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第1章 おじさんと異世界の人々
第2話
小屋の中を一通り片付けた俺は、外に出て、林をぐるりと見渡した。
「……やっぱり、自分で作ったほうがいいな」
万能生成スキルでコーヒーも煙草も作れるのは分かっている。だが、あれは完成品をぽんと出すだけだ。せっかくなら、素材から育てたほうが、きっと美味くなる──そんな気がした。
俺はまず、畑を作ることにした。
場所は、小屋のすぐ脇。木々を数本、ナイフでざくりと切り倒し、広場を確保する。万能生成スキルで、土を肥沃に改良して、石ころを取り除き、うねを作る。やってみると、意外に楽しかった。
「……コーヒー用の畑と、煙草用の畑、両方いるな」
独り言を呟きながら、さらに隣にもう一枚、畑をこしらえる。 万能生成スキルでコーヒーの種と煙草の種も作った。種を手に乗せると、温かい手触りがした。こいつらを育てて、自分だけの珈琲と煙草を作る──それが、今の俺の小さな目標だった。
種をまくと、信じられないほどの勢いで芽が出た。
「はえぇな、おい……」
驚きつつも、心のどこかでは納得していた。万能生成スキルには、「育成促進」の効果もある。植物に使えば、あっという間に成長するだろうと。
◇
数時間後。
そこには、青々と茂ったコーヒーの木と、立派に育った煙草の葉が、風に揺れていた。
「ふっ……チートってのは、こういうもんか」
思わず苦笑いが漏れる。 だが、これで終わりじゃない。コーヒー豆を焙煎し、挽き、淹れるための道具がいる。煙草だって、葉を乾燥させて加工しなきゃならない。
俺は、万能生成スキルを使って必要な道具を作り出した。
まずは、焙煎用の小型ドラムと、手挽きミル。それから、コーヒーポットと、フィルター。煙草用には、乾燥棚と、葉を圧縮するためのプレス器まで用意した。
すべて、俺の知識と経験、そして好みに合わせて作った特注品だ。
「──よし、試してみるか」
コーヒーの赤く熟した実を摘み、果肉を剥ぎ、種子を取り出す。それを洗って乾燥させ、焙煎する。小さなドラムの中で、豆がかすかに跳ねる音が心地いい。
煙草の葉も、丁寧に乾かして、手で揉み、程よい加減に仕上げる。
この作業が、たまらなく楽しかった。誰に急かされるわけでもない。ノルマもない。好きなだけ、自分のペースでやれる。
焙煎が終わった豆を、手挽きミルでごりごりと挽き、湯を注ぐ。
漂ってきた香りに、俺は思わず目を細めた。
「……すげえな」
芳醇という言葉が、ぴったりだった。
煙草も、細かく刻んで紙に巻き、火をつけてみる。吸い込んだ煙が、肺を通り、脳までじんわりと染みわたる。
「……これ、マジでやべえぞ」
チートスキルで完成品をそのまま出したときより、はるかに深い味わいだった。
豆一粒、葉一枚、すべてが生きている。そう感じた。
「やっぱ、手間かけたほうが、美味いんだな」
誰に聞かせるでもなく呟くと、胸の奥がじんわりと温かくなった。
◇
コーヒーカップを片手に、小屋の前の丸太に腰掛け、煙草をくゆらせる。
この世界に来て、初めて、心から「生きてる」と思えた瞬間だった。
「……やっぱり、自分で作ったほうがいいな」
万能生成スキルでコーヒーも煙草も作れるのは分かっている。だが、あれは完成品をぽんと出すだけだ。せっかくなら、素材から育てたほうが、きっと美味くなる──そんな気がした。
俺はまず、畑を作ることにした。
場所は、小屋のすぐ脇。木々を数本、ナイフでざくりと切り倒し、広場を確保する。万能生成スキルで、土を肥沃に改良して、石ころを取り除き、うねを作る。やってみると、意外に楽しかった。
「……コーヒー用の畑と、煙草用の畑、両方いるな」
独り言を呟きながら、さらに隣にもう一枚、畑をこしらえる。 万能生成スキルでコーヒーの種と煙草の種も作った。種を手に乗せると、温かい手触りがした。こいつらを育てて、自分だけの珈琲と煙草を作る──それが、今の俺の小さな目標だった。
種をまくと、信じられないほどの勢いで芽が出た。
「はえぇな、おい……」
驚きつつも、心のどこかでは納得していた。万能生成スキルには、「育成促進」の効果もある。植物に使えば、あっという間に成長するだろうと。
◇
数時間後。
そこには、青々と茂ったコーヒーの木と、立派に育った煙草の葉が、風に揺れていた。
「ふっ……チートってのは、こういうもんか」
思わず苦笑いが漏れる。 だが、これで終わりじゃない。コーヒー豆を焙煎し、挽き、淹れるための道具がいる。煙草だって、葉を乾燥させて加工しなきゃならない。
俺は、万能生成スキルを使って必要な道具を作り出した。
まずは、焙煎用の小型ドラムと、手挽きミル。それから、コーヒーポットと、フィルター。煙草用には、乾燥棚と、葉を圧縮するためのプレス器まで用意した。
すべて、俺の知識と経験、そして好みに合わせて作った特注品だ。
「──よし、試してみるか」
コーヒーの赤く熟した実を摘み、果肉を剥ぎ、種子を取り出す。それを洗って乾燥させ、焙煎する。小さなドラムの中で、豆がかすかに跳ねる音が心地いい。
煙草の葉も、丁寧に乾かして、手で揉み、程よい加減に仕上げる。
この作業が、たまらなく楽しかった。誰に急かされるわけでもない。ノルマもない。好きなだけ、自分のペースでやれる。
焙煎が終わった豆を、手挽きミルでごりごりと挽き、湯を注ぐ。
漂ってきた香りに、俺は思わず目を細めた。
「……すげえな」
芳醇という言葉が、ぴったりだった。
煙草も、細かく刻んで紙に巻き、火をつけてみる。吸い込んだ煙が、肺を通り、脳までじんわりと染みわたる。
「……これ、マジでやべえぞ」
チートスキルで完成品をそのまま出したときより、はるかに深い味わいだった。
豆一粒、葉一枚、すべてが生きている。そう感じた。
「やっぱ、手間かけたほうが、美味いんだな」
誰に聞かせるでもなく呟くと、胸の奥がじんわりと温かくなった。
◇
コーヒーカップを片手に、小屋の前の丸太に腰掛け、煙草をくゆらせる。
この世界に来て、初めて、心から「生きてる」と思えた瞬間だった。
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