バレンタインより特別な日に

設楽シイ(旧 甘瑠川椋心)

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❚2.すきなきみ

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 あたしの家。

 いるのは……ずるずる引きずって腐れ縁のハル。


「じゃ、センセー、よろしく☆」

「なんでこーなる……」

「センセー呼びイヤ?」

「そうじゃないけど」

「じゃ、友香教授で!」


 なんかランクアップしてない? たかがホットケーキ作りに教授ぬて……ウケる。


「とにかく最初にそれ、ボウルにいれて混ぜて」

「ラジャー」


 うーわ。
 こいつ、ぶっきよーっ。

 ボウルにミックス粉いれるんだけど、ぼろぼろ周囲にこぼしてるし。牛乳、こぼさないように見てなくちゃ。


 下手くそというより、彼の手元が心配で目が離せない。


「あのさ、友香」


 ハルは卵を手にとって、硬直した。


「オレ、割れないんだけど」


 は。

 あたしもフリーズ。


「え、じゃ、あたしやろっか。見ててよ」

「……うん」


 どこまで情けない奴なんだ。




 
「わー、すご、できた!」

「……はいはい、よかったねー」


 結局、あのあと、ほとんどあたしが作ったんだけど。

 でも、ハル、めっちゃ喜んでる。

 うん! 良しとしよ。


「じゃ、いただきまーす!」

「いただきまーす」

「うまっ。いける!」

「って、ハル。こっち向いて」

「ん? 何?」


 ほっぺ。
 クリームついてる。

 て、なんで、あたし、こいつの世話してんだ。


「さんきゅ」


 まぁ、ハルがそういうから。

 ほんと、つぶらな瞳で。


 だから、しゃーないなって、思っちゃう。


 だから……好き。

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