31 / 72
第31話
しおりを挟む
「香りの間」を終えてからというもの、わたくしの小屋には、以前にも増して様々な方が訪れるようになりましたの。
村の方々はもちろんのこと、時には近隣の村からも、噂を頼りに足を運んでくださる方もいらっしゃるほどでございます。
皆さま、わたくしの淹れる一杯のお茶に、それぞれの癒しや安らぎを見出してくださっているご様子。
そのお顔を拝見するたび、わたくしの胸にも温かな灯がともるようでございます。
けれど、わたくし自身は、浮き足立つこともなく、日々の営みを静かに続けておりました。
朝は香草園の手入れをし、露に濡れたハーブたちの声に耳を澄ませ、昼は採取した薬草を乾燥させたり、新しい調合のための記録を帳面に綴ったり。
特に、あの源流で出会いました“水鏡草”や、ライナスさまのために生み出した“静寂の雫”、そしてマルセルさんの鍛冶場を清めたハーブの組み合わせなどは、わたくしの中で大きなテーマとなり、さらなる探求心をかき立てておりましたの。
「極上調合」のスキルは、わたくしの意識が深まれば深まるほど、応えるようにその可能性の片鱗を見せてくれるような気がいたします。
その日も、わたくしは小屋の中で、先日源流から持ち帰った水を使い、いくつかの新しい試作に取り組んでおりました。
“水鏡草”だけでなく、湖畔に自生する名も知らぬ小さな白い花や、朝霧を吸った苔などを少量ずつ加え、それぞれの素材が持つ微細な気配を、いかに損なわずに調和させるか……。
それはまるで、見えざる糸を紡ぐような、繊細で集中力を要する作業でございます。
ふと、窓の外に人の気配を感じ、顔を上げました。
これまでわたくしの小屋を訪れる方々とは少し異なる、どこか知的な、そして遠方からの旅人特有の空気を纏った方が、静かにこちらへ近づいてくるのが見えましたの。
その方は年の頃五十代ほどでしょうか。上品な濃灰色の外套を身にまとい、背には革製の大きな書物鞄を背負い、手には一本の杖を持っておられました。
その歩き方や佇まいには、学者のような、あるいは古い書物を扱う司書のような、落ち着きと深い教養が感じられます。
やがて、その方は小屋の扉の前で立ち止まり、わたくしの存在に気づくと、穏やかな目で軽く会釈をなさいました。
そして、静かに、しかしはっきりとした声でこうおっしゃいましたの。
「もし、こちらが“湖畔の香草師”アナスタシアさまのお住まいでございましたら、少々お話を伺わせてはいただけませんでしょうか」
その呼び名に、わたくしは少しばかり驚きましたけれど、すぐに平静を取り戻し、扉を開けました。
「わたくしがアナスタシアでございます。どうぞ、お入りくださいまし。旅の途中でお疲れでしょう」
男性は丁寧にお辞儀をされ、静かに小屋の中へと足を踏み入れました。
その鋭い観察眼は、棚に並ぶ無数の香草瓶や、壁に吊るされたドライハーブ、そしてわたくしの手元にある調合道具のひとつひとつを、興味深そうに、しかし決して無遠慮ではない仕方で見つめておりましたわ。
「わたくしは、王都の西にございます学術都市アトリウムより参りました、エリアス・ヴァーンと申します。薬草学と、古今の調合術について研究をしております者でございます」
「まあ、アトリウムの学士さまでいらっしゃいましたか。そのような方が、このような辺境の小屋に何の御用でございましょう」
わたくしがそう尋ねますと、エリアスさまは少しばかり居住まいを正し、真摯な眼差しでわたくしを見つめました。
「アナスタシアさま。あなたの調合に関する噂は、遠くアトリウムの我々の耳にも、風の便りとして届いておりますのじゃ。病を癒し、呪いを祓い、人の心を深く慰めるという、類稀なるお力をお持ちであると……」
「それは少々、話に尾ひれがついているようでございますわ。わたくしはただ、ハーブと紅茶を愛し、訪れる方々に一杯のお茶をお出ししているに過ぎませんもの」
「ご謙遜なさいますな。わたくしは、その“一杯のお茶”にこそ、失われた古代の知恵や、自然との深遠なる対話の術が隠されているのではないかと、そう考えておりますのじゃ。そして、もし叶うことならば……アナスタシアさまのその知識と技術、そして“香り”に対する哲学を、記録し、研究させていただきたい。それが、わたくしのここへ参りました目的でございます」
記録と研究、でございますか。
それは、これまでわたくしが経験したことのない申し出でございました。
多くの方は癒しや安らぎを求めてこの小屋を訪れますけれど、わたくしの技術そのものに学術的な関心を寄せてくださる方がいらっしゃるとは……。
