4 / 5
自己紹介ってこんなだっけ
しおりを挟む
ちゃんと学校に編入できたのでしょうか。私シャルは一昨日に契約を結んだ相手であるカナデを自分の教室に向かうついでに探していました。
あれから周りの誰に聞いても誰一人としてカナデを城内で見てないと言ってました。私も次の日には夢なのかなと思い契約の時についた左人差し指の傷を見ましたがちゃんとまち針で刺した跡が残ってました。
試しに1度呼んでみようかとも思いましたが、もし何か取り込み中だった場合が申し訳ないのでカナデを信じてこの日まで待ちましたが一向に現れる気配がありません。本当に大丈夫なのでしょうか?
そんなことを考えてたら私のクラスであるEクラスに着きました。
この学院には中等部と高等部が存在し、クラスがA~Eクラスまであります。
中等部では魔法の基礎や魔力についての雑学や初級魔法の練習などを行い、高等部では中級魔法や上級魔法、それぞれ6属性に派生する魔法や混合魔法を習います。
それに魔力量が多い者や覚えてる魔法が上位や強力な者からAクラスへとなりそれからどんどんB、C、D、Eと下のクラスへとなります。私はEクラスでさらにその中でも最下位です。私は魔力量が非常に少なく、覚えてる魔法も6属性のうち2属性だけで、火、風だけで使える魔法も初級魔法のみです。
クラスに入ると先に来てた人たちからは嘲笑の目で見られます。やはり王国の王女が一番下のクラスで最下位なのがおもしろいのでしょう。それに拍車をかけるように私が本当の子供ではないこともあると思いますが。この事は当時のメイドの誰かが誰かに言ったことが始まりだと聞いています。特に国王の話となると拡散力はとても早く犯人も分かっていないということらしいです。でもメイドまでは分かっているのなら誰かわかるとも思いますけども。
周りの目が気になりながらも教室の端っこの席に座ります。そして授業が始まるまでここで静かにしときましょう。ですがカナデは本当に本当に大丈夫なのでしょうか。そんなことを考えていると、目的の相手が教室に入ってきました。
「カナデ遅いです。」
つい席を立ってカナデに声をかけてしまいました。
いつも静かな私を見てたみんなは急に立ち上がって声を発した私に驚きの顔になったあと、すぐに呼ばれた少年に目をやりました。そして始まるのは静かな声での陰口。私やカナデを指さしては何かを話しています。
「主さ…じゃなくてシャル2日ぶりだね。元気そうでよかったよ。僕も今日からEクラスに入ることになったんだ。あっ、隣の席いいかな?いいよね?それじゃあ失礼しまーす。」
シャルの声を聞くなり、手を振りながら挨拶をし、気づけば隣に座ったカナデにさらに周りの人達はその話で盛り上がる。
「カナデはどうやって編入したんですか。編入・入学試験はもう終わってたはずなのに。」
周りのことは1度忘れて奏がどうやって編入したのかが気になったシャルは周りには聞こえないくらいの声で奏尋ねる。
「どうやってかは内緒だよ。やっぱり謎の多い男性ってかっこいいよね。ただ強いて言うなら元勇者パワーと言ったところかな。」
「ムッ。そうやってはぐらかす。」
顔をリスのように膨らまして拗ねるシャルに周りからは「もしかして彼氏?」などの声がちらほら聞こえた。
そのあとも城をどうやって誰にも気付かれずに抜け出したのか、この2日間何してをしていたのか聞くが全て話しをはぐらかされてしまう。
「みなさん、席に着いてください。」
不意に教室の前にある教卓から声が聞こえた。そこにいたのは白髪の男性だった。
「今日からこのクラスの担任になりましたアレンと言います。よろしくお願いします。」
そう言うと周りを見渡して頭を下げる。その時に私を見つけるとニコッ口元が上がったように見えたがすぐに頭を下げたから分からなかった
「次は君たちの名前と顔を覚えたいから1人ずつ自己紹介をしてほしいんだけど。そうだな…そこの君から自己紹介してもらおうかな。」
そこで指を指されたのはシャルだった。
「わ、私からですか!」
まさか隅にいたシャルが最初に当たるとは思ってもいなかったのか驚きの声を上げてしまった。
