ダンジョン配信スタッフやります!〜ぼっちだった俺だけど、二次覚醒したのでカリスマ配信者を陰ながら支える黒子的な存在になろうと思います〜

KeyBow

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第29話 大学での一幕:乙姫とバレる――

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 翌日、乙姫は大学へ向かった。久々に授業を受け、普通の学生生活を送るつもりだった。だが、それは甘い考えだったと、教室に入るなり彼女は思い知らされることになる。

「おい、あれって・・・乙姫じゃないか?」

「あ、マジだ!乙姫だ!」

 ざわざわとした声が教室中に広がり、次の瞬間、乙姫は学生たちに囲まれていた。

「昨日の配信見ました!すっごい復活劇でしたね!」

「乙姫さん、握手してください!」

「えっと、カメラマンって誰なんですか?気になります!」

「ファンです!ずっと応援してました!付き合ってください!」

 乙姫は困惑しながら笑顔を作り、適当に返答する。

「え、ええ、応援ありがとう。でも今は授業が始まるから・・・」

 しかし興奮した学生たちはお構いなしだ。
「カメラマンの正体、やっぱり乙姫さん自身だったりします?」
「配信の謎解き回とかやらないんですか?」
「それより、僕とデートしてください!」

 乙姫の顔が引きつる。

(なんでこうなるのよ・・・大学くらい静かに通わせてよ・・・!)

 乙姫が逃げるように教室を出ると、同じ授業を受けていた友人が追いかけてきた。
「瑞葉、あんたやっぱり乙姫だってバレちゃったのね」
「もうどうしようもないわね・・・こんなことになるなら、配信復活なんてもっと慎重にすべきだったわ」

 友人は笑いながら肩をすくめる。

「でも、みんな応援してるから安心しなよ。それに、カメラマンの謎が話題になってるみたいよ。ドボルさんとか言う人だっけ?」

 乙姫はピクリと反応した。

「あ、それは・・・サポートスタッフよ。ただのカメラマン兼戦闘支援要員だから、深く考えないで」

 しかし友人は興味津々だ。

「でも、なんかいい雰囲気じゃない?配信の中でも二人の連携がすごかったし・・・付き合ってるんじゃないの?」

 乙姫は慌てて否定する。

「そ、そんなわけないでしょ!彼はただの・・・ううん、頼りになる仲間よ!」

 結局、教室に戻ることができないまま、乙姫はキャンパス内のカフェで時間を潰すことにした。
 だが、そこでも彼女を見つけた学生たちが次々と話しかけてくる。

「乙姫さん、写真撮ってもいいですか?」
「次の配信、いつやるんですか?」
「俺、ファンなんで、本当に付き合ってください!」

 辟易とした乙姫は思わずため息をつく。
(もういや・・・普通の学生生活を送りたかっただけなのに・・・!)

 そのとき、携帯にメッセージが届いた。ドボルからだ。

「どうだ、大学はうまくいってるか?」

 乙姫はスマホを見つめて小さく呟いた。
「・・・最悪よ、ドボル。折角髪型や色まで買えたのに、速攻バレて注目されちゃったわよ!誰かに文句を言いたいけど、言える人がいないよー」

 ドボルに返信する気力もなく、彼女は再びカフェのテーブルに突っ伏した。

 ・
 ・
 ・

 大学から戻った乙姫は、早速ドボルに愚痴をこぼした。
「もう最悪!『カメラマン誰?』とか『付き合ってください!』とか、みんな質問攻めで……何なのよ!」

 ドボルは冷静に答える。
「そりゃお前が乙姫ってバレたら騒ぎになるだろ。むしろ、今までよく隠し通せたな。」

 乙姫はジト目でドボルを睨む。
「これからどうするのよ?私の大学生活、完全に終わりよ!」

 ドボルは肩をすくめた。
「今さらだろ。開き直って、『ニュー乙姫』の看板を使えばいい。大学での活動も全部配信のネタにしてしまえ」

「簡単に言うけど、そんなの・・・」

「お前のファンは増えるだろうし、俺もカメラマンとして協力してやる。そしたら大学でも有名になれるし、上級ダンジョン進出の布石になる」

 乙姫は悩みながらも、彼の言葉に一理あると思い始めた。
「・・・じゃあ、まずはこの『謎のカメラマン』問題をどうにかしてちょうだい。次の配信ではっきりさせるから!」

「了解。だが、俺の正体についてはギリギリまで引っ張るぞ。そっちのほうが視聴者も盛り上がるだろうしな」

 乙姫は少し苛立ちながらも、彼の提案に頷いた。
「まあいいわ。でも次は、ちゃんと私をフォローしてよね!」

「お安い御用だ、乙姫様」

 こうして、乙姫とドボルの大学生活と配信活動は、ますます波乱含みの展開を迎えることになるのだった。
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