勇者だけど幼女使いと言われていますが何か?

KeyBow

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第1章  入試篇

第59話 治療

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 自分達の順番が来るまでの間に見ていた治療は、緊急で割り込む形で運ばれた者もいた。毒を受けて死に掛けていた者の治療、古傷を治したり、貴族の令嬢のシミの除去が有った。何故か個別に覚えず、ヒールがバージョンアップした感じだった。但、古傷を直したり、シミを取る美容整形はヒールではなかった。

 ここで治療をしているのは神殿の司祭長だった。その上は法王だそうだ。首都の神殿そのもののトップが治療をしている。白に金のけばい神官服を着ており、趣味が悪く、態度もぞんざいだ。中肉中背で典型的なこの国のおっさんだ。
 ただ、治療の腕だけは確かで、感謝されまくっていた。

 フォルクスの番が来た。

「本日の治療は何を望む」

「はい。この子は目が見えず、耳も聞こえません。両方とも行けるのなら両方、無理でしたら目をお願いしたいのですが、可能なのでしょうか?」

「難しい治療で、私の消耗も激しいですが可能です。両方だと金貨400枚。目だけだと金貨150枚になりますがどうしますか?」

 フォルクスは聞いていた通りぼったくるなと思ったが、我慢した。

「本当は両方お願いしたいのですが、司祭様のご負担を考えると、今日は目だけにしたいと思います。耳は次の機会まで我慢します」

「これは私の負担を考えているとは中々見どころのある少年であるな。うむ。確かに寄付金を頂いた。それでは患者をこちらに」

 サリーを前に出し、司祭が頷いて手を頭に翳した。

「治療を始めます。我が神アルシオンに求む。この純真な娘の目に光を取り戻し給え!べホイミ」

 どこかで聞いたような呪文だったが、司祭が光りだした。
 すると魔力が手からサリーに流れ、彼女が一瞬びくんとなった。司祭が終わったから目を開くように言われた。フォルクスはミリーにサリーのまぶたを開くように指示をし、目を強引に開けてもらった。
 意図が分かったようで、サリーは自ら目を開けると戸惑い涙していた。彼女の目は白濁しており見えなかったが、見事な碧眼だった。

「しゅごい!みえりゅよみえりゅよ」

 周りからおー!と感嘆の声が上がっていた。

 フォルクスはそれから5件程治療を見たが、分かったのは欠損修復はできない事だ。それ以外の事は大概が出来ると言う事が判明した。

 今回のベホイミがそうだ。体の中で機能不全が起こっている箇所について修復が出来る。ただ不思議なのはフォルクスの方はベホイミという呪文として覚えたのではなく、ヒールの機能追加というような形でそれが可能となっているという事だった。

 治療系の魔法についてだが、特にヒールは元々フォルクスが持っている魔法の為、ヒールへの機能追加という形で使えるようになった。火属性だとか水属性の場合は単純なコピーの為、自分に適した魔法の発動以外のやり方で無理やり発動するものだから燃費が悪い。だがヒールに関しては得意属性の為かなり燃費が良いそんな感じだ。

 高額な為全部で15人が治療を受けていたが、帰り際に無料で範囲魔法を唱えていた。所謂エリアヒールというのだ。軽傷ならこれで治る。多くの人が集まっているなと思ったが、数針縫う程度ならこれで治り、神殿の宣伝や信者獲得を目的として最後にエリアヒールを披露しているようだ。ただ、司祭は疲れ切っていて神官達に肩を貸されてなんとか歩いていた。

 フォルクスが思うのは、魔力消費が大きく、あの人では多用できないのだろうと。使えるものがそもそもいないようで、高いお金を取らないと際限なく人が押し寄せ、自らの命に関わるのだろうと感じていた。

 その後奴隷商に行き、応接にてサリーとミリーの治療を行った。ヒールと唱え、何をしたいか念じるだけだった。

 かなりの魔力を持っていかれたが、完治した二人の笑顔を見てフォルクスはニッコリしていた。

 しかし、へばっており、ラティスに肩を貸されていた。
 得意属性とはいえ、治療内容は負担が大きかったようだ。若しくは使用する魔力は自ら持っている魔力総量の何%と行った割合の可能性があった。

 ラティス以外は屋敷に返し、屋敷の事をお願いした。フォルクスは奴隷商の主たるハイランドの屋敷に向かう事にしたのであった。
 
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