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「話?」
俺は、不思議に思って首を傾げた。
バルガスは周りを気にするように、声を小さくする。
「ここで話すのもなんだ、場所を変えよう」
そう言うと、バルガスは俺の腕を掴んだ。
そして広場の隅にある、酒場へと引っ張っていった。
まだ昼間なのに、酒場の中は薄暗かった。
多くの客で、とても賑わっている。
そのほとんどが、バルガスのような体つきの冒険者や傭兵のようだ。
俺たちは、奥のテーブル席に座った。
バルガスは、エールという酒を二つ注文する。
「で、話ってなんだ」
俺が尋ねると、バルガスはジョッキを飲んでから口を開いた。
「ミナト、お前は用心棒を雇う気はないか」
「用心棒?」
予想外の言葉に、俺は目を丸くした。
「ああ、お前の作る燻製は美味すぎる。それに、昨日の活躍も町中の噂になってるぜ。川に落ちた子供を、船から生えた不思議な腕で助けたってな」
どうやら、昨日の救出はかなり目立ってしまったらしい。
「あの燻製と、不思議な力を持つ船。どちらも悪い奴らにとっては、すごく欲しいものだろう。お前さんは、このままだといつか襲われるぞ」
バルガスの言葉には、本当のことだと思わせる力があった。
確かに、俺の持つ「万能造船」の力は使い方によっては悪用もできる。
燻製も、これだけ儲かるとなれば作り方を狙う者が出てきてもおかしくない。
「それで、あんたが用心棒になってくれるって言うのか」
「話が早くて助かる、その通りだ」
バルガスは、にやりと笑った。
「俺は、元々はこの国の騎士だったんだ。だが、ちょっとしたことで国を追い出されてな。今はこうして、日雇いの傭兵でなんとか暮らしている」
「元騎士」
道理で、ただ者ではない雰囲気があるわけだ。
「だが、傭兵の仕事にも飽きていたところだ。そんな時にお前に出会った。お前の作る燻製は美味いし、人柄も気に入った。何より、お前の船は面白そうだ」
バルガスは、楽しそうに話す。
「どうだ、ミナト。俺を雇ってみる気はないか。腕は立つぞ、そこらの水賊くらいなら一人で片付けられる」
俺は、少しだけ考えた。
一人旅の気楽さは、なくなるかもしれない。
だが、バルガスがいれば間違いなく安全だろう。
それに、今はルナのこともある。
あの子を守るためにも、力は必要だ。
「わかった、あんたを雇おう。よろしく頼む、バルガス」
俺がそう言うと、バルガスは顔をくしゃくしゃにして笑った。
「おう、任せとけ。これで、美味い燻製が毎日食えるな」
どうやら、目的の半分はそっちのようだ。
俺たちはジョッキを打ち合わせ、契約成立を祝った。
「それで、報酬はどれくらい払えばいいんだ」
「そうだな、とりあえず寝床と三度の飯。それに、酒代を少しくれれば十分だ」
思ったより、安く済んでよかった。
これなら、今の俺でも十分に払える。
俺とバルガスは酒場を出て、リバーサイド号へと向かった。
新しい仲間が、一人増えた。
これからの船旅が、ますます楽しくなりそうだ。
船に戻ると、ルナが甲板に座っていた。
どうやら、俺の帰りを待っていたらしい。
俺の姿を見つけると、明るい顔で駆け寄ってきた。
「ミナト、おかえりなさい」
「ただいま、ルナ。いい子にしてたか」
「うん、あのね、お魚さんたちがミナトはもうすぐ帰ってくるって教えてくれたの」
ルナは、得意そうに胸を張る。
本当に、魚と話せるようだ。
「そいつはすごいな、なあルナ。紹介するよ、こいつはバルガス。今日から、俺たちの仲間だ」
俺がバルガスを紹介すると、ルナは俺の後ろに隠れてしまった。
その大きな体に、怖がっているのかもしれない。
「よ、よう、嬢ちゃん。俺はバルガスだ、よろしくな」
バルガスは戸惑いながらも、できるだけ優しい声で話しかける。
だが、ルナはなかなか顔を出そうとしない。
「ははは、嬢ちゃんには好かれないみたいだな」
バルガスは、苦笑いを浮かべた。
