21 / 43
21.恋心問答
しおりを挟む
イリスは『恋』と名付け、レンは『愛玩』と名付けた。
少なくとも、どちらともサラージュがこれまで『初恋』と称していた感情に否やを提示している。
当人がそうと言っている感情を否定することは無意味だ。
そう切って捨てることは容易い。少なくとも、これまでの自分であれば「馬鹿なことをいっているのね」と目を背け続けただろう。
だがサラージュは今、彼らが示したそれらの見解に怒りを微塵も覚えていない。
少なくとも、納得している。
――ああ、たしかにそういう面があったかもしれないな。
その程度の軽々しさで、サラージュ・ネクタルは自身の『初恋』を問う。
なぜ、そう名付けたの? と。
「どう思う? 海賊さん」
「――お気づきで」
虚空に投げられた呼びかけに、するりとその男は現れた。
海のにおいのする男だった。よく日に焼けた筋肉質な体に鱗のようなタトゥー、海を紡ぎ出したようなターコイズブルーの波打つ髪、黒真珠のごとく魅惑的な切れ長の瞳。この国とは明らかに文化の違う色彩感覚に満ちた肌面積の広い服装は海上で陽光に照らされてこそ一等映えるそれ。
サラージュやアレクシスよりも年嵩の、視線だけで人を殺せそうな異国の色男。
王城に立ち入ることが許されるはずもない、見るからに異質な存在だ。
だが、サラージュは気にすることなく、柱によりかかる男に笑いかけた。
「あら、そんなに呆けた女だとお思い?」
「まさか。オレはアンタほどおっかねえヒトを知らねえよ」
サラージュの倍近く厚い筋肉で覆われた肩をすくめたこの男は、情報屋だ。名前はグェルデ。
正確には数年前に戦場で拾って以来サラージュ個人が飼っている草の者なのだが、最近は西の港で顔役をしている。
素性は知らない。
否、立ち振る舞いの端々に見られる特有の所作などから推測できるが――約束なので、触れないことにしている。約束を破ってまで墓を掘り返すほど悪趣味ではない。
「光栄だわ。それで、どうお考えかしら?」
「恋ですっけ? 似合わねえな。アンタには戦場が一等似合う。本当だったらこの城に収めておくのが勿体ねえくらいだ」
「それはおまえの決めることではないわ……と、言いたいけれど、わたくしもそう思うのよね」
カラカラと笑う男を一喝できればいいのだが、それができないから悩んでいるのだ。
「わたくしが殿下を許容したこれが恋でないならば、わたくしはここに居るべきではないわ。……不誠実だもの」
アレクシスとの婚約が政治的な理由であるのならば、気にせずとも問題はなかった。だが、サラージュはアレクシスからの好意を受け取り、それに応える形で婚約者となったのだ。
自分も初恋相手が彼だから受け入れます。そう言って「受けずともいいよ」と言って選択の余地を与えてくれた家族を喜ばせ、多くの領民に祝福された。
なのに、自身をも偽る虚構であったならば。
偽って偽って、自身ですら真実を知ることができないほどに塗り固めた伽藍洞であるならば。
――それは、アレクシスや家族や領民の感情への裏切りではないか。
唇を噛みしめ俯いたサラージュとは対照的に、グェルデは吹き抜ける風のように一笑した。
「ハ、真面目だねえ、姫さんは。いや、ロマンチストなのかね。結婚なんざ不義を働かなけりゃ両想いである必要ねえだろ。恋も愛も、正答なんざねえからどいつもこいつも四苦八苦してるんだしよ」
「わたくしは貴族の子だもの。心に正答はなくとも行動に正答は生じるわ」
「近頃は出奔する奴もいるってのにな」
「……まあ、いいわ。そちらの用を聞こうかしら」
「いいんです?」
そう訊ねる目はどこか愉悦を帯びていた。迷走する若人を見守りつつも、からかいたくて仕方がないと言ったところだろうか。
いまいち読み切れない男ではあるが、こういった仕草を隠さないせいか陰湿さとは無縁だ。
「いい。そう長居させるわけにもいかないでしょう。勝手に忍び込んできて」