「そうだけど、なにか不都合でもあるかな?」
「いえ、大丈夫です。」
シャルは1度大きく深呼吸をすると自己紹介を始める。
「シャルといいます。これからみんなと仲良くしていきたいと思ってます。よろしくお願いします。」
そう言って座ろうとしたがアレン先生は座らせてはくれなかった。
「シャルさんはフルネームとかないの?得意な魔法は?中級魔法は使えるのかな?」
私が触れたくないことをズバズバと質問してくるアレン先生に私はここでようやく私が最初に当てられた意味を知った。先生は私をこのクラスの見せ物として使い、僕は君たち側だよと他の生徒たちの信頼などを獲得しようとしているのだと。
「はいはーい、よろしくお願いしますって言った時点で自己紹介は終わりだと思いまーす。」
そんな時、隣に座っていたカナデが手を挙げて 私を守ってくれた。
アレン先生は少し眉を顰めるがすぐに最初の顔に戻った。
「君は?」
「僕の名前は奏っていいます。隣に座っているシャルとは主従関係を結んでいるからあまりそういういじめみたいなこととかやめてほしいと思います。ちなみに今日から編入してきました。」
周りからは「主従関係?」や「彼氏じゃないの?」など様々な声が聞こえるが奏はそれを無視して続ける。
「あまりそういうことしちゃうとあとからどうなっても知らないよ、せ・ん・せ・い。」
「あなたが学院長が言っていた編入生ですね。それでいじめているつもりは全くなかったのですが一応聞いておきましょうか。どうなるんですか?」
すっとぼけたようにいうアレンに奏もいつものように微笑みながら答える。
「とりあえずその白髪がなくなります。要はハゲになるってことですね。それに場合によっては学院の先生としてここにいるのももしかしたらダメになるかもですね。」
今奏とアレンの間で火花が散っているのが誰から見ても明らかだ。
「僕にばかり時間を使っても無駄だし、次の人に回そうかな。」
そう言って奏は席に座った。
それからはみんな無難な普通の自己紹介をし終わった。
あれから周りの誰に聞いても誰一人としてカナデを城内で見てないと言ってました。私も次の日には夢なのかなと思い契約の時についた左人差し指の傷を見ましたがちゃんとまち針で刺した跡が残ってました。
試しに1度呼んでみようかとも思いましたが、もし何か取り込み中だった場合が申し訳ないのでカナデを信じてこの日まで待ちましたが一向に現れる気配がありません。本当に大丈夫なのでしょうか?
そんなことを考えてたら私のクラスであるEクラスに着きました。
この学院には中等部と高等部が存在し、クラスがA~Eクラスまであります。
中等部では魔法の基礎や魔力についての雑学や初級魔法の練習などを行い、高等部では中級魔法や上級魔法、それぞれ6属性に派生する魔法や混合魔法を習います。
それに魔力量が多い者や覚えてる魔法が上位や強力な者からAクラスへとなりそれからどんどんB、C、D、Eと下のクラスへとなります。私はEクラスでさらにその中でも最下位です。私は魔力量が非常に少なく、覚えてる魔法も6属性のうち2属性だけで、火、風だけで使える魔法も初級魔法のみです。
クラスに入ると先に来てた人たちからは嘲笑の目で見られます。やはり王国の王女が一番下のクラスで最下位なのがおもしろいのでしょう。それに拍車をかけるように私が本当の子供ではないこともあると思いますが。この事は当時のメイドの誰かが誰かに言ったことが始まりだと聞いています。特に国王の話となると拡散力はとても早く犯人も分かっていないということらしいです。でもメイドまでは分かっているのなら誰かわかるとも思いますけども。
周りの目が気になりながらも教室の端っこの席に座ります。そして授業が始まるまでここで静かにしときましょう。ですがカナデは本当に本当に大丈夫なのでしょうか。そんなことを考えていると、目的の相手が教室に入ってきました。
「カナデ遅いです。」
つい席を立ってカナデに声をかけてしまいました。
いつも静かな私を見てたみんなは急に立ち上がって声を発した私に驚きの顔になったあと、すぐに呼ばれた少年に目をやりました。そして始まるのは静かな声での陰口。私やカナデを指さしては何かを話しています。
「主さ…じゃなくてシャル2日ぶりだね。元気そうでよかったよ。僕も今日からEクラスに入ることになったんだ。あっ、隣の席いいかな?いいよね?それじゃあ失礼しまーす。」
シャルの声を聞くなり、手を振りながら挨拶をし、気づけば隣に座ったカナデにさらに周りの人達はその話で盛り上がる。
「カナデはどうやって編入したんですか。編入・入学試験はもう終わってたはずなのに。」
周りのことは1度忘れて奏がどうやって編入したのかが気になったシャルは周りには聞こえないくらいの声で奏尋ねる。
「どうやってかは内緒だよ。やっぱり謎の多い男性ってかっこいいよね。ただ強いて言うなら元勇者パワーと言ったところかな。」
「ムッ。そうやってはぐらかす。」
顔をリスのように膨らまして拗ねるシャルに周りからは「もしかして彼氏?」などの声がちらほら聞こえた。
そのあとも城をどうやって誰にも気付かれずに抜け出したのか、この2日間何してをしていたのか聞くが全て話しをはぐらかされてしまう。
「みなさん、席に着いてください。」
不意に教室の前にある教卓から声が聞こえた。そこにいたのは白髪の男性だった。
「今日からこのクラスの担任になりましたアレンと言います。よろしくお願いします。」
そう言うと周りを見渡して頭を下げる。その時に私を見つけるとニコッ口元が上がったように見えたがすぐに頭を下げたから分からなかった
「次は君たちの名前と顔を覚えたいから1人ずつ自己紹介をしてほしいんだけど。そうだな…そこの君から自己紹介してもらおうかな。」
そこで指を指されたのはシャルだった。
「わ、私からですか!」
まさか隅にいたシャルが最初に当たるとは思ってもいなかったのか驚きの声を上げてしまった。
「そうだけど、なにか不都合でもあるかな?」
「いえ、大丈夫です。」
シャルは1度大きく深呼吸をすると自己紹介を始める。
「シャルといいます。これからみんなと仲良くしていきたいと思ってます。よろしくお願いします。」
そう言って座ろうとしたがアレン先生は座らせてはくれなかった。
「シャルさんはフルネームとかないの?得意な魔法は?中級魔法は使えるのかな?」
私が触れたくないことをズバズバと質問してくるアレン先生に私はここでようやく私が最初に当てられた意味を知った。先生は私をこのクラスの見せ物として使い、僕は君たち側だよと他の生徒たちの信頼などを獲得しようとしているのだと。
「はいはーい、よろしくお願いしますって言った時点で自己紹介は終わりだと思いまーす。」
そんな時、隣に座っていたカナデが手を挙げて 私を守ってくれた。
アレン先生は少し眉を顰めるがすぐに最初の顔に戻った。
「君は?」
「僕の名前は奏っていいます。隣に座っているシャルとは主従関係を結んでいるからあまりそういういじめみたいなこととかやめてほしいと思います。ちなみに今日から編入してきました。」
周りからは「主従関係?」や「彼氏じゃないの?」など様々な声が聞こえるが奏はそれを無視して続ける。
「あまりそういうことしちゃうとあとからどうなっても知らないよ、せ・ん・せ・い。」
「あなたが学院長が言っていた編入生ですね。それでいじめているつもりは全くなかったのですが一応聞いておきましょうか。どうなるんですか?」
すっとぼけたようにいうアレンに奏もいつものように微笑みながら答える。
「とりあえずその白髪がなくなります。要はハゲになるってことですね。それに場合によっては学院の先生としてここにいるのももしかしたらダメになるかもですね。」
今奏とアレンの間で火花が散っているのが誰から見ても明らかだ。
「僕にばかり時間を使っても無駄だし、次の人に回そうかな。」
そう言って奏は席に座った。
それからはみんな無難な普通の自己紹介をし終わった。
0
あなたにおすすめの小説
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる