バレンタインより特別な日に

設楽シイ(旧 甘瑠川椋心)

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❚3.きいちゃった……

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 あれから――。


「ねーえ、友香。今度、また行ってもい?」

「とーもか。週末、また教えて」

「つぎ、マフィン作りたい」

「クッキーとか教えて」

「他に何が作れる? 友香、何作ろっか」


 ……と、いった具合。


 お前、いつの間に、スイーツ男子に目覚めたんだよ。


 でも、ハルの手さばきなんて、ぜんぜっん成長しない。

 包丁とかもたせられない。怖い、手を切りそうだし。


 やっぱし。
 あたしが見てあげないとね!







 放課後。


 いけない。
 忘れ物したし。

 あたしは慌てて教室に戻ってきた。

 ん?

 人影。
 あたしは中に入らずに廊下に身を隠してしまった。

 ハル……と、女の子?


「これ、どうかな……」

「うーん。ぱさついてる。ナシ」


 んん?

 何か食べてる?


「やっぱ駄目か~」

「そんなことないよ。前よりハルすん成長したよ」

「そう? 美味しい?」

「それはないし笑」

「えーっ」

「なんかしょっぱい。砂糖と塩、間違ったんじゃね」

「えー? オレ、ドンマイ」

「自分で自分慰めてるし笑。ハルくん相変わらず、おもしろーい」


 これ、どーゆう状況?

 ハルが手作りしたお菓子を女の子に食べさせてるとしか思えない。


「じゃ、リサちゃん。また食べてくれる?」

「えー、もう飽き飽きだし。次はちゃんと頑張るんだよ」

「うん」

「まずは砂糖と塩、間違えないコト! 次いで、ダマになってるから、ちゃんと混ぜる! いいね?」

「はい!」


 ハル。
 なんか嬉しそうだし。


 これって。

 もしかして。


――『じゃあさ、今度、教えて』


 ハルが、あたしに頼んできたのは。



 あの子のため――……?
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