「はいはいご主人サマ。お叱りはあとで受けますよっと―――アンタが動けなかった期間の情報です。御入用でしょう?」
投げ渡されたのはロケットペンダントだ。表面の宝石と内部の暗号キーによって大きさ以上の情報を収め引き出すことができるマジックアイテムで、鳥便などでも送りやすいことから情報屋の間でも重宝されている。
つまり、わざわざ本人が出向く必要はない。
「鳥を使えばいいでしょうに」
ペンダントを懐にしまう。からかうために来たのかと視線をやれば、大きな手がひらりと揺れた。
「これでも恩人の大事に肝を冷やしたんですよ。顔の一つでも見せてください。オレよりは、どっちかというとあの珍獣たちに」
珍獣、という言葉に一瞬誰の事かと目を瞬かせ、そういえばこの海色の男はサラージュの従者たちをそう呼んでいたのだったと思い出す。
「……そうね。あの子たちにも随分心配をかけてしまったし、それは配慮が欠けていたわ」
「オレは大人なんで我慢が効きますがね。あいつら……というか、アレはアンタのこと以外どうでもいいって類のモンでしょう。安全管理上本当勘弁してくれよ」
「そうするわ」
従者たちはいささか変わった出生をしているのと色々挙動が極端なせいか、それを受け入れたサラージュに対する依存度が高い。
普段はドタバタしているだけで可愛い子たちなのだが、彼らのドタバタはいささか周囲への被害が大きいところがある。正式に輿入れするときに呼ぶからそれまでに力加減を覚えろと領地に置いてきたが、グェルデがわざわざ進言しに来たということはそろそろ限界が近いのだろう。
(なんでわたくしの周りってこう、加減が下手な子が多いのかしら)
自分のことを棚に上げながら嘆息するサラージュに、グェルデが笑う。
「マ、いつでも使ってくれよ姫さん。アンタのお呼びとあれば他の野郎との商談ほっぽってでも馳せ参じるからよ」
「そこまでは望んでいないのだけれど……まあ、頼りにしているわ」
文化圏の違いをうっかり出したらしい近距離の肩組みをやんわり外して「見つかる前に帰れ」と目で促せば、物わかりのいい色男は冗談めかしたウィンクを一つ落としてするりと柱の影に身を翻した。一拍もしないうちに気配が掻き消える。
毎度のことだが、ああも目立つ姿だというのに実に隠形が上手い。
抜け穴でも作っているのかと思って調べたこともあるがそんなものはどこにもなかったので、単にグェルデ自身の力量なのだろう。
理解していても感知できないことが悔しくて、じっと彼の去っていっただろう方角を見つめる。今日こそは、と意気込む視線は焦がれているのかと勘違いされかねないほどに熱心だ。
だからだろう。
「――サラ?」
ライトグリーンの瞳が同じように自身を見つめていることに、サラージュは気づかなかった。
少なくとも、どちらともサラージュがこれまで『初恋』と称していた感情に否やを提示している。
当人がそうと言っている感情を否定することは無意味だ。
そう切って捨てることは容易い。少なくとも、これまでの自分であれば「馬鹿なことをいっているのね」と目を背け続けただろう。
だがサラージュは今、彼らが示したそれらの見解に怒りを微塵も覚えていない。
少なくとも、納得している。
――ああ、たしかにそういう面があったかもしれないな。
その程度の軽々しさで、サラージュ・ネクタルは自身の『初恋』を問う。
なぜ、そう名付けたの? と。
「どう思う? 海賊さん」
「――お気づきで」
虚空に投げられた呼びかけに、するりとその男は現れた。
海のにおいのする男だった。よく日に焼けた筋肉質な体に鱗のようなタトゥー、海を紡ぎ出したようなターコイズブルーの波打つ髪、黒真珠のごとく魅惑的な切れ長の瞳。この国とは明らかに文化の違う色彩感覚に満ちた肌面積の広い服装は海上で陽光に照らされてこそ一等映えるそれ。
サラージュやアレクシスよりも年嵩の、視線だけで人を殺せそうな異国の色男。
王城に立ち入ることが許されるはずもない、見るからに異質な存在だ。
だが、サラージュは気にすることなく、柱によりかかる男に笑いかけた。
