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第6章:京都行ったから本気出す!
必殺仕事人、雪風
しおりを挟む<雪風視点>
なんであたしがこんなことしなくちゃならないのよ!
だいたい、甲賀全体が一つにまとまった事なんか、過去一度もないのよ?
それを脅されて一つの勢力に飲み込まれるとか、信じらんない!
全てあの男のせい。
明智光秀?
なにあの変な髪の毛の色。
黄金色とか本人は言っちゃって、キモい。
だけどきっとそれもあって、甲賀全体が飲み込まれたのよね。
伝説の救世主が、まだら色の衣をまとい、黄金色の野原に降り立つさまを描写した口伝が、かすかに残っている。
長老たちがそれを口にすると、あの男とあたしの黒古おねーさ……黒古の奴が、「腹筋崩壊~~風の谷間だったのか、ここは」とか言って笑い転げていた。
そんなに面白かったの? 伝説の口伝が。あんたの言う『たぺすとり』なんかないわよ!
「ゆきねーさん。あと6m31cmで先頭の敵が攻撃地点に入りますです」
となりにいる銀色の髪の毛の少女。
なんか20歳とか言っていたけど、まるで13歳くらいの外見。
あたしと戦った時は、素早いだけで力がなかった。技は凄いけどただそれだけ。
攻撃が当たれば簡単に吹っ飛ぶわ。
それに何よ。この髪。銀色?
聞いたことないわよ。
あの光秀と言い、この子と言い、なんかふざけた奴ばっかり。
も~。お姉さん扱いしないでよ。
あたしの方が年下なんだよ?
精神年齢が相当低いのね。ばっかじゃないの?
「敵、攻撃範囲内侵入。攻撃を。援護しますです」
仕方ないわね。
これも任務のうち。
あんたたちのために戦うんじゃないんだからね。勘違いしないでよね!
あたしは上半身を地面と平行になるほどの前傾姿勢で、雪原となった田畑を駆ける。
前よりも、はるかに素早く、そしてバランスがとりやすい。
黒古おねー……の奴の針が効いたらしいわ。
蛇行しながら200mを駆け抜ける。
敵の前備えに側面から突入。
まさかこんな無謀なことをやらされるとは思ってもみなかったわよ。
でもこの新しい糸があれば……
「敵の忍び! 弓兵放て!」
もう遅いわ。
弓兵の列に突っ込む。
200人はいるわね。
あたしは輪にしてまとめてある糸を、腰から取り出し投げながら、弓兵の首をまとめて狩る。
らせん状に飛ぶ糸を操り、次から次へと敵の上空を舞わせる。
胴体から離れた首が飛び、首であった場所から血飛沫が飛ぶ。
この糸、よく切れるわ。
なんでも鉄をよって作ったとか。『わいやあ』?
こ、これだけは感謝するわよ。
絶対に面と向かっては、こんなこと言えないけどねっ。
「太刀の者! 奴を止めろ!!」
徒武者が群がろうとする。
そんなに遅い動き。捕まるわけがないわ。
あらかた弓兵を狩りつくしたところで撤退を開始。
今度はこの時のために用意した目くらまし用の糸を、地面を這うように投げていく。
途端に巻き起こる、雪風。
雪が舞い散る中を、あたしはさっき伏せていた場所から正反対の地点まで移動して身を伏せる。
「うぎゃ!」
「ごふっ!」
「おぅ!」
「げふっ!!」
前備えの後方で、盛大に悲鳴が巻き起こった。
あの銀髪少女が攻撃を開始したんだわ。
遠くからも見える。
ふんすっ、と
『畳を持ち上げている!』
投げた!
回って飛んでいく。
あいつが『フリスビー』と呼んでいたわ。
「帰ってこないのが残念でござる!」
とか、訳の分からないことを、まったくもうっ!
20間(40m)もの遠くにいる敵に、その回転している畳がぶつかっていく。
1枚で10人は吹き飛んだ。
皆、あ然としている音がする。
冗談のような光景!
あたしの糸も相当冗談と言われたわ。でもこれ、なによ!!??
卑怯よ!
あたしにもその力、よこしなさい!
畳が5枚、6枚と投げられていく。
もう数十人の三好の足軽が吹き飛んだ。
完全に怖気づいているわ。
ばばばばーーーーん!
ばばばばーーーーん!!
ばばばばーーーーん!!!
街道左右に隠れていた、あいつの手勢が鉄砲の一斉射撃を開始する。もうこの轟音で、敵は完全に士気が崩壊したわ。
皆、手で耳を押さえている。
得物が地面に落ちていく。
「うぉりゃああああ!!!!
三好の者共。将軍様に歯向かうとは、いい度胸だ!
信長様、いや、明智光秀様が守護している限り、誰にも傷ひとつつけさせねぇ。
ここは俺、前田慶次郎利益だけで十分よ。
街道にいる者は、全て串刺しにする!
逃げるならば今のうちぞ!」
あの筋肉ダルマの騎馬武者が単騎で駆けだす。
あの手槍、3間(6m)近くあるわね。しかも騎乗して振り回すとか、どれだけ身体能力が高いのよ?
でもなによ、あれ?
お腹だして寒くないの?
肩にはとげとげした意味のない袖つけて、ついでに左だけ赤く塗っている。
あいつの配下。
み~んな、変な奴ばっか!!!!
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