2 / 3
2.子故に迷う親心
しおりを挟む
ジルは今年8歳、王宮でも習っているがデーティアからも魔法を習うことになっていた。
六歳のアンジーとフラニーは刺繍をはじめ針仕事と簡単な料理を教える。
朝食の後、全員で細々とした家事を片付けると、アンジーとフラニーに一時間ほど刺繍や縫物を教える。ジルはそばで白猫のジルを膝に乗せて、刺繍や縫物をしている三人のために、読み間違えをデーティアに直されながら声を出して本を読む。
その後、三人それぞれの進み具合に合わせながら書き取りと計算を教える。教えながらデーティアは調合用のテーブルで様々なものを作る。
昼食を作る前に、午前のティータイムをとる。
シャーリーがいる時は大人二人は紅茶を楽しむが、子供たちはカモミールやレモングラスのお茶にジャムを入れたものかヤギの乳だ。
昼食の後はアンジーとフラニーはお昼寝。
その間にジルに魔法を教えながら、熟成中のチーズを塩水で拭いてバターを塗る。商品の調合をする。
ジルに教えているのは魔力の扱い方だ。どのように魔力を引き出して素を織り上げるか、いかに早くいかに正確にできるか微妙な調整だ。
ジルは魔力が強く、飲み込みも早かった。
ジルが素早く魔力の素を織り上げることができるようになると、デーティアはそれを織る傍から解いていった。
苦労して織り上げた魔法を邪魔をされるが、デーティアは仕事の片手間にいとも簡単にやってのけるので、ジルは自分の未熟さを教えられているのだと悟り、何度でも繰り返す。
「辛抱強いことはいいことだよ。殊に魔法に関してはね。うちの家系は短気で癇癪持ちだからね」
デーティアはジルを褒める。
「あんたは癇癪と言うより癇性が強くて、それを負けん気に変えている。その調子でおやり」
ジルがデーティアの与えた課題を熟すごとに、デーティア独自の魔法を教える。それは王宮魔導士も知らないものだ。
アンジーとフラニーが昼寝から起きれば、魔法の授業は終わる。
午後のティータイムは三人にマナーを教えながら。
アンジーもフラニーも魔法を習いたがったが、デーティアにいつも言われてしまう。
「魔法測定が済んでからだよ」
「でもやりたいの!」気性の激しいフラニーが言う。
「おばあさまは測定できるのでしょ?」アンジーが問う。
「あたしから魔法を学びたかったら、ジルのように基礎学を終えてからだよ。あたしの魔法は正道じゃないからね」
デーティアは刺繍や料理や勉強を教えながら、注意深くアンジーとフラニーを観察した。
シャーリーから依頼された見極めのためだ。
親というものは産んだ時から将来の心配をしてしまうものなんだね。そして子供可愛さに見極められず悩むのは世の常かね。
アンジーはなんでも辛抱強く最後までやる。失敗したことは成功するまで何度でもやりたがる。
フラニーは途中で投げ出したり嫌がることが多い。失敗したことはやりたがらない。
二人に共通していることは、失敗すれば沈み込み、成功すれば喜ぶことだ。
デーティアは今まで二人を見てきて、判断したことをシャーリーに話した。
いや、王宮での報告なのでシャロンにだ。
「みんなフラニーが激しい性格だって困っているようだけどね、アンジーの方が困り者だよ。アレが黙っているのは自尊心が高すぎるからさ。強すぎて弱音が吐けない子だよ」
「わたくし、おとなしくて穏やかなだけではないと感じていましたが…」
シャロンはため息を吐く。
「フラニーが料理を嫌がって逃げ出すことを我慢が足りないって貶すけどね、アンジーが最後までやり遂げるのは、自分がやれないことを見せたくないからさ。逆にフラニーは工程が面倒で失敗を恐れて逃げ出す。アンジーは出来ないと笑われるのがいやで食らいつく」
笑うデーティア。
「あたしから見ればどっちもどっちさ」
シャロンはようやく笑う。
「フラニーは率直だが、アンジーは頑固者さ」
「それでおばあさま、どちらを選びますか?」
この質問が観察して判断を仰ぎたいと言う、依頼の本質だ。