少しばかり戸惑いを覚えましたが、エリアスさまの瞳には、純粋な探求心と、失われゆく知恵への敬意のようなものが宿っており、邪なものは感じられませんでした。
「……わたくしの拙い経験が、エリアスさまのような学士さまのお役に立てるかは分かりませんけれど、お話しすることに異存はございませんわ。まずは、旅のお疲れを癒す一杯を淹れさせていただけますかしら。お茶を共にしながらでしたら、言葉も自然と紡がれるやもしれません」
「おお、それはありがたい。ぜひ、アナスタシアさまの調合を、この目と舌で体験させていただきたい」
わたくしは、エリアスさまのために、どのようなお茶が良いかしらと考えました。
長旅の疲れを癒し、同時に知的な探求心を刺激するような……それでいて、わたくしの調合の基本となる考え方を感じていただけるような一杯。
村の方々はもちろんのこと、時には近隣の村からも、噂を頼りに足を運んでくださる方もいらっしゃるほどでございます。
皆さま、わたくしの淹れる一杯のお茶に、それぞれの癒しや安らぎを見出してくださっているご様子。
そのお顔を拝見するたび、わたくしの胸にも温かな灯がともるようでございます。
けれど、わたくし自身は、浮き足立つこともなく、日々の営みを静かに続けておりました。
朝は香草園の手入れをし、露に濡れたハーブたちの声に耳を澄ませ、昼は採取した薬草を乾燥させたり、新しい調合のための記録を帳面に綴ったり。
特に、あの源流で出会いました“水鏡草”や、ライナスさまのために生み出した“静寂の雫”、そしてマルセルさんの鍛冶場を清めたハーブの組み合わせなどは、わたくしの中で大きなテーマとなり、さらなる探求心をかき立てておりましたの。
「極上調合」のスキルは、わたくしの意識が深まれば深まるほど、応えるようにその可能性の片鱗を見せてくれるような気がいたします。
その日も、わたくしは小屋の中で、先日源流から持ち帰った水を使い、いくつかの新しい試作に取り組んでおりました。
“水鏡草”だけでなく、湖畔に自生する名も知らぬ小さな白い花や、朝霧を吸った苔などを少量ずつ加え、それぞれの素材が持つ微細な気配を、いかに損なわずに調和させるか……。
それはまるで、見えざる糸を紡ぐような、繊細で集中力を要する作業でございます。
ふと、窓の外に人の気配を感じ、顔を上げました。
これまでわたくしの小屋を訪れる方々とは少し異なる、どこか知的な、そして遠方からの旅人特有の空気を纏った方が、静かにこちらへ近づいてくるのが見えましたの。
その方は年の頃五十代ほどでしょうか。上品な濃灰色の外套を身にまとい、背には革製の大きな書物鞄を背負い、手には一本の杖を持っておられました。
その歩き方や佇まいには、学者のような、あるいは古い書物を扱う司書のような、落ち着きと深い教養が感じられます。
やがて、その方は小屋の扉の前で立ち止まり、わたくしの存在に気づくと、穏やかな目で軽く会釈をなさいました。
そして、静かに、しかしはっきりとした声でこうおっしゃいましたの。
「もし、こちらが“湖畔の香草師”アナスタシアさまのお住まいでございましたら、少々お話を伺わせてはいただけませんでしょうか」
その呼び名に、わたくしは少しばかり驚きましたけれど、すぐに平静を取り戻し、扉を開けました。
「わたくしがアナスタシアでございます。どうぞ、お入りくださいまし。旅の途中でお疲れでしょう」
男性は丁寧にお辞儀をされ、静かに小屋の中へと足を踏み入れました。
その鋭い観察眼は、棚に並ぶ無数の香草瓶や、壁に吊るされたドライハーブ、そしてわたくしの手元にある調合道具のひとつひとつを、興味深そうに、しかし決して無遠慮ではない仕方で見つめておりましたわ。
「わたくしは、王都の西にございます学術都市アトリウムより参りました、エリアス・ヴァーンと申します。薬草学と、古今の調合術について研究をしております者でございます」
「まあ、アトリウムの学士さまでいらっしゃいましたか。そのような方が、このような辺境の小屋に何の御用でございましょう」
わたくしがそう尋ねますと、エリアスさまは少しばかり居住まいを正し、真摯な眼差しでわたくしを見つめました。
「アナスタシアさま。あなたの調合に関する噂は、遠くアトリウムの我々の耳にも、風の便りとして届いておりますのじゃ。病を癒し、呪いを祓い、人の心を深く慰めるという、類稀なるお力をお持ちであると……」
「それは少々、話に尾ひれがついているようでございますわ。わたくしはただ、ハーブと紅茶を愛し、訪れる方々に一杯のお茶をお出ししているに過ぎませんもの」
