サハギンに転生した俺、最弱から進化して海の覇王になりました

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第48話

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俺は敵を喰い尽くしながら、さらに奥へと進んだ。
感知スキルが告げる。まだだ。まだ終わりじゃない。
もっと奥に、さらに濃い敵意が渦巻いている。

「バケモノが来る……」

「どうすればいい……」

「止めなきゃ、止めなきゃいけないのに……!」

(無理だ)

小さな声が、遠くで震えている。
海中に響くその声に耳を傾ける暇もなく、俺は次の獲物へと突き進んだ。

「来たぞ!」

「迎え撃て!」

「今度こそ……今度こそ!!」

(何度でも来い)

俺の牙は止まらない。
水流を操り、敵の隊列を崩しながら、真っ直ぐに心臓を狙った。

「やらせるかああああ!」

「止めろ、絶対に通すな!」

「命を懸けろおおおお!」

小型から中型、そして大型モンスターまでが入り乱れて俺に襲いかかる。

だが、すべてが遅い。

「動きが……!」

「見切られてる……!」

「なんて速さだ……!」

(見切れるのが当然だ)

水流支配、高速遊泳、感知、捕食本能。
俺はすべてをフルに使い、敵の動きを読み、先に叩き潰す。

一撃。

また一撃。

「ぎゃあああ!」

「ぐあっ……!」

「助けて……!」

容赦なく牙を突き立て、肉を裂き、骨を砕く。

「まだだ!」

「諦めるなあああああ!!」

「誇りを守れえええええ!!」

その叫びも、俺には無意味だった。

渦潮掌握で水を捻じ曲げ、逃げ場をなくす。

「くそっ……!」

「逃げられない……!」

「もう、だめだ……!」

絶望が海中に満ちていく。

俺はその絶望すらも力に変えながら、喰らい続けた。

「やめろおおおおお!!」

「うわあああああああ!!」

「いやだ……死にたくない……!」

(生き残るのは俺だけだ)

無駄な叫びを背に、俺はさらに加速した。
牙を突き立て、爪を振るい、水流を操り、絶対的な力で押し潰す。

「止まらない……!」

「誰か……誰か助けて……!」

「もう……無理だ……!」

(無理だ)

何度も同じ言葉を聞きながら、俺は飽くことなく喰らい尽くした。

「こんな……!」

「どうして……!」

「こんなバケモノが……!」

俺の存在自体が、彼らにとっては災厄だろう。

だが、それがどうした。

世界は強い者のものだ。

強者だけが生き、強者だけが支配する。

(当然だ)

すべてを飲み込み、すべてを喰らい、俺はさらに奥へと進んだ。

海の奥へ進むにつれて、敵意の質が変わっていくのを感じた。
雑魚どもとは違う。
明確に俺を殺すためだけに鍛え上げられたような、そんな純粋な殺意。

「来るぞ……!」

「構えろ、全力で叩き潰せ!」

「今度こそ……今度こそ!!」

(何度来ても同じだ)

感知スキルが捉えた。
敵は十数体。
どれも手練れだ。

「囲め、逃がすな!」

「一斉に叩き込め!」

「こいつを海の藻屑にしてやれ!」

四方八方から放たれる水刃と突撃。
空間を埋め尽くすような攻撃の嵐。

(上等だ)

俺は水流支配を最大展開し、すべての軌道を狂わせた。

「なっ……!」

「避けやがった!?」

「そんな……バカな!!」

敵の動揺を尻目に、俺は瞬時に最も脆い個体を狙った。
一撃で、喉を掻き切る。

「ぎゃあああ!!」

「リオン!!」

「許さねええええええ!!」

怒りに燃える叫びが聞こえたが、そんなもの、俺には何の意味もない。

牙を剥き、さらに次を仕留める。

「くそっ、動きが読めない!」

「押し切れ、押し切るんだ!!」

「奴だって無敵じゃないはずだ!」

(なら試してみろ)

俺は高速遊泳で一気に距離を詰め、渦潮掌握で流れを乱す。
敵のバランスが崩れた瞬間、牙を突き立てた。

「ぐはっ……!」

「があああああ!!」

「何なんだこいつは……!」

攻撃は止まらない。
敵は数を頼みに押し寄せてくる。

だが、群れたところで弱者は弱者だ。

「囲め囲め囲め!!」

「押しつぶせ!!」

「全力だ、今しかない!!」

敵の指揮官らしき個体が叫ぶ。

だが、その必死な指示も無駄に終わる。

俺は感知スキルで攻撃の波を先読みし、必要最低限の動きでかわし続けた。

「なぜだ!」

「なぜ当たらないんだ!!」

「これだけの攻撃を……!」

(読めている)

絶望と困惑が広がる中、俺は次々と敵を叩き潰していった。

「がああああ!」

「助けて……!」

「まだだ、まだ負けるなああああ!!」

声が必死に鳴り響く。

だが、それだけだ。

もう勝負は決していた。

一体、また一体と沈んでいく。

「やめろおおおお!!」

「逃げろ! 今すぐ逃げろ!!」

「無理だ……勝てるわけがない……!」

そうして戦意が崩壊したとき、俺は最後に残った指揮官へと向かっていった。

「き、来るな……!」

「やめろ……やめてくれええええ!!」

(喰らう)

逃げる間もなく、俺は牙を突き立て、喉を引き裂いた。

指揮官の絶叫が、海に響き渡った。

【経験値を大量に獲得しました】
【筋力がさらに上昇しました】
【敏捷がさらに上昇しました】
【耐久がさらに上昇しました】

全てを喰らい尽くし、俺はさらに深く、さらに遠くへと進んだ。
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