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俺は腐男子だ。いや、腐男子だった。
そして今は教会の孤児院のキリという名で12歳の孤児のひとりだ。
つまり俺、生島明弘は異世界転生したらしい。
しかも転生先は俺が生前プレイしていた18禁BLゲーム
「君と夜出会う」の主人公キリ。つまり今の俺だ。
記憶を思い出すきっかけも掃除していたときに階段から落ちて頭を打って...
というごくごく一般的なものだった。
意識を失っている間に前世の記憶が蘇ったみたいなんだけど、2日間も目を覚まさなかったらしい。その時8歳だったキリの記憶と、19歳の俺の記憶が混ざり合うのに2日かかったみたいなんだよね。まあ2倍以上の年月を生きていた前世の方がより表に出た感じになった。
最初はこの世界のことはよくわからなくて混乱したんだけど教会の学びの時間に教えられたこの国や祭っている神の名前を知ってここがあのゲームの世界で自分がその主人公のキリだとわかった。
それからはもう大興奮! だってあの美麗な世界に転生できたなんて。
「君と夜出会う」通称「君夜」はスチルの美しさが特に際立っていたゲームだった。
つまり今の俺、主人公のキリはめちゃくちゃ美少年なんだ。少し伸びた癖のある髪は柔らかいミルクティー色。瞳は明るいエメラルドグリーンで長いまつ毛に縁どられている。前世の俺は勉強も運動も平均値の少し上をうろうろしている平凡な学生だったからテンション上がるなぁ。
攻略対象者たちのスチルもすっごく綺麗で、今から出会いが楽しみで仕方ない。
ゲームでは主人公は平民だけど、王族・貴族が14歳になると通う学園に入学して……ってまだ6年もある。出会えるのが待ち遠しいなぁ。
_____なんて思っていた時もありました。
◇◇◇
その日俺はナタリーとオルトの3人で物置小屋の掃除をしていた。
掃除が終わると、ナタリーがオルトと掃除道具をかたずけるから俺は小屋の戸締りをしてくれと頼まれた。俺にきつく当たってくるナタリーが少し苦手なので、うなづいて2人を送り出した。小屋の扉を閉めて鍵をかけ鍵を神父様に返すために教会の裏手側を歩いていたら...
急に目の前が真っ暗になり、羽交い絞めにされた。頭から袋のようなものをかぶせられて抱えられて運ばれる。暴れて抵抗するが、子供の力じゃどうしようもない。どこに連れていかれるのか怖くて不安で、心臓がバクバクする。
しばらくして地面に下ろされて頭の袋は取られたけど、抱えていた人物にのしかかられて身動き出来ない。多分、教会裏の林の中。
「はぁ、やっぱり可愛いなぁ。震えてるの?大丈夫だよ~。優しくするからね。」
俺を拉致した男が興奮した声で服の中に手を入れて来た。
全身に鳥肌が立ち、血の気が引いていく。
「嫌だっ!やめっ、んんー!」
「ダメだよ。大きな声を出すと他の人が来ちゃうだろ。それとも恥ずかしい所を見られるのが好きなの?」
声を上げた口を片手で塞いでもう片方の手が上着をまくり上げて素肌に触れる。
気持ち悪くて涙が出る。怖い。誰か助けて!!
そう思った瞬間、
ドサッと重たい音がしてのしかかっていた男が俺の横に倒れていた。
「キリ!無事か?痛いところはないか?」
険しい顔をしたオルトが俺を起こしてくれて、後ろには神父様も駆けつけてきているのが見えた。
俺...助かったんだ。
俺は抱きしめてくれたオルトの胸でわんわん泣いた。
俺を襲った男は何度か教会にお祈りに来ていたのを見かけたことがある人だった。
教会の敷地内に潜んでいて、俺が一人になるのを待っていたんだと言っていた。
それから村の警備隊の兵士が来て男を連行していったんだけど、ナタリーが
「なぁんだ、残念。」って言ったのを聞いてしまった。俺の近くで小声だったけど確かにそう聞こえた。まさか手引きした、とか?