「あら、そんなに呆けた女だとお思い?」
「まさか。オレはアンタほどおっかねえヒトを知らねえよ」
サラージュの倍近く厚い筋肉で覆われた肩をすくめたこの男は、情報屋だ。名前はグェルデ。
正確には数年前に戦場で拾って以来サラージュ個人が飼っている草の者なのだが、最近は西の港で顔役をしている。
素性は知らない。
否、立ち振る舞いの端々に見られる特有の所作などから推測できるが――約束なので、触れないことにしている。約束を破ってまで墓を掘り返すほど悪趣味ではない。
「光栄だわ。それで、どうお考えかしら?」
「恋ですっけ? 似合わねえな。アンタには戦場が一等似合う。本当だったらこの城に収めておくのが勿体ねえくらいだ」
「それはおまえの決めることではないわ……と、言いたいけれど、わたくしもそう思うのよね」
カラカラと笑う男を一喝できればいいのだが、それができないから悩んでいるのだ。
「わたくしが殿下を許容したこれが恋でないならば、わたくしはここに居るべきではないわ。……不誠実だもの」
アレクシスとの婚約が政治的な理由であるのならば、気にせずとも問題はなかった。だが、サラージュはアレクシスからの好意を受け取り、それに応える形で婚約者となったのだ。
自分も初恋相手が彼だから受け入れます。そう言って「受けずともいいよ」と言って選択の余地を与えてくれた家族を喜ばせ、多くの領民に祝福された。
なのに、自身をも偽る虚構であったならば。
偽って偽って、自身ですら真実を知ることができないほどに塗り固めた伽藍洞であるならば。
――それは、アレクシスや家族や領民の感情への裏切りではないか。
唇を噛みしめ俯いたサラージュとは対照的に、グェルデは吹き抜ける風のように一笑した。
「ハ、真面目だねえ、姫さんは。いや、ロマンチストなのかね。結婚なんざ不義を働かなけりゃ両想いである必要ねえだろ。恋も愛も、正答なんざねえからどいつもこいつも四苦八苦してるんだしよ」
「わたくしは貴族の子だもの。心に正答はなくとも行動に正答は生じるわ」
「近頃は出奔する奴もいるってのにな」
「……まあ、いいわ。そちらの用を聞こうかしら」
「いいんです?」
そう訊ねる目はどこか愉悦を帯びていた。迷走する若人を見守りつつも、からかいたくて仕方がないと言ったところだろうか。
いまいち読み切れない男ではあるが、こういった仕草を隠さないせいか陰湿さとは無縁だ。
「いい。そう長居させるわけにもいかないでしょう。勝手に忍び込んできて」
「はいはいご主人サマ。お叱りはあとで受けますよっと―――アンタが動けなかった期間の情報です。御入用でしょう?」
投げ渡されたのはロケットペンダントだ。表面の宝石と内部の暗号キーによって大きさ以上の情報を収め引き出すことができるマジックアイテムで、鳥便などでも送りやすいことから情報屋の間でも重宝されている。
つまり、わざわざ本人が出向く必要はない。
「鳥を使えばいいでしょうに」
ペンダントを懐にしまう。からかうために来たのかと視線をやれば、大きな手がひらりと揺れた。
「これでも恩人の大事に肝を冷やしたんですよ。顔の一つでも見せてください。オレよりは、どっちかというとあの珍獣たちに」
珍獣、という言葉に一瞬誰の事かと目を瞬かせ、そういえばこの海色の男はサラージュの従者たちをそう呼んでいたのだったと思い出す。
「……そうね。あの子たちにも随分心配をかけてしまったし、それは配慮が欠けていたわ」
「オレは大人なんで我慢が効きますがね。あいつら……というか、アレはアンタのこと以外どうでもいいって類のモンでしょう。安全管理上本当勘弁してくれよ」
「そうするわ」
従者たちはいささか変わった出生をしているのと色々挙動が極端なせいか、それを受け入れたサラージュに対する依存度が高い。
