異世界で神子になりまして

negi

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51 嬉しい誤算

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  目覚めると目の前には逞しい胸筋と、腰と肩に回された逞しい腕の感触があるのは前と同じだけど、今日はちゃんと服を着ている。見上げると既に起きているリックが笑顔で俺を見てた。

「おはようございます。お身体は大丈夫ですか?」

「おはよう。大丈夫だよ。ひゃっ!」

「おはようございます。ふふ、やっぱり感じやすいですね」

「もう…、エドォ、おはよう」

 挨拶の前にうなじに吸い付くからびっくりしたじゃん。悔しいからエドの唇にキスして振り向きざまにリックにもキスしたら、抑え込まれて濃厚なキスをされた。もちろん二人から…。でも流されちゃダメだ。

「も、だめ、キスはおしまい!」

「昨夜はアキラ様からも求めてくださったのに…」

う…、確かに途中からわけがわからなくなって自分から強請ったような記憶がある。
それより俺の身体だよ! 男同士の性交ってもっと、えっと、痛かったり? 入れるまで時間がかかったりすると思っていたのに、何されても気持ち良かった。俺の身体、やっぱりおかしいよ。二人はどう思ったんだろう…

「…あのさ、昨夜の俺、変だったよね」

あんなに乱れて、自分から強請るなんて、やっぱり俺はおかしいんだ。

「ううう、俺って淫乱なのかな…」

 嘆いていたら二人が盛大に吹き出して笑っている。
えぇ? こっちは真剣に悩んでいるのに…

「くっくっ、いや、あまりにアキラ様にそぐわない単語が出てきましたので、ぷ、」

「ぶふっ、大丈夫、そんなことありませんっ。くく、」

「二人とも笑いすぎ。変じゃないなら、いいけど…」

ちょっと膨れて言ったら、まだ可笑しそうにしながらエドが俺の頬を撫でている。
大きな手が気持ちいい。

「変では無いですが、嬉しい誤算ではありました。どう頑張ってもアキラ様に無理をさせてしまうだろうと思っていましたから」

「私たちを受け入れた時、本当に全く痛みはありませんでしたか?」

「全然痛くなくて、気持ちいいだけだったよ」

 俺だって多少の知識はあるからある程度は痛みを伴う行為だと覚悟していた。なのに苦痛を全く感じ無いから凄く戸惑ったし怖くなった。

「やはり愛されるようにと神がお創りになったのですよ」

 エドの言葉が妙に説得力があって不思議な気持ちになった。

この世界に来た神子は愛されなければ消えてしまう。

だからって身体までそんなエロ仕様にしたのか? もしそうなら、この世界の神様はいったい何を考えているんだ。


 
 起きて身支度を整えていたら、マーカスから面会希望が来ていると知らせが届いた。実家の領地から返事が来たのかも知れない。食事の後に会うことにして寝室を出て行くと、待機していた侍女が俺たちを見て目を瞠り急に挙動がおかしくなった。

 いつも食事の支度をしてくれる二人の侍女が、一人は頬を赤らめてぼおっとこちらを見つめ、もう一人は視線をきょろきょろと彷徨わせている。

「二人ともどうしたの? 体調が良くないなら休んでいいよ」

「い、いえ! 体調は問題ありません」

「すてき…」

「ちょっと、しっかりしてよ!?」

ぼおっとしている侍女にもう一人が肘鉄を食らわせた。うわぁ、痛そう。

「痛ぁっ! だって、アキラ様と護衛のお二人があまりにも輝いているから見とれてしまって…、あっ、申し訳ございません!」

 慌てて給仕を始める侍女たちの言葉に、昨夜三人の身体が淡く光っていたことを思い出した。けれど自分を見下ろしてみても、その名残は見当たらない。

「俺たち、もう光って無いよね?」

「今日のアキラ様はある意味輝いていますよ」

「満たされているからでは?」

 それって昨夜二人と深く繋がれたからってこと? 見てわかるほどなの? 
それは、ちょっと、…いや、だいぶ恥ずかしい。

 いつもより口角の上がった侍女たちに給仕されて食事をするのは、少しいたたまれない気分だった。




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