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犯罪者達の前奏曲(プレリュード)
ララ・ゴシック
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少女は孤独だった。
生まれてからすぐにに父親、ほどなくして母親から引き離された。
両親から嫌われていたわけではない。むしろ少女は二人から精一杯の愛情を注がれていた。予期せぬ事態だったとはいえ、我が子がかわいくないなどとは絶対に言わない両親だった。
しかし少女は生まれた環境、場所が最悪であった。少女が生まれた場所はレクイエム。世界から隔離された刑務所である。
両親は必死に抵抗した。我が子を連れていかないでくれと、その子は私たちの希望であると。
だがそれは許されなかった。許されるはずがなかった。
刑殺官と呼ばれるレクイエムの女職員は、2人から少女を無理やり引き剝がし、そして外の世界へと連れて行った。それがレクイエムの規則である。刑殺官は、当然の職務を全うしただけであった。
外の世界に連れていかれた少女は幼少期を政府の施設で過ごす。
成長し、言葉が話せるようになると、実の両親の親類だと言う男が少女の前に現れた。
施設は身柄を確認し、少女をその男へと明け渡す。
だが、当の少女自身には理解できていなかった。
なぜ私はこの男に引き取られるのだろうと。なぜ両親は自分を迎えに来ないのだろうと。少女の年齢を考えれば、無理もない話だった。
少女の名前はララ・ゴシック。
生まれながらにレクイエムに関わりのある人生を歩むことになる。
*** *** ***
10の誕生日を迎え、少女と男は慎ましく暮らしていた。
「ララ、悪いねえ。なんにもしてやれなくて……」
施設から引き取ってから、男はララの事を常に気遣っていた。
幼くして両親と離れた少女。なるべくよくしてやりたいと考えていたが、男にはそれができる余裕などなかった。施設よりはましとはいえ、住む家は雨風を防ぐだけの一部屋のボロ屋であり、食事は質素なもので、学校にも通わせられなかった。
それでも、それは男が必死で働いて得る全ての物であり、ララもそれを感じて何も言わなかった。
男にララを引き取る義務などない。むしろ男にとってはララがいない方が金銭的な余裕が出来る事は明白だ。
ララは男に微笑み、こう答えた。
「大丈夫だよ、ドドおじさん」
今日、10歳の誕生日を迎えたララには何の不満もなかった。金は無く、貧しい生活を送る事になろうとも、ララはまた一人孤独の闇に戻る事を恐れていたからだ。
その返事を聞いて、『ドド・ゴシック』は申し訳なさそうに頭を掻く。ララはドドに擦り寄るとドドは優しく抱きしめた。
本当の親子ではないにしろ、2人は幸せで、暖かかったのだ。
ララは昔、一度両親の事をドドに尋ねたことがあった。
私の両親は今どこにいるんだ、と。
ドドはその返答に困り、両親は亡くなったと告げた。それを聞かせると、やはりララは悲しむだろうが、それでも2人ともレクイエムに入れられた大罪人であると告げるよりはましだろう。
なにより2人は二度とレクイエムから戻ってくることはないと、ドドは知っていた。淡い期待を持たせるより、ララには自分の人生をしっかりと生きて欲しかったのだ。
幼いうちに両親を亡くすというのはあまりにショッキングな話だが、この世界では珍しい話でもない。
そばで健気に支え続けたドドの甲斐もあり、ララは自分の不幸を年を取るたびに徐々に受け入れていった。
*** *** ***
「ララ、それじゃあ、おじさん仕事行ってくるから。あとよろしくね」
「うん、いってらっしゃい。ドドおじさん」
ララは笑顔で手を振るドドを玄関先まで見送った。