普段はドタバタしているだけで可愛い子たちなのだが、彼らのドタバタはいささか周囲への被害が大きいところがある。正式に輿入れするときに呼ぶからそれまでに力加減を覚えろと領地に置いてきたが、グェルデがわざわざ進言しに来たということはそろそろ限界が近いのだろう。
(なんでわたくしの周りってこう、加減が下手な子が多いのかしら)
自分のことを棚に上げながら嘆息するサラージュに、グェルデが笑う。
「マ、いつでも使ってくれよ姫さん。アンタのお呼びとあれば他の野郎との商談ほっぽってでも馳せ参じるからよ」
「そこまでは望んでいないのだけれど……まあ、頼りにしているわ」
文化圏の違いをうっかり出したらしい近距離の肩組みをやんわり外して「見つかる前に帰れ」と目で促せば、物わかりのいい色男は冗談めかしたウィンクを一つ落としてするりと柱の影に身を翻した。一拍もしないうちに気配が掻き消える。
毎度のことだが、ああも目立つ姿だというのに実に隠形が上手い。
抜け穴でも作っているのかと思って調べたこともあるがそんなものはどこにもなかったので、単にグェルデ自身の力量なのだろう。
理解していても感知できないことが悔しくて、じっと彼の去っていっただろう方角を見つめる。今日こそは、と意気込む視線は焦がれているのかと勘違いされかねないほどに熱心だ。
だからだろう。
「――サラ?」
ライトグリーンの瞳が同じように自身を見つめていることに、サラージュは気づかなかった。
0
あなたにおすすめの小説
『有能すぎる王太子秘書官、馬鹿がいいと言われ婚約破棄されましたが、国を賢者にして去ります』
しおしお
恋愛
王太子の秘書官として、陰で国政を支えてきたアヴェンタドール。
どれほど杜撰な政策案でも整え、形にし、成果へ導いてきたのは彼女だった。
しかし王太子エリシオンは、その功績に気づくことなく、
「女は馬鹿なくらいがいい」
という傲慢な理由で婚約破棄を言い渡す。
出しゃばりすぎる女は、妃に相応しくない――
そう断じられ、王宮から追い出された彼女を待っていたのは、
さらに危険な第二王子の婚約話と、国家を揺るがす陰謀だった。
王太子は無能さを露呈し、
第二王子は野心のために手段を選ばない。
そして隣国と帝国の影が、静かに国を包囲していく。
ならば――
関わらないために、関わるしかない。
アヴェンタドールは王国を救うため、
政治の最前線に立つことを選ぶ。
だがそれは、権力を欲したからではない。
国を“賢く”して、
自分がいなくても回るようにするため。
有能すぎたがゆえに切り捨てられた一人の女性が、
ざまぁの先で選んだのは、復讐でも栄光でもない、
静かな勝利だった。
---
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
悪役令嬢は調理場に左遷されましたが、激ウマご飯で氷の魔公爵様を餌付けしてしまったようです~「もう離さない」って、胃袋の話ですか?~
咲月ねむと
恋愛
「君のような地味な女は、王太子妃にふさわしくない。辺境の『魔公爵』のもとへ嫁げ!」
卒業パーティーで婚約破棄を突きつけられた悪役令嬢レティシア。
しかし、前世で日本人調理師だった彼女にとって、堅苦しい王妃教育から解放されることはご褒美でしかなかった。
「これで好きな料理が作れる!」
ウキウキで辺境へ向かった彼女を待っていたのは、荒れ果てた別邸と「氷の魔公爵」と恐れられるジルベール公爵。
冷酷無慈悲と噂される彼だったが――その正体は、ただの「極度の偏食家で、常に空腹で不機嫌なだけ」だった!?
レティシアが作る『肉汁溢れるハンバーグ』『とろとろオムライス』『伝説のプリン』に公爵の胃袋は即陥落。
「君の料理なしでは生きられない」
「一生そばにいてくれ」
と求愛されるが、色気より食い気のレティシアは「最高の就職先ゲット!」と勘違いして……?
一方、レティシアを追放した王太子たちは、王宮の食事が不味くなりすぎて絶望の淵に。今さら「戻ってきてくれ」と言われても、もう遅いです!
美味しいご飯で幸せを掴む、空腹厳禁の異世界クッキング・ファンタジー!