ナタリーが俺を嫌っているのは気付いていたけど、そこまで恨まれる事をした覚えがない。事情を聴かれていた俺も解放されて部屋で休んでいるように言われたけど襲われた時の恐怖を思い出してしまって体の震えが止まらない。
「キリ、すぐに助けられなくてごめん。怖かったよな。本当にごめんな。」
「そんなことない!オルト、助けてくれてありがとう。」
辛そうな顔で申し訳なさそうにオルトが謝ってきて俺はびっくりしてお礼を言った。
俺が戻っていないのに気付いて探してくれたらしい。オルトのおかげで未遂で済んだようなものなのになんでオルトはこんなにも責任を感じているのだろう。
オルトはまだ動きのぎこちない俺の肩を抱くようにして部屋まで連れて行ってくれた。そんな俺を憎々しげに見つめるナタリーにこの時の俺は気付いていなかった。
夕食まで休ませてもらえることになったので部屋の2段ベッドに一人で横になる。
そうして俺は、今日の事件のせいで恐ろしい事実に気付いたんだ。
「君夜」は18禁ゲームだ。つまり攻略対象者と ”そういう行為をする”ことが前提のゲームだった。主人公は受け側だったんだけど、そりゃあ所かまわず致していた。
女子生徒そっちのけで迫られたり。空き教室には引っ張り込まれるし、時には野外での行為まであった。そこまで思い出して震え上がった。
今日のあの強姦未遂男の言葉、まんま攻略対象者のセリフだよ!
ー震えてるの?大丈夫、優しくするよ。(美形美声)
ー恥ずかしい所を見られるのが好きなの?(鬼畜美形美声)
「ぎゃーーーっっ!!」
無理無理無理っ‼
横になっていた体制から跳ね起きて自分の体を抱きしめるみたいに腕をまわす。
ぎゅうっと握った指が震えて、涙がこぼれた。今まで夢見ていたものが恐怖でしかないものに変わった瞬間だった。
どうしよう?どうしたらいいんだ?
この世界で俺は生きていかなくちゃいけないのに、どうすれば回避できる!?
それに、ゲームの強制力がどこまであるのかわからない。
「キリ!大丈夫か。叫び声がしたけど、またなにかあったのか⁈」
「あ、オルト...、俺、俺...っ」
駆け込んできたオルトがべそべそと泣いている俺に気付いてベッドに乗り上げて抱きしめてくれた。オルトの腕の力強さに少し安心して涙が止まったとき入口にナタリーが立っているのが見えた。
そして俺はナタリーに嫌われている理由に気が付いてしまった。
ナタリーは、俺を憎しみのこもった目で睨んでいた。
そして今は教会の孤児院のキリという名で12歳の孤児のひとりだ。
つまり俺、生島明弘は異世界転生したらしい。
しかも転生先は俺が生前プレイしていた18禁BLゲーム
「君と夜出会う」の主人公キリ。つまり今の俺だ。
記憶を思い出すきっかけも掃除していたときに階段から落ちて頭を打って...
というごくごく一般的なものだった。
意識を失っている間に前世の記憶が蘇ったみたいなんだけど、2日間も目を覚まさなかったらしい。その時8歳だったキリの記憶と、19歳の俺の記憶が混ざり合うのに2日かかったみたいなんだよね。まあ2倍以上の年月を生きていた前世の方がより表に出た感じになった。
最初はこの世界のことはよくわからなくて混乱したんだけど教会の学びの時間に教えられたこの国や祭っている神の名前を知ってここがあのゲームの世界で自分がその主人公のキリだとわかった。
それからはもう大興奮! だってあの美麗な世界に転生できたなんて。
「君と夜出会う」通称「君夜」はスチルの美しさが特に際立っていたゲームだった。
つまり今の俺、主人公のキリはめちゃくちゃ美少年なんだ。少し伸びた癖のある髪は柔らかいミルクティー色。瞳は明るいエメラルドグリーンで長いまつ毛に縁どられている。前世の俺は勉強も運動も平均値の少し上をうろうろしている平凡な学生だったからテンション上がるなぁ。
攻略対象者たちのスチルもすっごく綺麗で、今から出会いが楽しみで仕方ない。
ゲームでは主人公は平民だけど、王族・貴族が14歳になると通う学園に入学して……ってまだ6年もある。出会えるのが待ち遠しいなぁ。
_____なんて思っていた時もありました。
◇◇◇
その日俺はナタリーとオルトの3人で物置小屋の掃除をしていた。
掃除が終わると、ナタリーがオルトと掃除道具をかたずけるから俺は小屋の戸締りをしてくれと頼まれた。俺にきつく当たってくるナタリーが少し苦手なので、うなづいて2人を送り出した。小屋の扉を閉めて鍵をかけ鍵を神父様に返すために教会の裏手側を歩いていたら...