ドドは長年町の工場で働いている。朝の7時には家を出て、大体夕方にはヘトヘトになって帰ってきていた。残業がある時には帰りは遅くなったが、どれだけ遅くなろうとララは家で家事をしつつ寝ないでドドを待った。
給料は多くはなかったが、この時代に仕事があるだけでもましな方だ。
外で金を稼ぐドドの為に、ララは家の仕事は自分から行う様にしていた。朝、ドドが家を出たらまずは掃除をする。部屋自体は古く、綺麗ではなかったがララのおかげで清潔さは保たれていた。その後は洗濯、買い出し、そしてドドが帰ってくるまでに晩ご飯の支度を済ませておく。
ララは10歳の女の子とはかけ離れた生活を送っていた。本音を言えば外に稼ぎに出て、ララも家の家計の手助けをしたかったが、立派に成人した男ですら就職は容易ではない。ララにできる仕事など見つかるはずもない。限られた生活費でただひたすら慎ましく暮らす。ララに出来るのはただそれだけだった。
日が沈むと家にドドが帰ってくる。
ドドは朝には持っていなかった見たことのない手提げ袋を持って帰ってきた。ララがそれはなにか? と尋ねるが、ドドは微笑むだけだった。
2人が夕食を済ませると、ララはいつも通り食器を片付けようと席を立とうとした。ドドはそれを止め、手提げ袋から中身を取り出す。中から出てきたのは2つのケーキであった。
「ララ、一日遅いけど誕生日のケーキだよ」
ドドはやはりララに何かをしてあげたいと思い、貴重な生活費から誕生日のお祝いとして洋菓子を買ってきていたのだ。普段貧しい食事をしている自分からは考えられないほど、整った造形美を見せるケーキにララは困惑する。一目見ただけで、ララはそれが高価な食べ物である事を感じ取った。
「私は大丈夫だよ。もうお腹いっぱい。ドドおじさんが食べて?」
ケーキという洋菓子の事は知っていたが、ララはそれを食べたことが無かった。口にできる甘味物と言えば、安いジュースが精一杯。きらきらと輝くケーキは、まだ知らぬ未知なる味をララに想像させ、口の中を唾液で一杯にした。
「ララ。2つ買ってきたんだ。せっかくだから一緒に食べよう?」
ドドはケーキを取り出すと、自分と、そしてララの目の前へと置いた。
優しい甘い香りがララの鼻をくすぐる。ゴクリ、と唾を飲み、ララはドドの顔を覗き込んだ。
「ドドおじさん。ホントに私が食べていいの?」
ドドは何も言わず、早く食べて、とでも言いたげな表情で笑うだけだった。
ララは夕食で使ったフォークでそれを角から少しだけ取ると、しばらく見つめて口へと運んだ。
口の中に初めて体験する甘さが広がり、ララは口元が緩むのを止められなかった。
「あまい……、おいしい!!」
ドドは満足そうに笑いながらララを見つめている。
ララはたった一口でその洋菓子に夢中になっていた。ケーキを口に運ぶ手が止まらなくなり、やがてララが食べ終わると、ドドは自分の手を付けていないケーキをララへと差し出す。
「僕はもうお腹いっぱいだから、これもララに食べてもらいたいな」
それはララと同じく、互いを思いやる上での嘘ではあったのだが、一概に全てが嘘だとは言い切れなかった。ドドは、幸せそうにケーキをほおばるララの笑顔に、腹は満たされずとも心は満たされていたである。
ララは自然と涙ぐんでしまった。無償で優しくしてくれるドドに申し訳なさと、ありがたさと、そしてなにもできない自分の無力さを再び感じてしまったからだ。
と、その時、
ドンドンドン……
いきなり家の戸が誰かに叩かれた。
この家に人が訪ねる事など、大家が家賃を取りに来る時くらいだが今は夜だ。それもないだろう。
ドドはララの元にケーキを置くと、だれだろう? と玄関へと向かった。
ララは差し出された、美しく、キラキラ輝いて見えるケーキを見つめる。これから先、二度と食べれることはないのかもしれない。だが、それはドドにとっても同じことである。ララはそのケーキには手をつけず、そっとドドの元に戻した。
