101 / 103
最終章『画廊寄武等のyouかん』
96.終わった後の事 その一
しおりを挟む
ええと……僕、画廊寄武等はもう死んでいたのでその後の事などは知りようが無いはずなのだが、何故かこの話はもうちょっとだけ続くのだった……。
「ったく、勝手な事してくれちゃったわね、お陰でこっちの計画が……」
「まあアリアちゃんだからね。何だかんだ言ってこっちの思惑なんて全部台無しにされちゃうのさ」
「はあ?」
「あの状況に追い込まれた事でタケト君が、再びキミの力に頼るしかない……。そんな彼に新たな契約内容を追加して提示。とか、そんな状況を創りだすための算段だったのかな? あははは、どうやらその当ては外れてしまったようだね」
一方、そんな意味深な会話を全く聞いてない様子のアリアさんは、僕の体に憑依したまま仮面(と全身タイツ)の悪魔、夕蠅を消滅させて一段落という感じだった。
「さて、全て終わったわけじゃが……お?」
そう呟いたところで棒立ちになってしまう。
「ちょっとあんた、どうしたってのよ……」
あーちゃんは訝し気な視線を向けると、アリアさんは答えた。
「こ、この体、これはまさか……超速修復モードに入っておる?」
「は? 何やってんのよ、タケトはあたしが生き返らせる予定だったのよ!」
「ん……そうじゃったのか? じゃがそうではなく……」
と、そんなやり取りをしている間に、僕の体から染み出るようにアリアさんの姿が現れ始めると、憑依状態から解放された僕の身体は力を失ったように崩れ落ちる。
「っと!」
憑依状態から抜け出したアリアさんはそんな僕の体を支えるようにして支えた。そんな彼女の魂が形どっていた姿は、先日の白い着物姿ではなく全裸だった。
「な、なんなのよそれ……」
「あははは。もしかしてあーちゃんはタケト君を生き返らせて何かしようとしていたのかい? どうやらそれも台無しのようだね。アリアちゃんの力によって生き返ったタケト君はこれからどうなってしまうんだろうねっていう話だけれど」
「それはつまりタケトはその金髪女の属性を持つことになったとでも言うわけ?」
「そうだねぇ。神の力によって命を与えられた存在って事になるだろうから、これまでより手に入れにくい存在となってしまったかもね。あははは」
「おぬしら何を言っておるんじゃ?……」
そんな二人の会話に、倒れた僕の頭を膝に乗せていたアリアさんは言う。
「……超速再生が掛っているのは小僧の体じゃなくて儂なんじゃけど?」
「……え?」
「は?」
言葉を失っている二人をよそに、アリアさんはあくまでマイペースに続ける。
「てかこの超回復、あの死神達に斬られた時に披露するつもりじゃったんだけどな。儂の魔法って誤作動だけじゃなくて遅延作動もするっぽいの。お陰で魂を封印されるなんてそんな失態を演じでしまったわい」
「……って事は」
「何よそれ、じゃあタケトは?」
「普通に死んだままじゃけど?」
「何やってんのよ、だったら早く生き返らせなきゃ、さっさとどきなさい!」
「待てい!」
「何よ、あんたもタケトを自分のものにしたいってわけ?」
「い、いや……後で色々言われるのは面倒なので言っとくのじゃが、人間に憑依している状態での自己再生なんて儂も想定外の状況だったもんだから、小僧の肉体と魂をちょこっと、ちょっとだけ? どうやら儂の体に吸収してしまったようなんじゃ……」
「はあ? ちょっと待ってよ、何てことしてくれちゃってんの?」
「いや別に、『どうせ小僧は死ぬんじゃからイチかバチかで蘇生魔法掛けようとしたら、自分の体が再生されてしまった』とかいうわけではないからの!」
「そんなのどうでもいいわ! とにかくタケトを生き返らせないと!」
そんなやり取りにイマトオが割って入る。
「いや、それはよした方が良いかな」
「なによ? なんか都合が悪いわけ? ちょっとくらい魂が損傷しててもそれくらい治してあげるわよ」
「まあ確かにたいした損傷ではないようだね、それこそ次の転生までには回復する程度の些細なものだ」
「なら……」
