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5.学力試験と思い出
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作法の試験の合格者は、学科試験が始まった。
基礎的な科目と、不意打ちでインジャル語とフェディリア語の初等問題が出題された。
インジャル語とフェディリア語は、懐かしい思い出をよみがえらせた。
私が六歳の時だ。庭園ですぐ上の、と言っても七歳年上の第三妃の娘であるオティーリエ様と出会った時だ。
その日は、月に一度開催される王妃様のお茶会の日だった。
このお茶会は私が生まれてから開催されるようになったもので、王妃様は側妃達を呼び集めて、ちくちくといびるのが趣味だった。しかし、その日ばかりはさすがの国王も側妃達の元へ行くことを憚っていたので、母は逆に安心できる日だった。
ただし、出されるお茶とお菓子はひどかったそうだ。
母が言うには、妙に甘ったるい匂いだが苦いお茶と苦い焼き菓子が出されたそうだ。
王妃様は、それを尻目に違うメニューを召し上がっている。
その日の心配は私が連れ去られて、母から引き離されることだけだったので、母は
「誰にもみつからないように、庭園に隠れているのよ」
と言いおいて、お茶会に出席していた。
カテーナの王宮の庭園は、ところどころ放置され荒れている場所があった。私はそういう人気のないところを選んで隠れていた。
六歳のあの日、荒れた庭園のガゼボでオティーリエ様に出会ったのだ。オティーリエ様はガゼボの中で本を読んでいたが、すぐに私に気づいた。
「あなた、サーシャね」
戸惑う私にオティーリエ様は言った。
「わたくしはオティーリエよ。あなたの姉よ」
私はおずおずと覚えたての挨拶の礼をした。
オティーリエ様はくすっと笑って
「お行儀がいいのね。それになんて可愛い。お母様似なのね」
と褒めた。そして
「いらっしゃい。あなたもお茶会の間、することがないのでしょう?」
と手招いた。
私はそろそろとガエボの中に入って行った。
「本は好き?もう字は読める?」
オティーリエ様は優しく尋ねた。
私がこくりと頷いて
「難しくないのなら読めます」
と答えると
「この本なら簡単よ」
と持っていらした本を差し出した。
それはお伽話の本だった。彩色された挿絵が美しかった。
ふと他の本を見ると、表紙がまったく同じだった。
私がそれに不思議そうな顔をしていたのだろう、オティーリエ様は笑って
「これはインジャル語、こちらはフェディリア語の本よ。内容は全部同じ。インジャルの王子様が贈ってくださったの。わたくしに三か国語を習わせたいのよ」
と言ったが、小さな声で
「ちゃんとわかっているわ」
と呟いた。
その呟きは悲し気だった。
「あなたはインジャル語とフェディリア語の勉強はしている?」
打って変わって明るく聞いてきた。
家庭教師に習い始めたところだったので
「始めたばかりです」
と小さな声で答えた。
「とっても難しい」
と言う私にオティーリエ様は言った。
「三国の言葉は元々同じ言葉から派生しているから、コツを掴めば簡単なのよ。この本を読んであげるわ」
オティーリエ様は、三冊の本をかわるがわる一文ずつ読み聞かせてくれた。オティーリエ様の言う通り、三国の言葉は少しずつ似通っていた。
「ほら、こうやって比べるとわかりやすいでしょう?」
微笑むオティーリエ様。私もオティーリエ様の顔を見て微笑んだ。
「本当に綺麗ね、あなたは。わたくしとは大違い」
私は首を傾げた。
オティーリエ様は私のお母様には似ていないが、暖かみのある赤銅色の髪に目元が涼し気で綺麗な方だと思ったからだ。
思わず
「わたくし、その髪の色が好きです」
と言うと、オティーリエ様は私の髪を撫でてくれた。
「こんな金色の髪ならば、お母様は満足してくださるのかしら」
これも小さな呟きだった。
オティーリエ様は再び本を読み聞かせてくれたが、やがて王宮の方からカーンという鐘の音が鳴り響いた。
「さ、お茶会は終わったわ。わたくしは部屋に帰らなくては。あなたもでしょう?」
そして少し迷うような様子を見せたが、私に三冊の本を差し出した。
「あなたにあげる。わたくしが持っていても、きっとすぐに捨てられてしまうから」
私は驚いてかぶりを振った。
「いいのよ。わたくしは十分読んだわ。ずっと読んでいるから、お気に入りだと思われているの。だからわたくしが持っていたら捨てられてしまうの。あなたが持っていて」
そう言ってオティーリエ様は、半ば私に本を押し付けるようにして去って行った。
その後、私はお茶会の度に本を持ってオティーリエ様を探したが、二度とは会えなかった。
その本は今でも私のお気に入りだ。その三冊の本のおかげで、三か国語の学習は容易に進んだのだ。
アナベル達もその本で三か国語を覚えたので、試験はさほど難しくなかったはずだ。
学科試験は終わり、結果は三日後に発表されることになった。
「ああ、試験が終わってほっとしたわ」
フィオナがため息をつく。
「インジャル語とフェディリア語の問題が出たわね。やっぱりやっていてよかったわ」
アナベルが笑う。
「多分全員合格よね」
フィオナが言う。
「自信があるの?」
わたしがわざとからかうように言うと
「当たり前じゃない。今まで一所懸命に勉強してきたのですもの」
アナベルが胸を反らす。
フィオナがくすっとわらって言った。
「学院に入学したら、"わたくし"って言わなきゃいけないのよね」
「ああ、忘れちゃうそう」
エラが笑い声を上げた。
「エラ嬢、お行儀が悪いですわよ」
アナベルが作法の時の試験官を真似て言うので、みんなで笑ってしまった。