「ご謙遜なさいますな。わたくしは、その“一杯のお茶”にこそ、失われた古代の知恵や、自然との深遠なる対話の術が隠されているのではないかと、そう考えておりますのじゃ。そして、もし叶うことならば……アナスタシアさまのその知識と技術、そして“香り”に対する哲学を、記録し、研究させていただきたい。それが、わたくしのここへ参りました目的でございます」
記録と研究、でございますか。
それは、これまでわたくしが経験したことのない申し出でございました。
多くの方は癒しや安らぎを求めてこの小屋を訪れますけれど、わたくしの技術そのものに学術的な関心を寄せてくださる方がいらっしゃるとは……。
少しばかり戸惑いを覚えましたが、エリアスさまの瞳には、純粋な探求心と、失われゆく知恵への敬意のようなものが宿っており、邪なものは感じられませんでした。
「……わたくしの拙い経験が、エリアスさまのような学士さまのお役に立てるかは分かりませんけれど、お話しすることに異存はございませんわ。まずは、旅のお疲れを癒す一杯を淹れさせていただけますかしら。お茶を共にしながらでしたら、言葉も自然と紡がれるやもしれません」
「おお、それはありがたい。ぜひ、アナスタシアさまの調合を、この目と舌で体験させていただきたい」
わたくしは、エリアスさまのために、どのようなお茶が良いかしらと考えました。
長旅の疲れを癒し、同時に知的な探求心を刺激するような……それでいて、わたくしの調合の基本となる考え方を感じていただけるような一杯。
86
あなたにおすすめの小説
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
追放したんでしょ?楽しく暮らしてるのでほっといて
だましだまし
ファンタジー
私たちの未来の王子妃を影なり日向なりと支える為に存在している。
敬愛する侯爵令嬢ディボラ様の為に切磋琢磨し、鼓舞し合い、己を磨いてきた。
決して追放に備えていた訳では無いのよ?
【完結】特別な力で国を守っていた〈防国姫〉の私、愚王と愚妹に王宮追放されたのでスパダリ従者と旅に出ます。一方で愚王と愚妹は破滅する模様
ともボン
ファンタジー
◎第17回ファンタジー小説大賞に応募しています。投票していただけると嬉しいです
【あらすじ】
カスケード王国には魔力水晶石と呼ばれる特殊な鉱物が国中に存在しており、その魔力水晶石に特別な魔力を流すことで〈魔素〉による疫病などを防いでいた特別な聖女がいた。
聖女の名前はアメリア・フィンドラル。
国民から〈防国姫〉と呼ばれて尊敬されていた、フィンドラル男爵家の長女としてこの世に生を受けた凛々しい女性だった。
「アメリア・フィンドラル、ちょうどいい機会だからここでお前との婚約を破棄する! いいか、これは現国王である僕ことアントン・カスケードがずっと前から決めていたことだ! だから異議は認めない!」
そんなアメリアは婚約者だった若き国王――アントン・カスケードに公衆の面前で一方的に婚約破棄されてしまう。
婚約破棄された理由は、アメリアの妹であったミーシャの策略だった。
ミーシャはアメリアと同じ〈防国姫〉になれる特別な魔力を発現させたことで、アントンを口説き落としてアメリアとの婚約を破棄させてしまう。
そしてミーシャに骨抜きにされたアントンは、アメリアに王宮からの追放処分を言い渡した。
これにはアメリアもすっかり呆れ、無駄な言い訳をせずに大人しく王宮から出て行った。
やがてアメリアは天才騎士と呼ばれていたリヒト・ジークウォルトを連れて〈放浪医師〉となることを決意する。
〈防国姫〉の任を解かれても、国民たちを守るために自分が持つ医術の知識を活かそうと考えたのだ。
一方、本物の知識と実力を持っていたアメリアを王宮から追放したことで、主核の魔力水晶石が致命的な誤作動を起こしてカスケード王国は未曽有の大災害に陥ってしまう。
普通の女性ならば「私と婚約破棄して王宮から追放した報いよ。ざまあ」と喜ぶだろう。
だが、誰よりも優しい心と気高い信念を持っていたアメリアは違った。
カスケード王国全土を襲った未曽有の大災害を鎮めるべく、すべての原因だったミーシャとアントンのいる王宮に、アメリアはリヒトを始めとして旅先で出会った弟子の少女や伝説の魔獣フェンリルと向かう。
些細な恨みよりも、〈防国姫〉と呼ばれた聖女の力で国を救うために――。
大自然を司る聖女、王宮を見捨て辺境で楽しく生きていく!