――パンッ
急にララの耳に入ったのは発砲音だった。
慌ててその音のした方向へとララは目をやる。
そこには、玄関の戸を必死に押さえつけるドドの姿があった。
ララはなにが起こったのかわからず、ドドの元へと向かおうとした。
「ララ! こっちに来ちゃだめだ!」
よく見ると、ドドの足からは血がポタポタと垂れていた。
非現実的な光景にララは全身から血の気が引き、叫ぶ。
「いやあああああああああああ!!!」
ドドの必死の抵抗も虚しく、玄関の戸は蹴破られ、複数の男たちが家の中へと入ってくる。ララの姿を目にすると、男たちは互いに何かを話し始めた。
「おい、こいつが例の子か?」
「間違いありません。ララ・ゴシックです」
「連れてくぞ、さっさと準備しろ!」
男たちが目の前で何やら話す中、全身をカタカタ震わせララは座り込んだ。
ドドは男たちに縋りつき、部屋の奥へと向かおうとする男たちを必死に止めていた。
「ララに手を出すな! その子は関係ないだろう!!」
しつこく抵抗するドドの脳天を、一人の男は手に持った銃で殴った。
ドドは頭からドクドク血を流し、その場に倒れ、動かなくなった。
「いや! ドドおじさん! ドドおじさん!!!」
何が起こっているのかさっぱりわからない。ただ一つ、ララは直感した。今この場を離れたら、自分は二度とドドには会えないと。
ララは涙を流しながら、動かなくなったドドに叫び続ける。
「おい、これ以上騒がれたら面倒だ。早いとこ黙らせろ」
一人の男がスタンガンを取り出し、抵抗するララに押し当てた。
バチッ、っという音とともにララの叫び声は聞こえなくなる。
「手間かけさせやがって。さっさと連れてくぞ」
「なにやってる! 早く袋、用意しろ」
「入れたらすぐに車まで運べ」
気絶したララは、男たちに大きめの麻袋に入れられ部屋から連れて行かれた。
静まり返った部屋に残ったのは、動かなくなった一人の男と、その部屋には似つかない、キラキラ光る一つのケーキだけであった。
生まれてからすぐにに父親、ほどなくして母親から引き離された。
両親から嫌われていたわけではない。むしろ少女は二人から精一杯の愛情を注がれていた。予期せぬ事態だったとはいえ、我が子がかわいくないなどとは絶対に言わない両親だった。
しかし少女は生まれた環境、場所が最悪であった。少女が生まれた場所はレクイエム。世界から隔離された刑務所である。
両親は必死に抵抗した。我が子を連れていかないでくれと、その子は私たちの希望であると。
だがそれは許されなかった。許されるはずがなかった。
刑殺官と呼ばれるレクイエムの女職員は、2人から少女を無理やり引き剝がし、そして外の世界へと連れて行った。それがレクイエムの規則である。刑殺官は、当然の職務を全うしただけであった。
外の世界に連れていかれた少女は幼少期を政府の施設で過ごす。
成長し、言葉が話せるようになると、実の両親の親類だと言う男が少女の前に現れた。
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だが、当の少女自身には理解できていなかった。
なぜ私はこの男に引き取られるのだろうと。なぜ両親は自分を迎えに来ないのだろうと。少女の年齢を考えれば、無理もない話だった。
少女の名前はララ・ゴシック。
生まれながらにレクイエムに関わりのある人生を歩むことになる。
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10の誕生日を迎え、少女と男は慎ましく暮らしていた。
「ララ、悪いねえ。なんにもしてやれなくて……」
施設から引き取ってから、男はララの事を常に気遣っていた。
幼くして両親と離れた少女。なるべくよくしてやりたいと考えていたが、男にはそれができる余裕などなかった。施設よりはましとはいえ、住む家は雨風を防ぐだけの一部屋のボロ屋であり、食事は質素なもので、学校にも通わせられなかった。
それでも、それは男が必死で働いて得る全ての物であり、ララもそれを感じて何も言わなかった。
男にララを引き取る義務などない。むしろ男にとってはララがいない方が金銭的な余裕が出来る事は明白だ。
ララは男に微笑み、こう答えた。
「大丈夫だよ、ドドおじさん」
今日、10歳の誕生日を迎えたララには何の不満もなかった。金は無く、貧しい生活を送る事になろうとも、ララはまた一人孤独の闇に戻る事を恐れていたからだ。
その返事を聞いて、『ドド・ゴシック』は申し訳なさそうに頭を掻く。ララはドドに擦り寄るとドドは優しく抱きしめた。
本当の親子ではないにしろ、2人は幸せで、暖かかったのだ。
ララは昔、一度両親の事をドドに尋ねたことがあった。
私の両親は今どこにいるんだ、と。
ドドはその返答に困り、両親は亡くなったと告げた。それを聞かせると、やはりララは悲しむだろうが、それでも2人ともレクイエムに入れられた大罪人であると告げるよりはましだろう。
なにより2人は二度とレクイエムから戻ってくることはないと、ドドは知っていた。淡い期待を持たせるより、ララには自分の人生をしっかりと生きて欲しかったのだ。
幼いうちに両親を亡くすというのはあまりにショッキングな話だが、この世界では珍しい話でもない。
そばで健気に支え続けたドドの甲斐もあり、ララは自分の不幸を年を取るたびに徐々に受け入れていった。
*** *** ***
「ララ、それじゃあ、おじさん仕事行ってくるから。あとよろしくね」
「うん、いってらっしゃい。ドドおじさん」
ララは笑顔で手を振るドドを玄関先まで見送った。
ドドは長年町の工場で働いている。朝の7時には家を出て、大体夕方にはヘトヘトになって帰ってきていた。残業がある時には帰りは遅くなったが、どれだけ遅くなろうとララは家で家事をしつつ寝ないでドドを待った。
給料は多くはなかったが、この時代に仕事があるだけでもましな方だ。
外で金を稼ぐドドの為に、ララは家の仕事は自分から行う様にしていた。朝、ドドが家を出たらまずは掃除をする。部屋自体は古く、綺麗ではなかったがララのおかげで清潔さは保たれていた。その後は洗濯、買い出し、そしてドドが帰ってくるまでに晩ご飯の支度を済ませておく。
ララは10歳の女の子とはかけ離れた生活を送っていた。本音を言えば外に稼ぎに出て、ララも家の家計の手助けをしたかったが、立派に成人した男ですら就職は容易ではない。ララにできる仕事など見つかるはずもない。限られた生活費でただひたすら慎ましく暮らす。ララに出来るのはただそれだけだった。
日が沈むと家にドドが帰ってくる。
ドドは朝には持っていなかった見たことのない手提げ袋を持って帰ってきた。ララがそれはなにか? と尋ねるが、ドドは微笑むだけだった。
2人が夕食を済ませると、ララはいつも通り食器を片付けようと席を立とうとした。ドドはそれを止め、手提げ袋から中身を取り出す。中から出てきたのは2つのケーキであった。
「ララ、一日遅いけど誕生日のケーキだよ」
ドドはやはりララに何かをしてあげたいと思い、貴重な生活費から誕生日のお祝いとして洋菓子を買ってきていたのだ。普段貧しい食事をしている自分からは考えられないほど、整った造形美を見せるケーキにララは困惑する。一目見ただけで、ララはそれが高価な食べ物である事を感じ取った。
「私は大丈夫だよ。もうお腹いっぱい。ドドおじさんが食べて?」
ケーキという洋菓子の事は知っていたが、ララはそれを食べたことが無かった。口にできる甘味物と言えば、安いジュースが精一杯。きらきらと輝くケーキは、まだ知らぬ未知なる味をララに想像させ、口の中を唾液で一杯にした。