三日後、私達は全員合格者名簿に名前が載っていた。
基礎的な科目と、不意打ちでインジャル語とフェディリア語の初等問題が出題された。
インジャル語とフェディリア語は、懐かしい思い出をよみがえらせた。
私が六歳の時だ。庭園ですぐ上の、と言っても七歳年上の第三妃の娘であるオティーリエ様と出会った時だ。
その日は、月に一度開催される王妃様のお茶会の日だった。
このお茶会は私が生まれてから開催されるようになったもので、王妃様は側妃達を呼び集めて、ちくちくといびるのが趣味だった。しかし、その日ばかりはさすがの国王も側妃達の元へ行くことを憚っていたので、母は逆に安心できる日だった。
ただし、出されるお茶とお菓子はひどかったそうだ。
母が言うには、妙に甘ったるい匂いだが苦いお茶と苦い焼き菓子が出されたそうだ。
王妃様は、それを尻目に違うメニューを召し上がっている。
その日の心配は私が連れ去られて、母から引き離されることだけだったので、母は
「誰にもみつからないように、庭園に隠れているのよ」
と言いおいて、お茶会に出席していた。
カテーナの王宮の庭園は、ところどころ放置され荒れている場所があった。私はそういう人気のないところを選んで隠れていた。
六歳のあの日、荒れた庭園のガゼボでオティーリエ様に出会ったのだ。オティーリエ様はガゼボの中で本を読んでいたが、すぐに私に気づいた。
「あなた、サーシャね」
戸惑う私にオティーリエ様は言った。
「わたくしはオティーリエよ。あなたの姉よ」
私はおずおずと覚えたての挨拶の礼をした。
オティーリエ様はくすっと笑って
「お行儀がいいのね。それになんて可愛い。お母様似なのね」
と褒めた。そして
「いらっしゃい。あなたもお茶会の間、することがないのでしょう?」
と手招いた。
私はそろそろとガエボの中に入って行った。
「本は好き?もう字は読める?」
オティーリエ様は優しく尋ねた。
私がこくりと頷いて
「難しくないのなら読めます」
と答えると
「この本なら簡単よ」
と持っていらした本を差し出した。
それはお伽話の本だった。彩色された挿絵が美しかった。
ふと他の本を見ると、表紙がまったく同じだった。
私がそれに不思議そうな顔をしていたのだろう、オティーリエ様は笑って
「これはインジャル語、こちらはフェディリア語の本よ。内容は全部同じ。インジャルの王子様が贈ってくださったの。わたくしに三か国語を習わせたいのよ」
と言ったが、小さな声で
「ちゃんとわかっているわ」
と呟いた。
その呟きは悲し気だった。
「あなたはインジャル語とフェディリア語の勉強はしている?」
打って変わって明るく聞いてきた。
家庭教師に習い始めたところだったので
「始めたばかりです」
と小さな声で答えた。
「とっても難しい」
と言う私にオティーリエ様は言った。
「三国の言葉は元々同じ言葉から派生しているから、コツを掴めば簡単なのよ。この本を読んであげるわ」
オティーリエ様は、三冊の本をかわるがわる一文ずつ読み聞かせてくれた。オティーリエ様の言う通り、三国の言葉は少しずつ似通っていた。
「ほら、こうやって比べるとわかりやすいでしょう?」
微笑むオティーリエ様。私もオティーリエ様の顔を見て微笑んだ。
「本当に綺麗ね、あなたは。わたくしとは大違い」
私は首を傾げた。
オティーリエ様は私のお母様には似ていないが、暖かみのある赤銅色の髪に目元が涼し気で綺麗な方だと思ったからだ。
思わず
「わたくし、その髪の色が好きです」
と言うと、オティーリエ様は私の髪を撫でてくれた。
「こんな金色の髪ならば、お母様は満足してくださるのかしら」
これも小さな呟きだった。
オティーリエ様は再び本を読み聞かせてくれたが、やがて王宮の方からカーンという鐘の音が鳴り響いた。
「さ、お茶会は終わったわ。わたくしは部屋に帰らなくては。あなたもでしょう?」
そして少し迷うような様子を見せたが、私に三冊の本を差し出した。
「あなたにあげる。わたくしが持っていても、きっとすぐに捨てられてしまうから」
私は驚いてかぶりを振った。
「いいのよ。わたくしは十分読んだわ。ずっと読んでいるから、お気に入りだと思われているの。だからわたくしが持っていたら捨てられてしまうの。あなたが持っていて」
そう言ってオティーリエ様は、半ば私に本を押し付けるようにして去って行った。
その後、私はお茶会の度に本を持ってオティーリエ様を探したが、二度とは会えなかった。
その本は今でも私のお気に入りだ。その三冊の本のおかげで、三か国語の学習は容易に進んだのだ。
アナベル達もその本で三か国語を覚えたので、試験はさほど難しくなかったはずだ。
学科試験は終わり、結果は三日後に発表されることになった。
「ああ、試験が終わってほっとしたわ」
フィオナがため息をつく。
「インジャル語とフェディリア語の問題が出たわね。やっぱりやっていてよかったわ」
アナベルが笑う。
「多分全員合格よね」
フィオナが言う。
「自信があるの?」
わたしがわざとからかうように言うと
「当たり前じゃない。今まで一所懸命に勉強してきたのですもの」
アナベルが胸を反らす。
フィオナがくすっとわらって言った。
「学院に入学したら、"わたくし"って言わなきゃいけないのよね」
「ああ、忘れちゃうそう」
エラが笑い声を上げた。
「エラ嬢、お行儀が悪いですわよ」
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三日後、私達は全員合格者名簿に名前が載っていた。
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