建物の入口の前に馬車を乗り付けた。入り口に着いた為、馬車から降りるのだが、降りたと同時に執事が出て来て玄関の扉を恭しく開けていた。
そしてハイランドの奥さんと思われる方が玄関ホールでメイドを引き連れて出迎えていた。メイド達が後ろにズラリと控えて、指示を待っていたり、客人のお迎えに集まっていた。
その女性は貴婦人のお手本のような身なりであり、この国では貴族の既婚女性は髪型をアップにする傾向がある。金髪の見事な髪で、髪型や娘の年齢から中年ではある筈だが、年齢不詳の顔立ちだ。20前後と言われたら納得してしまう感じだ。そして落ち着いた大人の女性で優しそうな感じだった。
フォルクスとラティスは目を丸くした。内装や調度品も上品でセンスが良いのだが、この奥方がかなりの美人だったからだ。あのおっさんはどうやってこの人のハートを射止めたのか?と。
「ようこそハイランド家へ。初めまして。貴方がフォルクス様ですのね。主人から常々聞いております。近いうちに来られるかもと聞いておりましたの。お会いするのを楽しみにしておりましたのよ。こちらの獣人さんはラティスさんかしら?」
いち早く立ち直ったフォルクスが挨拶を返した。獣人と言ったのを聞き漏らしていたが。
「こ、これはご丁寧に。どう聞いているか分かりませんが、ハイランドさんにはいつも良くして貰っています。俺じゃなくて私がフォルクスで、こっちがおっしゃる通りのラティスです。宜しくお願いします」
「それではまずはお茶をお入れしますのでどうぞこちらへ」
フォルクス達は言われるがままに進み、居間に通された。
フォルクスはついキョロキョロしてしまった。
「フォル殿、失礼に当たるのでキョロキョロするのをやめたほうが良いと思うぞ」
「ラティスさん。異世界から来た方にはここにある物は珍しいのでしょう。私も主人も気にしておりませんからどうぞご自宅にいるおつもりで寛いで頂ければと思いますわ。」
フォルクスは出されたお茶を飲まなければと一気に飲み干したのだが、皆驚いていた。ハイランドは頷いているだけだ。
「はぁ、フォル殿、こういった時のお茶はまずホストの方が一口グラスに口を付けてから飲むものなのだ。マナーが・・」
ラティスがフォルクスに指摘をしていたが、奥様が手で制した。
「大丈夫ですわよ。ラティス様はマナーにお詳しいのですね。フォルクス様は異世界の方ですから、あちらの世界とのマナーやルールが異なっているのだと思いますわ。こういった常識のズレを認識して頂く必要はあると思いはしますが、私共は細かい事は気にしないですので大丈夫ですわ」
「あの、何故僕の事を異世界から来たと?」
「主人から聞いておりますのよ」
「やっぱりハイランドさんは知っていたのですね」
「フォフォフォフォ。ひと目見た時から分かっておりましたぞ」
「ひょっとして今までの事は、僕が異世界人だから支援をしてくれているのですね?女神様からの指示ですか?」
「はて?女神様ですか?知りませぬな。フォルクス様にただならぬ力を感じ、この先の成長が楽しみなので少なからず手助けはしておりますが、支援と言う訳ではございませんよ。どちらかというと、私共の方がフォルクス様に助けて頂いております。これからもよしなに。」
フォルクスは納得したようなしないような感じで、はぐらかされたな?とは思うが、どうやら触れられたくない方向に話が行き掛けている気配がする。その為、話題を変える事にしたのであった。
ハイランド邸は上級貴族の邸宅が立ち並ぶエリアにあり、屋敷はフォルクスの屋敷と同じ位に大きかった。いやそれ以上だと感じた。
屋敷を見た途端にフォルクスの顔が強張っていた。そう、屋敷を見て色々やらかしたかなと焦ったのだ。
「あ、あのう、ひょっとしてハイランドさんって偉い貴族だったりするんですか?」
「フォフォフォ。一応侯爵になりますが、まあお気になさらず。フォルクス殿が女性陣達に格好付ける為、私めに虚勢を張っておられるのは分かっておりますから。それに・・・まあいずれ分かりますが、さあ、着きましたから中にお入りください」
「くくく。フォルクス殿は虚勢を張っていたのだな。くすくすくす。」
「あ、あう!」
フォルクスは虚勢を張っているというのがバレバレで、格好良い出来る男を装っていたそのメッキが剥がれて行く。ラティス達に格好をつけているだけの単なるヘタレだと思われたよな?嫌われたかな?とオロオロしている感じであった。
アプローチを通り、屋敷の建物の入口の前に馬車を乗り付けた。入り口に着いた為、馬車から降りるのだが、降りたと同時に執事が出て来て玄関の扉を恭しく開けていた。
そしてハイランドの奥さんと思われる方が玄関ホールでメイドを引き連れて出迎えていた。メイド達が後ろにズラリと控えて、指示を待っていたり、客人のお迎えに集まっていた。
