バレンタインより特別な日に

設楽シイ(旧 甘瑠川椋心)

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❚6.すきとすき

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「……////」


 ちょっと。

 なんか、言ったら、どうなの?


「まじ?」

「まじだけど?」



「……じゃ、付き合う?」




 は?



「友香のこと、オレ、ずっと好きだったから」


 ぐいっ。


 ハルがあたしに何かを押し付けてくる。


「なにそれ」

「ホワイトデーに、頼った」

「は?」

「ホワイトデーに頼って、その日にお返ししたら、友香に伝わるんじゃないかなって。でもさ」


 ハル?


「そんなことしても、ぜんぜん伝わんねーし。
 つか、そもそも、ホワイトデーとかオレにはナイわ。
 料理できないから、市販品だし、それじゃ、伝わんないから」

「ハル?」

「めっちゃ、友香みたく上手くお菓子が作れるようになって、さ。
 好きって言おうと思って、練習した。
 クラスの女子にもコーチしてもらった」


 ……あ。

 それで、あの日の放課後。

 女の子と一緒にいたんだ……。



「好きです」


 ハルがあたしを真っ直ぐに見つめる。


「これ、オレ史上一番じょーずにできたヤツだから。友香にあげる」





「うんっ」




 なんだよ。

 わたしたち、バカじゃん。



 似たもの同士のバカ同士じゃん。



「え、友香? なんで笑うの?」

「いーじゃん。面白すぎ」

「え、えーっ?」


 でもさ、ほんと、不思議なくらい。


 ほんと、なんでもない日だったのに。




 特別な日になったよね。



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