そう言いかけた〝あーちゃん〟の言葉を遮るようにイマトオは言った。
「でもどうやら今の彼はもう生きることを望んではいないようだ」
「はあ?」
「残念だったね。タケト君はキミやボクらの思惑なんかまんまと飛び越えて自分の目的を果たして、そのままあの世に直行する気らしい」
その視線の先では、そこにあった僕の遺体から白い霧のようなものが染み出るように現れ、そして球体を為していた。
「死を受け入れて成仏状態になった魂はもう転生以外にこの世に生を受けることは無い。それがこの世界の理だ。それを覆す事はキミにだってできないよ」
「くっ!」
「案外、彼を蘇生しようとしたのにアリアちゃん本人の再生が始まってしまったというのも、いつもの魔法の誤作動なんかじゃなくて彼の意識がそれを拒否したのかもしれないね」
イマトオは歯ぎしりするあーちゃんから目を離し、僕の遺体に目をやりながら言葉を続ける。
「だからまあアリアちゃんが吸収してしまったという彼の魂の欠片とやらもすぐに消滅するだけだろうさ。そんな状態で無理して生き延びるだなんて必然性も無いわけだしね」
「うむ。そういうことじゃな。てか、小僧の魂なぞ丸ごと摂り入れてやったところで儂に影響を及ぼす可能性なぞ微塵も無いけどな。ま、儂が魂の力を削ってやったことで返って普通になれるんじゃないか? あ奴の魂、ちょっと人間離れしておったからの。さすが儂、ナイスプレイ!」
たまたま起こった事を自分の手柄にしようとしているらしき、そんなアリアさんにあーちゃんは言う。
「ったく、なんなのよ! あたしへの嫌がらせのつもり?」
「いや別に、おぬしに対して別に恨みなどは無いがの。ってか初対面じゃろが」
アリアさんは全く心当たりがない話のようでぽかんとした表情を向けるのだが、あーちゃんは止まらない。
「そんなこと言って、まさか彼に惚れちゃったんじゃないでしょうね もしかしてこれも、あたしというライバルへの当て付けってわけ?」
「は? 何いっとるんじゃ?」
アリアさんはそんなあーちゃんを、本気で理解できないという顔で見返すのだった。
「ったく、勝手な事してくれちゃったわね、お陰でこっちの計画が……」
「まあアリアちゃんだからね。何だかんだ言ってこっちの思惑なんて全部台無しにされちゃうのさ」
「はあ?」
「あの状況に追い込まれた事でタケト君が、再びキミの力に頼るしかない……。そんな彼に新たな契約内容を追加して提示。とか、そんな状況を創りだすための算段だったのかな? あははは、どうやらその当ては外れてしまったようだね」
一方、そんな意味深な会話を全く聞いてない様子のアリアさんは、僕の体に憑依したまま仮面(と全身タイツ)の悪魔、夕蠅を消滅させて一段落という感じだった。
「さて、全て終わったわけじゃが……お?」
そう呟いたところで棒立ちになってしまう。
「ちょっとあんた、どうしたってのよ……」
あーちゃんは訝し気な視線を向けると、アリアさんは答えた。
「こ、この体、これはまさか……超速修復モードに入っておる?」
「は? 何やってんのよ、タケトはあたしが生き返らせる予定だったのよ!」
「ん……そうじゃったのか? じゃがそうではなく……」
と、そんなやり取りをしている間に、僕の体から染み出るようにアリアさんの姿が現れ始めると、憑依状態から解放された僕の身体は力を失ったように崩れ落ちる。
「っと!」
憑依状態から抜け出したアリアさんはそんな僕の体を支えるようにして支えた。そんな彼女の魂が形どっていた姿は、先日の白い着物姿ではなく全裸だった。
「な、なんなのよそれ……」
「あははは。もしかしてあーちゃんはタケト君を生き返らせて何かしようとしていたのかい? どうやらそれも台無しのようだね。アリアちゃんの力によって生き返ったタケト君はこれからどうなってしまうんだろうねっていう話だけれど」
「それはつまりタケトはその金髪女の属性を持つことになったとでも言うわけ?」
「そうだねぇ。神の力によって命を与えられた存在って事になるだろうから、これまでより手に入れにくい存在となってしまったかもね。あははは」