「まあ、そのうち慣れるさ。それよりバルガス、この船を見てもらうぞ」
俺は、バルガスを船に案内した。
「これが、お前の船か。思ったより、小さいんだな」
バルガスは、船室を覗き込んで感想を言う。
「ああ、今はな。だが、見てろよ」
俺は、再びスキルを発動させた。
まずは、この船を大きくする必要がある。
俺たち三人が、快適に暮らせるようにだ。
俺は頭の中に、新しいリバーサイド号の設計図を描く。
今の船体を土台にして、全長を三倍近くまで伸ばす。
そして三つの個室と、広い居間を作る。
それにバルガスが喜びそうな、本格的な台所も増やす。
必要な素材が、頭の中に表示された。
鉄は持っていないが、町で買えばいい。
木材と石材は、これまでの儲けで大量に買い込んでおいた。
「いくぞ」
俺が船体に手を触れると、船全体が強い光に包まれた。
そばで見ていたバルガスとルナが、驚いた声を上げる。
「うおっ、なんだこの光は」
「きゃっ」
光はすぐに、船の形を変えていく。
ぎしぎしと、木材が軋むような音がした。
船は、大きさをどんどん増していった。
やがて光が収まった時、目の前には設計図通りの船があった。
以前の面影は、どこにもない。
もはや小舟ではなく、立派な中型船と呼べるほどの大きさだ。
「おい、ミナト。これが、お前の言っていた不思議な船の正体か」
バルガスは驚いて、生まれ変わった船を見つめている。
ルナも、目を丸くして口をぽかんと開けていた。
「ああ、これが俺のスキル『万能造船』の力だ」
俺は、胸を張って言った。
「さあ、中を見てくれ。新しい俺たちの家だ」
俺たちは、生まれ変わったリバーサイド号に乗り込んだ。
甲板は、前よりもずっと広くなっている。
船の中に入ると、そこには快適そうな居間が広がっていた。
テーブルと椅子も、ちゃんと置かれている。
そして、奥には三つの扉があった。
それぞれが、俺たちの個室になる。
「す、すごいな、本当に家みたいだ」
バルガスは、何度も感心している。
俺は、一番奥の扉を開けた。
そこは、バルガスのための台所だ。
レンガ造りのかまどに調理台、食材を入れる棚まで揃っている。
「ここが、あんたの仕事場だ。どうだ、気に入ったか」
「気に入ったか、だと。最高だ、こんな立派な台所は王宮の料理人でも持ってないぞ」
バルガスは子供のように喜び、調理器具を一つ一つ手に取って確かめている。
料理が、本当に好きなのだろう。
ルナには、窓のついた明るい部屋を用意した。
中には、柔らかそうなベッドも置いてある。
「わあ、わたしの、お部屋」
ルナは信じられない様子で、部屋の中を見回している。
そしてベッドに飛び込むと、嬉しそうに何度も跳ねた。
二人とも、喜んでくれたようで何よりだ。
俺も自分の部屋に入り、ベッドに腰を下ろした。
これで、やっと硬い板の上で寝る生活から解放される。
「さてと、これからどうするか」
俺は居間で、新しい仲間たちと向き合った。
「まずは、この先の航路を決めないとな」
「その前に、商業ギルドに登録した方がいいんじゃないか」
バルガスが、提案する。
「商業ギルド?」
「ああ、商人たちの助け合いの組織だ。ギルドに登録すれば、色々な町の情報を手に入れたり商品を安全に取引したりできる。お前みたいに、自分の船で商売するなら登録しておいて損はない」
なるほど、それは良いことを聞いた。
情報は、何よりも重要だ。
「よし、じゃあ早速その商業ギルドに行ってみよう」
俺の言葉に、バルガスとルナは頷いた。
俺たちは三人で船を降り、町の中心部にあるという商業ギルドを目指す。
町の通りは、変わらず活気に満ちていた。
しかしバルガスが隣を歩くだけで、周りの人たちが道を開けていく。
用心棒としての効果は、かなりあるようだ。
しばらく歩くと、ひときわ大きな石造りの建物が見えてきた。
入り口には、天秤をかたどった印が掲げられている。
「ここが商業ギルドだ」
バルガスが、そう言った。
俺たちは、少し緊張しながら重い木の扉を開けた。