家族から邪魔者扱いされた私が契約婚した宰相閣下、実は完璧すぎるスパダリでした。仕事も家事も甘やかしも全部こなしてきます
さら
恋愛
家族から「邪魔者」扱いされ、行き場を失った伯爵令嬢レイナ。
望まぬ結婚から逃げ出したはずの彼女が出会ったのは――冷徹無比と恐れられる宰相閣下アルベルト。
「契約でいい。君を妻として迎える」
そう告げられ始まった仮初めの結婚生活。
けれど、彼は噂とはまるで違っていた。
政務を完璧にこなし、家事も器用に手伝い、そして――妻をとことん甘やかす完璧なスパダリだったのだ。
「君はもう“邪魔者”ではない。私の誇りだ」
契約から始まった関係は、やがて真実の絆へ。
陰謀や噂に立ち向かいながら、互いを支え合う二人は、次第に心から惹かれ合っていく。
これは、冷徹宰相×追放令嬢の“契約婚”からはじまる、甘々すぎる愛の物語。
指輪に誓う未来は――永遠の「夫婦」。
裏切られた令嬢は、30歳も年上の伯爵さまに嫁ぎましたが、白い結婚ですわ。
夏生 羽都
恋愛
王太子の婚約者で公爵令嬢でもあったローゼリアは敵対派閥の策略によって生家が没落してしまい、婚約も破棄されてしまう。家は子爵にまで落とされてしまうが、それは名ばかりの爵位で、実際には平民と変わらない生活を強いられていた。
辛い生活の中で母親のナタリーは体調を崩してしまい、ナタリーの実家がある隣国のエルランドへ行き、一家で亡命をしようと考えるのだが、安全に国を出るには貴族の身分を捨てなければいけない。しかし、ローゼリアを王太子の側妃にしたい国王が爵位を返す事を許さなかった。
側妃にはなりたくないが、自分がいては家族が国を出る事が出来ないと思ったローゼリアは、家族を出国させる為に30歳も年上である伯爵の元へ後妻として一人で嫁ぐ事を自分の意思で決めるのだった。
※作者独自の世界観によって創作された物語です。細かな設定やストーリー展開等が気になってしまうという方はブラウザバッグをお願い致します。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
死に戻りの元王妃なので婚約破棄して穏やかな生活を――って、なぜか帝国の第二王子に求愛されています!?
神崎 ルナ
恋愛
アレクシアはこの一国の王妃である。だが伴侶であるはずの王には執務を全て押し付けられ、王妃としてのパーティ参加もほとんど側妃のオリビアに任されていた。
(私って一体何なの)
朝から食事を摂っていないアレクシアが厨房へ向かおうとした昼下がり、その日の内に起きた革命に巻き込まれ、『王政を傾けた怠け者の王妃』として処刑されてしまう。
そして――
「ここにいたのか」
目の前には記憶より若い伴侶の姿。
(……もしかして巻き戻った?)
今度こそ間違えません!! 私は王妃にはなりませんからっ!!
だが二度目の生では不可思議なことばかりが起きる。
学生時代に戻ったが、そこにはまだ会うはずのないオリビアが生徒として在籍していた。
そして居るはずのない人物がもう一人。
……帝国の第二王子殿下?
彼とは外交で数回顔を会わせたくらいなのになぜか親し気に話しかけて来る。
一体何が起こっているの!?
お掃除侍女ですが、婚約破棄されたので辺境で「浄化」スキルを極めたら、氷の騎士様が「綺麗すぎて目が離せない」と溺愛してきます
咲月ねむと
恋愛
王宮で侍女として働く私、アリシアは、前世の記憶を持つ転生者。清掃員だった前世の知識を活かし、お掃除に情熱を燃やす日々を送っていた。その情熱はいつしか「浄化」というユニークスキルにまで開花!…したことに本人は全く気づいていない。
そんなある日、婚約者である第二王子から「お前の周りだけ綺麗すぎて不気味だ!俺の完璧な美貌が霞む!」という理不尽な理由で婚約破棄され、瘴気が漂うという辺境の地へ追放されてしまう。
しかし、アリシアはへこたれない。「これで思う存分お掃除ができる!」と目を輝かせ、意気揚々と辺境へ。そこで出会ったのは、「氷の騎士」と恐れられるほど冷徹で、実は極度の綺麗好きである辺境伯カイだった。
アリシアがただただ夢中で掃除をすると、瘴気に汚染された土地は浄化され、作物も豊かに実り始める。呪われた森は聖域に変わり、魔物さえも彼女に懐いてしまう。本人はただ掃除をしているだけなのに、周囲からは「伝説の浄化の聖女様」と崇められていく。
一方、カイはアリシアの完璧な仕事ぶり(浄化スキル)に心酔。「君の磨き上げた床は宝石よりも美しい。君こそ私の女神だ」と、猛烈なアタックを開始。アリシアは「お掃除道具をたくさんくれるなんて、なんて良いご主人様!」と、これまた盛大に勘違い。
これは、お掃除大好き侍女が、無自覚な浄化スキルで辺境をピカピカに改革し、綺麗好きなハイスペックヒーローに溺愛される、勘違いから始まる心温まる異世界ラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる