独身おじさんの異世界おひとりさまライフ〜金や評価は要りません。コーヒーとタバコ、そして本があれば最高です〜

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第9章 おじさんとブッシュクラフト

第126話

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朝、目を覚ますとまだ霧がかかっていた。いつもより少し肌寒く、少しだけ布団を引き寄せる。空気はひんやりしていて、森の中の静けさに包まれている。目を開けたまましばらくそのままでいると、あまりにも静かで、森の音が自分の鼓動と同じように感じられる。

「さて、どうしようか」

コーヒーを淹れるのが習慣になっているから、すぐに火を起こして朝の準備を始める。簡単に木の枝を集め、ナイフで削りながら、朝の焚き火を作る。最初は小さな火だったが、すぐにその火は大きくなり、暖かさが広がっていく。

「これで、今日も始まりだ」

煙草を取り出し、焚き火の前でくゆらせる。煙がふわりと上がるのを見ながら、コーヒーを淹れる。その香りを楽しみながら、しばらくただ静かに煙草を吸い、頭を整理する。普段の生活では考えなかったことが、ここでは自然に頭に浮かぶ。

生活がどんどんとシンプルになっていくことが、心地よく感じられる。何も急ぐことなく、ただひたすらに、自分のペースで進んでいけばいい。それだけで十分だと感じるのだ。

食事の準備も、少しずつ上達してきた。昨日は魚を焼き、今日は簡単に採取した野草と一緒に料理を作る。水を汲みに行くのも、最初は面倒だったが、今ではそれも一つの楽しみになってきた。

食料を自分の手で得ることがこんなにも楽しいとは、思わなかった。無駄なく使うことの大切さも、自然の中で生きることで身についた気がする。もったいないと思えば、どんな小さなものも無駄にしないように心がける。自然の中で、余計なものは一切ない。だからこそ、一つ一つの収穫に感謝して使うことが、心から大切だと思える。

その日もまた、気持ちよく空気を吸い込みながら、森を歩く。鳥のさえずりが心地よく耳に届き、風が木々の間を吹き抜けていく音が心を落ち着けてくれる。時折、木の葉が風に揺れる音が、まるで小さな音楽のように聞こえる。自然のリズムに合わせて、俺も少しずつ自分のペースを作り上げていく。

「いいな、この感じ」

歩きながら、ふとそんなことを考える。普段、都会の喧騒の中で生活していたときには、こんなにも静かな時間がどれほど贅沢なものか、気づくことはなかった。

焚き火の前で座り、煙草を吸いながら過ごす時間が、こんなにも充実していることに気づく。コーヒーを淹れ、煙草をくゆらせる。この何でもない時間が、俺にとって一番の幸せだと思える。

そのまましばらく、焚き火の周りでボーッと過ごす。自然の中では、何もかもが流れていく。急ぐ必要もないし、誰かに合わせる必要もない。自分だけの時間が、こんなにも大切だとは思わなかった。

「もう少しだけ、ここでゆっくりしよう」

その言葉が自然と口をついて出る。何もかもが穏やかで、ここにいることが心地よい。自然に包まれたこの場所で、今後のことを考えながら過ごす時間が、俺にとっての最高の贅沢だと感じる。

日が暮れかけてきた頃、火の周りに座りながら本を開く。あまりにも静かな夜だから、頭の中で本の内容がすっと入ってくる。それは、都会の喧騒では感じられなかった、静かな集中力だ。

ページをめくりながら、ふと外を見ると、星がきれいに輝き始めている。あの星々を見上げると、何か心が軽くなるような気がする。自分のペースで過ごす時間が、こんなにも幸せだと感じる。

本を閉じ、煙草を取り出してもう一服。その煙がふわりと空に消えていくのを見ていると、ふとこれから先のことを考えてしまう。

「次は、もっと色々なことを学ぼうかな」

自然の中での生活が、日に日に楽しくなっていく。自分のペースで、何も急ぐことなく、少しずつ学んでいくことができるのが、今の俺にとっては最高の贅沢だ。

その夜、寝袋に包まれ、火を見つめながら眠りに落ちていく。明日もまた、何か新しい発見が待っているような気がする。自分のペースで、次の日もまた過ごしていこう。
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