俺は、不思議に思って首を傾げた。
バルガスは周りを気にするように、声を小さくする。
「ここで話すのもなんだ、場所を変えよう」
そう言うと、バルガスは俺の腕を掴んだ。
そして広場の隅にある、酒場へと引っ張っていった。
まだ昼間なのに、酒場の中は薄暗かった。
多くの客で、とても賑わっている。
そのほとんどが、バルガスのような体つきの冒険者や傭兵のようだ。
俺たちは、奥のテーブル席に座った。
バルガスは、エールという酒を二つ注文する。
「で、話ってなんだ」
俺が尋ねると、バルガスはジョッキを飲んでから口を開いた。
「ミナト、お前は用心棒を雇う気はないか」
「用心棒?」
予想外の言葉に、俺は目を丸くした。
「ああ、お前の作る燻製は美味すぎる。それに、昨日の活躍も町中の噂になってるぜ。川に落ちた子供を、船から生えた不思議な腕で助けたってな」
どうやら、昨日の救出はかなり目立ってしまったらしい。
「あの燻製と、不思議な力を持つ船。どちらも悪い奴らにとっては、すごく欲しいものだろう。お前さんは、このままだといつか襲われるぞ」
バルガスの言葉には、本当のことだと思わせる力があった。
確かに、俺の持つ「万能造船」の力は使い方によっては悪用もできる。
燻製も、これだけ儲かるとなれば作り方を狙う者が出てきてもおかしくない。
「それで、あんたが用心棒になってくれるって言うのか」
「話が早くて助かる、その通りだ」
バルガスは、にやりと笑った。
「俺は、元々はこの国の騎士だったんだ。だが、ちょっとしたことで国を追い出されてな。今はこうして、日雇いの傭兵でなんとか暮らしている」
「元騎士」
道理で、ただ者ではない雰囲気があるわけだ。
「だが、傭兵の仕事にも飽きていたところだ。そんな時にお前に出会った。お前の作る燻製は美味いし、人柄も気に入った。何より、お前の船は面白そうだ」
バルガスは、楽しそうに話す。
「どうだ、ミナト。俺を雇ってみる気はないか。腕は立つぞ、そこらの水賊くらいなら一人で片付けられる」
俺は、少しだけ考えた。
一人旅の気楽さは、なくなるかもしれない。
だが、バルガスがいれば間違いなく安全だろう。
それに、今はルナのこともある。
あの子を守るためにも、力は必要だ。
「わかった、あんたを雇おう。よろしく頼む、バルガス」
俺がそう言うと、バルガスは顔をくしゃくしゃにして笑った。
「おう、任せとけ。これで、美味い燻製が毎日食えるな」
どうやら、目的の半分はそっちのようだ。
俺たちはジョッキを打ち合わせ、契約成立を祝った。
「それで、報酬はどれくらい払えばいいんだ」
「そうだな、とりあえず寝床と三度の飯。それに、酒代を少しくれれば十分だ」
思ったより、安く済んでよかった。
これなら、今の俺でも十分に払える。
俺とバルガスは酒場を出て、リバーサイド号へと向かった。
新しい仲間が、一人増えた。
これからの船旅が、ますます楽しくなりそうだ。
船に戻ると、ルナが甲板に座っていた。
どうやら、俺の帰りを待っていたらしい。
俺の姿を見つけると、明るい顔で駆け寄ってきた。
「ミナト、おかえりなさい」
「ただいま、ルナ。いい子にしてたか」
「うん、あのね、お魚さんたちがミナトはもうすぐ帰ってくるって教えてくれたの」
ルナは、得意そうに胸を張る。
本当に、魚と話せるようだ。
「そいつはすごいな、なあルナ。紹介するよ、こいつはバルガス。今日から、俺たちの仲間だ」
俺がバルガスを紹介すると、ルナは俺の後ろに隠れてしまった。
その大きな体に、怖がっているのかもしれない。
「よ、よう、嬢ちゃん。俺はバルガスだ、よろしくな」
バルガスは戸惑いながらも、できるだけ優しい声で話しかける。
だが、ルナはなかなか顔を出そうとしない。
「ははは、嬢ちゃんには好かれないみたいだな」
バルガスは、苦笑いを浮かべた。
「まあ、そのうち慣れるさ。それよりバルガス、この船を見てもらうぞ」
俺は、バルガスを船に案内した。
「これが、お前の船か。思ったより、小さいんだな」
バルガスは、船室を覗き込んで感想を言う。
「ああ、今はな。だが、見てろよ」
俺は、再びスキルを発動させた。
まずは、この船を大きくする必要がある。
俺たち三人が、快適に暮らせるようにだ。
俺は頭の中に、新しいリバーサイド号の設計図を描く。
今の船体を土台にして、全長を三倍近くまで伸ばす。
そして三つの個室と、広い居間を作る。
それにバルガスが喜びそうな、本格的な台所も増やす。
必要な素材が、頭の中に表示された。
鉄は持っていないが、町で買えばいい。
木材と石材は、これまでの儲けで大量に買い込んでおいた。
「いくぞ」
俺が船体に手を触れると、船全体が強い光に包まれた。
そばで見ていたバルガスとルナが、驚いた声を上げる。
「うおっ、なんだこの光は」
「きゃっ」
光はすぐに、船の形を変えていく。
ぎしぎしと、木材が軋むような音がした。
船は、大きさをどんどん増していった。
やがて光が収まった時、目の前には設計図通りの船があった。
以前の面影は、どこにもない。
もはや小舟ではなく、立派な中型船と呼べるほどの大きさだ。
「おい、ミナト。これが、お前の言っていた不思議な船の正体か」
バルガスは驚いて、生まれ変わった船を見つめている。
ルナも、目を丸くして口をぽかんと開けていた。
「ああ、これが俺のスキル『万能造船』の力だ」
俺は、胸を張って言った。
「さあ、中を見てくれ。新しい俺たちの家だ」
俺たちは、生まれ変わったリバーサイド号に乗り込んだ。
甲板は、前よりもずっと広くなっている。
船の中に入ると、そこには快適そうな居間が広がっていた。
テーブルと椅子も、ちゃんと置かれている。
そして、奥には三つの扉があった。
それぞれが、俺たちの個室になる。
「す、すごいな、本当に家みたいだ」
バルガスは、何度も感心している。
俺は、一番奥の扉を開けた。
そこは、バルガスのための台所だ。
レンガ造りのかまどに調理台、食材を入れる棚まで揃っている。
「ここが、あんたの仕事場だ。どうだ、気に入ったか」
「気に入ったか、だと。最高だ、こんな立派な台所は王宮の料理人でも持ってないぞ」
バルガスは子供のように喜び、調理器具を一つ一つ手に取って確かめている。
料理が、本当に好きなのだろう。
ルナには、窓のついた明るい部屋を用意した。
中には、柔らかそうなベッドも置いてある。
「わあ、わたしの、お部屋」
ルナは信じられない様子で、部屋の中を見回している。
そしてベッドに飛び込むと、嬉しそうに何度も跳ねた。
二人とも、喜んでくれたようで何よりだ。
俺も自分の部屋に入り、ベッドに腰を下ろした。
これで、やっと硬い板の上で寝る生活から解放される。
「さてと、これからどうするか」
俺は居間で、新しい仲間たちと向き合った。
「まずは、この先の航路を決めないとな」
「その前に、商業ギルドに登録した方がいいんじゃないか」
バルガスが、提案する。
「商業ギルド?」
「ああ、商人たちの助け合いの組織だ。ギルドに登録すれば、色々な町の情報を手に入れたり商品を安全に取引したりできる。お前みたいに、自分の船で商売するなら登録しておいて損はない」
なるほど、それは良いことを聞いた。
情報は、何よりも重要だ。
「よし、じゃあ早速その商業ギルドに行ってみよう」
俺の言葉に、バルガスとルナは頷いた。
俺たちは三人で船を降り、町の中心部にあるという商業ギルドを目指す。
町の通りは、変わらず活気に満ちていた。
しかしバルガスが隣を歩くだけで、周りの人たちが道を開けていく。
用心棒としての効果は、かなりあるようだ。
しばらく歩くと、ひときわ大きな石造りの建物が見えてきた。
入り口には、天秤をかたどった印が掲げられている。
「ここが商業ギルドだ」
バルガスが、そう言った。
俺たちは、少し緊張しながら重い木の扉を開けた。
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