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♡5.やっぱり……

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「で、別れちゃったわけ?」


 翌日。

 休み時間に、渚がわたしの話を聞いてくれた。


「そうなの」

「ばっっっっかじゃない?」

「えっ」

「それって、京、自分のキモチを裏切ったってことじゃん?」



 裏切る?


「だってそうでしょ。京は岩城くんのこと、嫌いじゃないしょ」

「そうだけど……」


 というか。


 ずっと一緒にいたいくらい。


 ん?


「まぁ、京のことだから。あたしが口出しすることはないけどね」







 それから。

 カレカノをやめたら、どうなちゃうのか、心配だったわたしだけど。


 岩城くんとは、廊下ですれ違ったとき、あいさつしたり。

 そーいうところはふつーだったんだけど。


「岩城くん! 一緒にご飯、食べよ」


 岩城くんがわたしの教室に来ないから、わたしは彼のもとへ行った。


「ごめん」

「え、あ、ううん。いいの、いいの」


 でも、断わられちゃって。


「ねえねえ、岩城くん、彼女と別れたって」

「へー、今がチャンスじゃね?」


 何やら、そんな女子たちの会話を聞いたり。


 なんか、複雑な気分に、なったり。





 放課後。


「岩城くん、好きですっ」


 ふと、誰かの声がした。


 わたしは思わず、そっちのほうへ。


 あ、岩城くん……と、女の子。


 これって、告白?





 やだ。

 答えなんて、聞きたくない。


 考えるより、体が動いていた。

「岩城くん!!」


 わたしは岩城くんの手首を掴むと、その場を走った。


 岩城くんはびっくりしたと思うけど、わたしに従ってくれた。


「はぁ、ここなら、人いないもんね」

 誰もいない空き教室。

 岩城くんとふたりきり。


「香藤さん?」

「岩城くん……わたし……」

「いいよ。無理、しないで」

「え?」

「香藤さんが無理に俺に付き合ってくれたの、知ってるから」

「え?」


 それは……違うよ。



「わたし、岩城くんのこと、好きなのに!?」

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