「ララ。2つ買ってきたんだ。せっかくだから一緒に食べよう?」
ドドはケーキを取り出すと、自分と、そしてララの目の前へと置いた。
優しい甘い香りがララの鼻をくすぐる。ゴクリ、と唾を飲み、ララはドドの顔を覗き込んだ。
「ドドおじさん。ホントに私が食べていいの?」
ドドは何も言わず、早く食べて、とでも言いたげな表情で笑うだけだった。
ララは夕食で使ったフォークでそれを角から少しだけ取ると、しばらく見つめて口へと運んだ。
口の中に初めて体験する甘さが広がり、ララは口元が緩むのを止められなかった。
「あまい……、おいしい!!」
ドドは満足そうに笑いながらララを見つめている。
ララはたった一口でその洋菓子に夢中になっていた。ケーキを口に運ぶ手が止まらなくなり、やがてララが食べ終わると、ドドは自分の手を付けていないケーキをララへと差し出す。
「僕はもうお腹いっぱいだから、これもララに食べてもらいたいな」
それはララと同じく、互いを思いやる上での嘘ではあったのだが、一概に全てが嘘だとは言い切れなかった。ドドは、幸せそうにケーキをほおばるララの笑顔に、腹は満たされずとも心は満たされていたである。
ララは自然と涙ぐんでしまった。無償で優しくしてくれるドドに申し訳なさと、ありがたさと、そしてなにもできない自分の無力さを再び感じてしまったからだ。
と、その時、
ドンドンドン……
いきなり家の戸が誰かに叩かれた。
この家に人が訪ねる事など、大家が家賃を取りに来る時くらいだが今は夜だ。それもないだろう。
ドドはララの元にケーキを置くと、だれだろう? と玄関へと向かった。
ララは差し出された、美しく、キラキラ輝いて見えるケーキを見つめる。これから先、二度と食べれることはないのかもしれない。だが、それはドドにとっても同じことである。ララはそのケーキには手をつけず、そっとドドの元に戻した。
――パンッ
急にララの耳に入ったのは発砲音だった。
慌ててその音のした方向へとララは目をやる。
そこには、玄関の戸を必死に押さえつけるドドの姿があった。
ララはなにが起こったのかわからず、ドドの元へと向かおうとした。
「ララ! こっちに来ちゃだめだ!」
よく見ると、ドドの足からは血がポタポタと垂れていた。
非現実的な光景にララは全身から血の気が引き、叫ぶ。
「いやあああああああああああ!!!」
ドドの必死の抵抗も虚しく、玄関の戸は蹴破られ、複数の男たちが家の中へと入ってくる。ララの姿を目にすると、男たちは互いに何かを話し始めた。
「おい、こいつが例の子か?」
「間違いありません。ララ・ゴシックです」
「連れてくぞ、さっさと準備しろ!」
男たちが目の前で何やら話す中、全身をカタカタ震わせララは座り込んだ。
ドドは男たちに縋りつき、部屋の奥へと向かおうとする男たちを必死に止めていた。
「ララに手を出すな! その子は関係ないだろう!!」
しつこく抵抗するドドの脳天を、一人の男は手に持った銃で殴った。
ドドは頭からドクドク血を流し、その場に倒れ、動かなくなった。
「いや! ドドおじさん! ドドおじさん!!!」
何が起こっているのかさっぱりわからない。ただ一つ、ララは直感した。今この場を離れたら、自分は二度とドドには会えないと。
ララは涙を流しながら、動かなくなったドドに叫び続ける。
「おい、これ以上騒がれたら面倒だ。早いとこ黙らせろ」
一人の男がスタンガンを取り出し、抵抗するララに押し当てた。
バチッ、っという音とともにララの叫び声は聞こえなくなる。
「手間かけさせやがって。さっさと連れてくぞ」
「なにやってる! 早く袋、用意しろ」
「入れたらすぐに車まで運べ」
気絶したララは、男たちに大きめの麻袋に入れられ部屋から連れて行かれた。
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