「おぬしら何を言っておるんじゃ?……」
そんな二人の会話に、倒れた僕の頭を膝に乗せていたアリアさんは言う。
「……超速再生が掛っているのは小僧の体じゃなくて儂なんじゃけど?」
「……え?」
「は?」
言葉を失っている二人をよそに、アリアさんはあくまでマイペースに続ける。
「てかこの超回復、あの死神達に斬られた時に披露するつもりじゃったんだけどな。儂の魔法って誤作動だけじゃなくて遅延作動もするっぽいの。お陰で魂を封印されるなんてそんな失態を演じでしまったわい」
「……って事は」
「何よそれ、じゃあタケトは?」
「普通に死んだままじゃけど?」
「何やってんのよ、だったら早く生き返らせなきゃ、さっさとどきなさい!」
「待てい!」
「何よ、あんたもタケトを自分のものにしたいってわけ?」
「い、いや……後で色々言われるのは面倒なので言っとくのじゃが、人間に憑依している状態での自己再生なんて儂も想定外の状況だったもんだから、小僧の肉体と魂をちょこっと、ちょっとだけ? どうやら儂の体に吸収してしまったようなんじゃ……」
「はあ? ちょっと待ってよ、何てことしてくれちゃってんの?」
「いや別に、『どうせ小僧は死ぬんじゃからイチかバチかで蘇生魔法掛けようとしたら、自分の体が再生されてしまった』とかいうわけではないからの!」
「そんなのどうでもいいわ! とにかくタケトを生き返らせないと!」
そんなやり取りにイマトオが割って入る。
「いや、それはよした方が良いかな」
「なによ? なんか都合が悪いわけ? ちょっとくらい魂が損傷しててもそれくらい治してあげるわよ」
「まあ確かにたいした損傷ではないようだね、それこそ次の転生までには回復する程度の些細なものだ」
「なら……」
そう言いかけた〝あーちゃん〟の言葉を遮るようにイマトオは言った。
「でもどうやら今の彼はもう生きることを望んではいないようだ」
「はあ?」
「残念だったね。タケト君はキミやボクらの思惑なんかまんまと飛び越えて自分の目的を果たして、そのままあの世に直行する気らしい」
その視線の先では、そこにあった僕の遺体から白い霧のようなものが染み出るように現れ、そして球体を為していた。
「死を受け入れて成仏状態になった魂はもう転生以外にこの世に生を受けることは無い。それがこの世界の理だ。それを覆す事はキミにだってできないよ」
「くっ!」
「案外、彼を蘇生しようとしたのにアリアちゃん本人の再生が始まってしまったというのも、いつもの魔法の誤作動なんかじゃなくて彼の意識がそれを拒否したのかもしれないね」
イマトオは歯ぎしりするあーちゃんから目を離し、僕の遺体に目をやりながら言葉を続ける。
「だからまあアリアちゃんが吸収してしまったという彼の魂の欠片とやらもすぐに消滅するだけだろうさ。そんな状態で無理して生き延びるだなんて必然性も無いわけだしね」
「うむ。そういうことじゃな。てか、小僧の魂なぞ丸ごと摂り入れてやったところで儂に影響を及ぼす可能性なぞ微塵も無いけどな。ま、儂が魂の力を削ってやったことで返って普通になれるんじゃないか? あ奴の魂、ちょっと人間離れしておったからの。さすが儂、ナイスプレイ!」
たまたま起こった事を自分の手柄にしようとしているらしき、そんなアリアさんにあーちゃんは言う。
「ったく、なんなのよ! あたしへの嫌がらせのつもり?」
「いや別に、おぬしに対して別に恨みなどは無いがの。ってか初対面じゃろが」
アリアさんは全く心当たりがない話のようでぽかんとした表情を向けるのだが、あーちゃんは止まらない。
「そんなこと言って、まさか彼に惚れちゃったんじゃないでしょうね もしかしてこれも、あたしというライバルへの当て付けってわけ?」
「は? 何いっとるんじゃ?」
アリアさんはそんなあーちゃんを、本気で理解できないという顔で見返すのだった。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
