村に勇者が来た

negi

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 部屋に2人だけになるとダグラスがそっと抱きしめてくれた。まだ少し滲む目元にキスをして唇もついばんでから顔を上げた。彼の青紫の瞳が優しく俺を見ている。

「王都に着いたら結婚しよう。早くカイは私のものだと宣言したいが貴族の結婚の書類には王の署名が必要なんだ」

いかにも不本意だという顔をしているダグラスに自分からもぎゅっと抱きついた。
こんな俺を見つけてくれた彼が胸が苦しくなるほど好きだ。

「もう全部ダグラスのものだよ。あの村を出てからずっと側にいると決めていた。
俺を連れ出してくれてありがとう。こんなに幸せになれるなんて、思ってもいなかった…」

ダグラスは少し驚いた顔をして、それから本当に嬉しそうな笑顔になって俺を抱き寄せた。


 ベッドの上で重なり合ってお互いの体温を感じる事を教えてくれたのもダグラスだ。今は俺の胸辺りにある彼の頭を抱き寄せて与えられる快感に耐えている。

「や、いやだっ。そこもうしないで、んぁ」
「ここはカイの感じる場所だろう?可愛がってあげないと…」

すっかり立ち上がっている前には触れてくれずに、後ろを指で広げながら胸の先端を執拗に愛撫されてすでに赤くなってしまっている。
ベッドの中のダグラスは少し意地悪だ。

「あ、ん、もう、いきたいっ。前も触ってっ」
「ふふ、可愛くおねだりされては応えないとね…」

そう言って顔を下ろしていき俺の物を口に含んでしまった。経験したことのない快感に頭が真っ白になり背が弓なりにしなる。舌と唇での刺激に声が抑えられない。まさか口でされるなんて思っていなかったしそのあまりの気持ち良さに腰が勝手に浮いてしまう。

「あ――っっ⁉ うそっ。あ、あ、だめっ、もうはなしてっ、あっう、んんーっっ」

そんなにもたずに出してしまうと後ろから指が抜かれてすぐに熱いものが入って来た。力の抜けた身体は前回よりも楽に全てを受け入れてしまう。

「カイ、愛しているよ。このまま腕の中に閉じ込めてしまいたいくらい大切なんだ」
「ダグラス、あ、俺も。愛してる。あぁっ!」

動き出したダグラスに必死にしがみついていたら立ち上がりかけた前を一緒に扱かれて目の前に火花が散って耐えられずに出してしまった。しばらくしてお腹の中に熱いものが広がってダグラスもいったのがわかった。

そして「明日出発だよ⁉」と言ったのにさんざん貪られて腰の立たなくなった俺はダグラスに抱かれて馬車に乗り込むことになってしまった。



王都で身近な人だけを招待してささやかな結婚式を挙げた。ダグラスが結婚指輪を用意してくれて俺の左手の薬指にはめてくれる。指輪にはダグラスの瞳と同じ色の宝石がはめ込まれていた。もう一つには俺の瞳と同じ宝石が付いていてダグラスの左手の薬指にはめた。

「元の世界では指輪を贈ると聞いて作らせておいたんだ。この風習は良いものだな。カイが私の伴侶だというのが一目でわかる」
「ありがとう、ダグラス。いつも俺のことを考えてくれて嬉しい。愛してる」

幸せの涙を流す俺を抱きしめて誓いのキスをしてくれるダグラスに俺からも腕を伸ばして深く交わる。参列者から喝采が上がって式は賑やかなものになった。



 式を挙げてから3年余り、スタンピードが起きた。この3年はクライド様に鍛えられ魔獣討伐にも参加して魔法の腕も上げてきた。俺はクライド様の率いる部隊に参加してこの災厄を乗り切るためダグラスと共に現地に向かい溢れ出る魔獣を片っ端から倒し、少しでも街や村に行かないように奔走した。

それでも、どうしても現場は凄惨な状態になってしまう。俺は魔力の続く限り浄化して穢れを祓った。生き残った人々が少しでも早く立ち上がれるように願って……



 田舎の小さな村でひっそり生きて1人で死んでいくんだと思っていた。前世の記憶なんていらないと思った事もあったし、そのせいで差別もされた。全てを諦めていた俺は村に勇者が来たことでいらないと思っていた記憶に導かれて外の世界を知り、周りの人に支えられてここまで来た。



そして、俺は勇者になった。



end









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私のつたない文章を最後まで読んで下さってありがとうございました。





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