ある日の出来事-THE NANAKO'S STORY-

まっく

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9章

笑撃の作戦会議

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「ふぅ~…だいたいこんな感じですかね…」

あれからも、爺さんとトミーの漫才は、延々と続き、なんとか完成。

いったい、どんだけ時間かけてんだよ。
ずっと見ていたお陰で、だいたい頭の中には入っちゃったけどな。

「牢獄はここにあって…」

博士とトミーから城内の位置関係を詳しく説明。

「さて問題は、どうやって助けるかじゃ。」

「まず、城に行くまでが大変ですよね。外はブラックスーツたちが、うじゃうじゃいると思うし…」

そうだよな。
俺が母ちゃんに見つかったせいで、探し回ってるだろうしな。

「そこは、なんとかなると思うんじゃ。これを見てくれ……」

博士が広げたのは、大きな地図。

すげー!
これって、地下道の地図じゃん!

「地下道を歩き回って作ったんじゃよ。凄いじゃろ!」

地下道って、こんなに広範囲であるんだな。
まるで、地上の道路と同じじゃん。

「このルートを通れば、城のすぐ近くまでは、地下道を通って行けるから、見つかる心配は無いと思うんじゃ。」

確かにな。
あいつらも、まさか地下から出てくるとは思ってないし…

「問題は、城にどうやって入るかじゃ……」

「あ!それなら大丈夫ですよ。僕が裏口を知ってますから…」

トミー!
やるじゃん!

「裏口じゃと…?」

「そうそう裏口です!ここの厨房の所に、食材を搬入する為の裏口がありまして……」

「トミー……それはな、裏口とは言わんのじゃよ……一般的には通用口と言ってな……」

「へ?裏から入るから裏口じゃないんですか…?だって王様とかは正門から入りますよ?」

あぁ…トミー……

「……ったく、お前って奴は……」

さすがに爺さんも呆れ顔。

正門以外が裏口なら、城の中、裏口だらけじゃねーかよ。

……ん?

裏口……?

「あのさ、その裏口って、やっぱり門番みたいなのが立ってるのかよ?」

「はい。もちろん全ての出入り口に門番が立っています。」

じゃあ、ダメじゃねーかよ。

「ん…?ちょっと待て!トミーの言ってる事は正しいかも知れん!」

正しい…?

何がだよ?

「トミー、その厨房に運び込まれる食材は、どれぐらいの量があるんじゃ?」

「どれぐらいの量って?」

「いやいや、正確には量と言うより、搬入する時間は、1回どれぐらいかかるんじゃ?」

「1日朝昼晩の3回搬入があって…時間ですか…う~ん…見た事ないですからね……」

「あれだけの人数の食事を作るんじゃ。たぶん結構な時間が掛かるハズじゃ!」

「確かに、厨房に積まれた食材は見た事はありますけど、凄い量でした。」

「じゃろ?じゃあ、チャンスはそこじゃな!」

「食材に紛れ込むのかよ?」

「違う違う…さすがに食材の箱に入るのは無理じゃ。だからな……」


爺さんの話しでは、食材の搬入の時にトラックに紛れて城の敷地に潜入。

そのあと、搬入している最中に、トミーに食材をひっくり返すなど騒ぎを起こさせ、搬入業者と門番が言い合いになってる時、こっそり城内に忍び込むと言うもの。


「ひ、ひっくり返すって…そんなにうまく揉めて…それに、僕……」

突然の重要な役に、泣きそうなトミー。

「別にひっくり返さなくても……お前がうまく揉めるようにやってくれたらいいんじゃよ。」

「だから、僕、僕……」

そんなごつい体をしてんのに、メソメソすんじゃねーよ。
男だろーが。

「トミー、これはお前にしか出来んのじゃよ。城の中に自由に出入り出来るのは、お前しかおらんのじゃから。」

「じゃあ、せめて奈々子さんと一緒に……」

お… 俺???

「何を言っとるんじゃ!奈々子さんが一緒に出来る訳ないじゃろーが!」

「じゃあ、博士でも……」

ダメだ、こいつ……

「トミー、お前のその体は何の為にあるんじゃ!」

「か、からだ…?」

「お前は強い男じゃ!お前の鋼の体なら何でも出来る!」

「鋼の体……」

トミーの奴、体の事を言われたら、急に元気になってきやがったぞ。

「想像してみい。お前がカッコ良く食材をぶちまける……」

「カッコ良く……」

ん?

なんだよ爺さん?

ウインクなんかして……

あ!そうか!

「そうだよ!すげーカッコイイぜ!」

「カッコイイですかね…?」

「カッコイイに決まってんだろ!女の俺からしてみれば、思わず惚れちまうぜ!」

「惚れてしまう!!!」

博士に頼まれたにせよ、俺、何言ってんだろ。

はぁ~……

「女の子にモテモテですかね?そんなにカッコイイですかね?」

トミー有頂天。

ちょっと言い過ぎたかも……

「や、やります!何でも投げます!壊します!」

ちょ!壊すって……

「そうじゃ!トミー、それでこそ、男の中の男じゃ!」

「よぉ~し……やるぞぉ~!!!」

あ~あ、トミーの奴、踊り出しちゃったよ。
ホントに単純な奴……

「で、城の中に入ったら、どうすんだよ?」

「このルートを通れば、何とか牢獄まで行けるハズじゃ。」

ハズって……

「で、牢獄からどうやって助け出すんだよ?」

「牢獄の電子キーの解除方法は分かっとる。わしに任せておけ!」

「それからは?」

「それからはな……やってみんとわからん!」

はぁ~?

こら! じじい!
黙って聞いてりゃメチャクチャ言いやがって……

「じじい!そんなにうまく行くわけねーだろーが!!!」

「大丈夫じゃ。トミーも守ってくれると思うし……」

思うし…じゃねーよ。
俺は、思うとかハズとかじゃなく、絶対大丈夫な方法が聞きたいんだよ!

「だいたいな、牢獄に行くまでに見つかったらどうすんだよ?」

「ふっふっふ…それは大丈夫じゃ!」

うしろの机の中から何かを取りだした。

それって……

「何かあった時は、この銃が火を噴くまでじゃ!」

なんだ?
その自慢げな顔は…?

確かに、その銃には助けて貰ったことがあるけどよ……

「たった2人で、銃だけで立ち向かうのかよ?しかも、俺、銃なんて撃ったことねーし……」

「は?銃を持つのは、わし1人じゃよ。」

わし1人…???

「だって、銃は1つしかないし……」

「ちょ!じじい、何言ってんだよ!」

「大丈夫じゃ。こう見えてもな、わしは昔は国体の選手でな、『早撃ちダイちゃん』なんて言われたもんじゃ。」

ちょ、ちょ、ちょ……
じじい、頭おかしいのか?

だいたい、その国体って、何年前の話しだよ!

「じじい!ちょっと冷静になって、よく考えて……」

「わしの銃の腕は見たじゃろうが?百発百中じゃよ!」

見た、確かに見た。
助けて貰った。

でも、今回は相手の数が……

「なあトミー?わしの銃は凄いよな~?」

「投げ飛ばす~♪ぶちまける~♪……」

相変わらず踊ってるトミー……



こんな2人にいくら言っても、通じるハズはなく、作戦は決行される事に。



俺は何度も何度も、説得したんだぜ。
でも、結局、助けてもらう側だし、7次元に突然来ちゃったのは、俺たちのほうだし……



数時間後、俺たちは城に向かって地下道を走っていた。
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