急に目の前が真っ暗になり、羽交い絞めにされた。頭から袋のようなものをかぶせられて抱えられて運ばれる。暴れて抵抗するが、子供の力じゃどうしようもない。どこに連れていかれるのか怖くて不安で、心臓がバクバクする。
しばらくして地面に下ろされて頭の袋は取られたけど、抱えていた人物にのしかかられて身動き出来ない。多分、教会裏の林の中。
「はぁ、やっぱり可愛いなぁ。震えてるの?大丈夫だよ~。優しくするからね。」
俺を拉致した男が興奮した声で服の中に手を入れて来た。
全身に鳥肌が立ち、血の気が引いていく。
「嫌だっ!やめっ、んんー!」
「ダメだよ。大きな声を出すと他の人が来ちゃうだろ。それとも恥ずかしい所を見られるのが好きなの?」
声を上げた口を片手で塞いでもう片方の手が上着をまくり上げて素肌に触れる。
気持ち悪くて涙が出る。怖い。誰か助けて!!
そう思った瞬間、
ドサッと重たい音がしてのしかかっていた男が俺の横に倒れていた。
「キリ!無事か?痛いところはないか?」
険しい顔をしたオルトが俺を起こしてくれて、後ろには神父様も駆けつけてきているのが見えた。
俺...助かったんだ。
俺は抱きしめてくれたオルトの胸でわんわん泣いた。
俺を襲った男は何度か教会にお祈りに来ていたのを見かけたことがある人だった。
教会の敷地内に潜んでいて、俺が一人になるのを待っていたんだと言っていた。
それから村の警備隊の兵士が来て男を連行していったんだけど、ナタリーが
「なぁんだ、残念。」って言ったのを聞いてしまった。俺の近くで小声だったけど確かにそう聞こえた。まさか手引きした、とか?
ナタリーが俺を嫌っているのは気付いていたけど、そこまで恨まれる事をした覚えがない。事情を聴かれていた俺も解放されて部屋で休んでいるように言われたけど襲われた時の恐怖を思い出してしまって体の震えが止まらない。
「キリ、すぐに助けられなくてごめん。怖かったよな。本当にごめんな。」
「そんなことない!オルト、助けてくれてありがとう。」
辛そうな顔で申し訳なさそうにオルトが謝ってきて俺はびっくりしてお礼を言った。
俺が戻っていないのに気付いて探してくれたらしい。オルトのおかげで未遂で済んだようなものなのになんでオルトはこんなにも責任を感じているのだろう。
オルトはまだ動きのぎこちない俺の肩を抱くようにして部屋まで連れて行ってくれた。そんな俺を憎々しげに見つめるナタリーにこの時の俺は気付いていなかった。
夕食まで休ませてもらえることになったので部屋の2段ベッドに一人で横になる。
そうして俺は、今日の事件のせいで恐ろしい事実に気付いたんだ。
「君夜」は18禁ゲームだ。つまり攻略対象者と ”そういう行為をする”ことが前提のゲームだった。主人公は受け側だったんだけど、そりゃあ所かまわず致していた。
女子生徒そっちのけで迫られたり。空き教室には引っ張り込まれるし、時には野外での行為まであった。そこまで思い出して震え上がった。
今日のあの強姦未遂男の言葉、まんま攻略対象者のセリフだよ!
ー震えてるの?大丈夫、優しくするよ。(美形美声)
ー恥ずかしい所を見られるのが好きなの?(鬼畜美形美声)
「ぎゃーーーっっ!!」
無理無理無理っ‼
横になっていた体制から跳ね起きて自分の体を抱きしめるみたいに腕をまわす。
ぎゅうっと握った指が震えて、涙がこぼれた。今まで夢見ていたものが恐怖でしかないものに変わった瞬間だった。
どうしよう?どうしたらいいんだ?
この世界で俺は生きていかなくちゃいけないのに、どうすれば回避できる!?
それに、ゲームの強制力がどこまであるのかわからない。
「キリ!大丈夫か。叫び声がしたけど、またなにかあったのか⁈」
「あ、オルト...、俺、俺...っ」
駆け込んできたオルトがべそべそと泣いている俺に気付いてベッドに乗り上げて抱きしめてくれた。オルトの腕の力強さに少し安心して涙が止まったとき入口にナタリーが立っているのが見えた。
そして俺はナタリーに嫌われている理由に気が付いてしまった。
ナタリーは、俺を憎しみのこもった目で睨んでいた。
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