その女性は貴婦人のお手本のような身なりであり、この国では貴族の既婚女性は髪型をアップにする傾向がある。金髪の見事な髪で、髪型や娘の年齢から中年ではある筈だが、年齢不詳の顔立ちだ。20前後と言われたら納得してしまう感じだ。そして落ち着いた大人の女性で優しそうな感じだった。
フォルクスとラティスは目を丸くした。内装や調度品も上品でセンスが良いのだが、この奥方がかなりの美人だったからだ。あのおっさんはどうやってこの人のハートを射止めたのか?と。
「ようこそハイランド家へ。初めまして。貴方がフォルクス様ですのね。主人から常々聞いております。近いうちに来られるかもと聞いておりましたの。お会いするのを楽しみにしておりましたのよ。こちらの獣人さんはラティスさんかしら?」
いち早く立ち直ったフォルクスが挨拶を返した。獣人と言ったのを聞き漏らしていたが。
「こ、これはご丁寧に。どう聞いているか分かりませんが、ハイランドさんにはいつも良くして貰っています。俺じゃなくて私がフォルクスで、こっちがおっしゃる通りのラティスです。宜しくお願いします」
「それではまずはお茶をお入れしますのでどうぞこちらへ」
フォルクス達は言われるがままに進み、居間に通された。
フォルクスはついキョロキョロしてしまった。
「フォル殿、失礼に当たるのでキョロキョロするのをやめたほうが良いと思うぞ」
「ラティスさん。異世界から来た方にはここにある物は珍しいのでしょう。私も主人も気にしておりませんからどうぞご自宅にいるおつもりで寛いで頂ければと思いますわ。」
フォルクスは出されたお茶を飲まなければと一気に飲み干したのだが、皆驚いていた。ハイランドは頷いているだけだ。
「はぁ、フォル殿、こういった時のお茶はまずホストの方が一口グラスに口を付けてから飲むものなのだ。マナーが・・」
ラティスがフォルクスに指摘をしていたが、奥様が手で制した。
「大丈夫ですわよ。ラティス様はマナーにお詳しいのですね。フォルクス様は異世界の方ですから、あちらの世界とのマナーやルールが異なっているのだと思いますわ。こういった常識のズレを認識して頂く必要はあると思いはしますが、私共は細かい事は気にしないですので大丈夫ですわ」
「あの、何故僕の事を異世界から来たと?」
「主人から聞いておりますのよ」
「やっぱりハイランドさんは知っていたのですね」
「フォフォフォフォ。ひと目見た時から分かっておりましたぞ」
「ひょっとして今までの事は、僕が異世界人だから支援をしてくれているのですね?女神様からの指示ですか?」
「はて?女神様ですか?知りませぬな。フォルクス様にただならぬ力を感じ、この先の成長が楽しみなので少なからず手助けはしておりますが、支援と言う訳ではございませんよ。どちらかというと、私共の方がフォルクス様に助けて頂いております。これからもよしなに。」
フォルクスは納得したようなしないような感じで、はぐらかされたな?とは思うが、どうやら触れられたくない方向に話が行き掛けている気配がする。その為、話題を変える事にしたのであった。
1
あなたにおすすめの小説
無限に進化を続けて最強に至る
お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。
※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。
改稿したので、しばらくしたら消します
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ
如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白?
「え~…大丈夫?」
…大丈夫じゃないです
というかあなた誰?
「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」
…合…コン
私の死因…神様の合コン…
…かない
「てことで…好きな所に転生していいよ!!」
好きな所…転生
じゃ異世界で
「異世界ってそんな子供みたいな…」
子供だし
小2
「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」
よろです
魔法使えるところがいいな
「更に注文!?」
…神様のせいで死んだのに…
「あぁ!!分かりました!!」
やたね
「君…結構策士だな」
そう?
作戦とかは楽しいけど…
「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」
…あそこ?
「…うん。君ならやれるよ。頑張って」
…んな他人事みたいな…
「あ。爵位は結構高めだからね」
しゃくい…?
「じゃ!!」
え?
ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
知識スキルで異世界らいふ
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる