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初夜

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「アァッ、ギギ」
 壊れた玩具のようなおとを出す人間の雌。それに対し、肉の塊は、身体の一部を刺し挿れる作業を繰り返すも、失敗を続ける。



「ヒ、ギ、ヒッ――ギ」
 やはり人間の雌らしきものを、だが肉の塊は逆さ吊りのように持ち上げていた。頭部を雌の股の付近に付着してナニかした後、再び同じ態勢へ戻り、身体の一部を突き刺そうとやっかむ。


 
「……」
 とうとう声を発さなくなった人間の雌。覆い被さっていた肉の塊は突如、起き上がり、雌の顔面に勢いよく尿を吹きかける。
 しばらくすると、雌が喉を鳴らし始める。苛立たしい時間の後、弱々しく動こうとする雌の上に、再び覆い被さる。勿論、圧死させない程度に。



「ア、ア、アァ」
 肉の塊に抱きかかえられながら雌が途切れ途切れに声を発する。よく見ると、ついに雌は肉の塊の一部を身体に納めるのに性交せいこうしていた。
 肉の塊は満足そうであった。その証拠に顔から滴るナニかを雌の顔へ、唾を吐くように何度も与える。雌も満足なのだろう。なぜなら肉の塊が垂らすナニかを、白目を剥きつつ半狂乱で舐め吸い取っていたのだから――。
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