徒然なるヒトリゴト

SAIKAI

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7頁 ロイヤルカード

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 今日、最もホットな話題だったのはあの結婚のニュースだと思う。皇室を巻き込み、多くの国民が注目していたことだろう。多様な情報が飛び交い、報道機関や関連人物に対して様々な感情を抱いた人も少なくないだろう。
 私は、昔、皇室関連のニュースがあまり好きではなかった。アナウンサーが総じて「○○様が××なさいました」と敬語を使って原稿を読み上げるたび、鬱陶しさを感じた。学校で国の象徴と教えられても、どう考えても象徴以上に捉えていると感じ、それがさも当たり前のように浸透していることが気持ち悪くて仕方がなかった。象徴こそが平等の概念を崩していると感じ、皇室なんかなくてもいいのにと度々感じたものである。
 そんな考えが多少変わったのは高校生になり、世界史の授業を受けていた時だった。教師が雑談のように一言、「世界で最も歴史が長い王族は日本なんだ。今の日本の皇室はその存在だけで価値があるし、他国からも一目置かれおり、日本の誇りと言っていい。外交においても非常に強いカードなんだ」といった内容のことを話していたのを覚えている。これまでは無知ゆえに皇室を否定的にしか見ていなかったが、それを機に日本の皇室が日本にとってどれだけ利益をもたらしているかを知り、見方を改めるようになったのだ。そして、皇室というところに生まれただけでそれ相応の不自由も課せられてしまっているのだろうと思いいたるようにもなった。とはいえ、日本のために働いている人は何も皇族だけではないし、程度は違えどどうしようもない不自由を大勢いる。そのため、周囲のように様づけで敬語を用いることや、会ったら手を振りたいなどという考えは浮かばなかった。それでも、何も知らずに気に入らないという理由だけで否定していたこれまでの自分を反省し、一人の人間として必死に生き、国のために象徴として生きる皇室に対してそれ相応の敬意を持つようにはなったのだ。
 きっと、国民の多くは皇室の人々が身を粉にして、一般人以上の不自由さとプレッシャーを抱え、それでも国のことを考えて生きていると思っているからこそ尊敬しているし、憲法でも象徴として定められているのだと思う。正直、皇室そのものはどうでもいいというのが私の本音だ。でも、これまで築いてきたものは確かにそこにあり、そこで生きている人々は一人の人間として尊敬に値するような生き様をしているのだと思う。だからこそ、今後いまの皇室が続くにせよ、何かが変わるにせよ、そういう美しい人であってほしいと願う。
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