向原 行人
ファンタジー
旧題:聖女なのに婚約破棄した上に辺境へ追放? ショックで前世を思い出し、魔法で電化製品を再現出来るようになって快適なので、もう戻りません。
土の聖女と呼ばれる土魔法を極めた私、セシリアは婚約者である第二王子から婚約破棄を言い渡された上に、王宮を追放されて辺境の地へ飛ばされてしまった。
とりあえず、辺境の地でも何とか生きていくしかないと思った物の、着いた先は家どころか人すら居ない場所だった。
こんな所でどうすれば良いのと、ショックで頭が真っ白になった瞬間、突然前世の――日本の某家電量販店の販売員として働いていた記憶が蘇る。
土魔法で家や畑を作り、具現化魔法で家電製品を再現し……あれ? 王宮暮らしより遥かに快適なんですけど!
一方、王宮での私がしていた仕事を出来る者が居ないらしく、戻って来いと言われるけど、モフモフな動物さんたちと一緒に快適で幸せに暮らして居るので、お断りします。
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
【完結】西の辺境伯令嬢は、東の辺境伯へと嫁ぐ
まりぃべる
ファンタジー
リューリ=オークランスは十七歳になる西の辺境伯の娘。小さな体つきで見た目は大層可憐であるが、幼い頃より剣を振り回し馬を乗り回していたお転婆令嬢だ。
社交場にはほとんど参加しないリューリだが一目見た者は儚い見た目に騙され、見ていない者も噂で聞く少女の見た目に婚約したいと願う者も数多くいるが、少女はしかし十七歳になっても婚約者はいなかった。
そんなリューリが、ある事から東の辺境伯に嫁ぎ、幸せになるそんなお話。
☆まりぃべるの世界観です。現実世界でも同じような名前、地名、単語などがありますが関係ありません。
☆現実世界とは似ていますが、異なる世界です。現実ではそんな事起こる?って事も、この世界では現象として起こる場面があります。ファンタジーです。それをご承知の上、楽しんでいただけると幸いです。
☆投稿は毎日する予定です。
☆間違えまして、感想の中にネタバレがあります…感想から読む方はお気をつけ下さい。
妹が聖女に選ばれました。姉が闇魔法使いだと周囲に知られない方が良いと思って家を出たのに、何故か王子様が追いかけて来ます。
向原 行人
ファンタジー
私、アルマには二つ下の可愛い妹がいます。
幼い頃から要領の良い妹は聖女に選ばれ、王子様と婚約したので……私は遠く離れた地で、大好きな魔法の研究に専念したいと思います。
最近は異空間へ自由に物を出し入れしたり、部分的に時間を戻したり出来るようになったんです!
勿論、この魔法の効果は街の皆さんにも活用を……いえ、無限に収納出来るので、安い時に小麦を買っていただけで、先見の明とかはありませんし、怪我をされた箇所の時間を戻しただけなので、治癒魔法とは違います。
だから私は聖女ではなくて、妹が……って、どうして王子様がこの地に来ているんですかっ!?
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
追放された荷物持ちですが、実は滅んだ竜族の末裔でした。今さら戻れと言われても、もうスローライフ始めちゃったんで
ソラリアル
ファンタジー
目が覚めたら、俺は孤児だった。 家族も、家も、居場所もない。
そんな俺を拾ってくれたのは、優しいSランク冒険者のパーティだった。
「荷物持ちでもいい、仲間になれ」
その言葉を信じて、俺は必死についていった。
だけど、自分には何もできないと思っていた。
それでも少しでも役に立ちたくて、夜な夜な一人で力を磨いた。
だけどある日、彼らは言った。
『ここからは危険だ。荷物持ちは、もう必要ない』
それは、俺の身を案じた「優しさ」からの判断だった。
俺も分かっていた。
だから、黙ってそれを受け入れ、静かにパーティを離れた。
「もう誰にも必要とされなくてもいい。一人で、穏やかに生きていこう」
そう思っていた。そのはずだった。
――だけど。
ダンジョンの地下で出会った古代竜の魂と、
“様々な縁”が重なり、騒がしくなった。
「最強を目指すべくして生まれた存在」
「君と一緒に行かせてくれ。」
「……オリオンを辞めさせた、本当の理由を知っている」
穏やかなスローライフ生活を望んだはずなのに、
世界はまた、勝手に動き出してしまったらしい――
◇小説家になろう・カクヨムでも同時連載中です◇
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる