バレンタインより特別な日に

設楽シイ(旧 甘瑠川椋心)

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❚1.ぷろろーぐ

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 はぁ。


 今年も逃した。

 何をって……?


 二月十四日の……チョコレート。


 ホントは本命。でもいつも義理。







 あたし。
 好きなひとがいる。


 でも。小さい頃からそいつとはご近所だったせいで、彼は女の子扱いなんてしてくれない。


「おはよっ、友香!」

「うん、おはよ」

「相変わらずスッゲー寝癖」

「ちょっ、そう思うなら、頭ガシガシすんの、やめてよね!」


 こんなふうに人の頭を触ってきて。

 あたし、乱雑扱い?


 んまぁ、仕方ないか。

 あたし自体乱雑だし。


「ほら、手ぇだせよ」

「は?」

「こないだチョコくれただろ」

「あっ、それ義理だし」


 つ、つい、そう言ってしまう。


「毎年毎年、さんきゅーな」

「うっせーし」

「ほらよ」


 ん?


「なにこれ」

「クッキー」

「買ったの?」

「自分じゃ作れないからな」


 これって、お返しってこと?



「今日、ホワイトデーだから。たまにはいいかなって」

「ふーん」


 意外。

 律儀になったなぁ。


「な、友香さ。こういうの、上手だろ」

「上手つーか、ある程度は作れるよ。難しいお菓子は無理」

「じゃあさ、今度、教えて」

「は?」

「これ強制。じゃ」

「え、ちょ、ちょっと」


 けど、ハルは突然走り出して、あたしの目の前から消えた。


 問答無用。


 うん、こっちのがハルっぽい。


 けどさ。

 なんのつもり……?

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