「どちらがフィランジェ王国の王太子妃にふさわしいかって言うとアンジーだね。あの子の負けん気は筋金入りだよ。あれなら、どんな嫌がらせをされてもへこたれない。嫁いでも生まれた国の益を考えてくれるだろうさ」
「ではフラニーは?」
「フラニーは今は浮ついて生意気なところが目につくけどね、一度辛抱を覚えたら強いよ。あの子に直系でもないのに王の剣を司るダンドリオン侯爵家のスペード形の痣が出たのは天命さ。
国を守るダンドリオン侯爵家に降嫁させるのが最良だと思うよ。あの子はこのラバナン王国の剣を司る家にふさわしい。それにフィリパの件をいまだに忘れない、ダンドリオン侯爵家を押さえるのにも丁度いい」
フィリパは現国王の母親の名前だ。もう故人だがダンドリオン侯爵家は、フィリパにされた仕打ちを忘れていない。事あるごとに蒸し返すのだ。
「では今後、そのように教育致しますわ。おばあさま、ありがとうございます」
安堵したようなシャロンの顔が再び曇った。
「まだ心配事がおありかい?」
シャロンは言い淀んだが、思い切ったように切り出した。
「二人とも貴族らしい振る舞いを嫌いますの。お茶会やパーティーのような堅苦しい場になどいきたくないと…」
「おやおや、生意気だね。うちのティータイムで十分だと勘違いしておいでだね」
「おばあさまの家と王宮、切り替えるよう指導したいのです」
シャロンはくすっと笑って続けた。
「おばあさま、またティアになっていただけませんか?」
デーティアは一瞬怯んだ。額に手をやって天を仰いで覚悟を決めたように問う。
「今度は何をすればいい?茶会かい?」
「ええ、お茶会を数回と夜会を一回」
大きなため息をつくデーティア。
「五十年前はなんとかなったけどね、百年前に習ったモノが通じるかね?また講義を受けなきゃ」
「おばあさまの淑女のマナーは完璧ですわ」
「懐かしいね。それと同じ言葉をフィリパが言ったよ」
シャロンはふふっと笑う。
「おばあさまが王宮に残されたドレスを参考に、いくつか作りましたのよ。試着に参りましょう?」
ああ、この強かさがジルに受け継がれるといいねとデーティアは願った。
冬の社交シーズンの始まり、この国の第一位の地位にある有王太子妃が開いた最初のお茶会はごく私的なものだ。アンジェリーナとフランシーヌに礼儀作法を教えるブラウ伯爵夫人が採点するために参加する。
シャロンが主催して、アンジェリーナとフランシーヌ、同じ年の令嬢、ジンラース侯爵家のイヴリンとラディア伯爵家のソニア、そしてその母親たちを招いた。
アンジェリーナとフランシーヌが驚いたのは、藍色のドレスを着たデーティアが来たことだ。
ジンラース侯爵夫人、ラディア伯爵夫人、ブラウ伯爵夫人に完璧な淑女の礼をして、にこやかに挨拶をした。
シャロンはデーティアを紹介する。
「国王陛下の遠縁のティア様です」
王太子妃が敬称をつけることで、この場で第二位の地位にあるとほのめかす。
「みなさま、どうぞティアとお呼びくださいませ」
デーティアは淑やかに申し出た。
「イヴリン嬢、ソニア嬢、もうお茶会に出る及第点をいただいたとか。お祝いを受け取ってくださいませ」
そう言ってデーティア手製のレースのハンカチを渡す。片隅に薔薇の花とそれぞれの家紋が刺繍されている。
「ありがとうございます、ティア様」とイヴリン。
「とても綺麗です。レースのハンカチなんて初めてで嬉しいです」ソーニャが嬉しそうに言う。
「まあ、なんて見事なレースを。子供にはまだ早いと思っていましたが…大切にするのですよ」
「そうですわ。こんなレース、滅多に手にできませんよ」
2人の母親も喜ぶ。
「自尊心は大切にすればよい糧になりますもの」デーティアが微笑む。
このお茶会で、アンジェリーナとフランシーヌは、シャロンからもデーティアからもブラウ伯爵夫人からも何も言われなかった。いつもはビシビシと注意をされるので不思議だったが、なによりもデーティアの振る舞いに驚かされた。
アンジェリーナもフランシーヌも驚いた表情を隠せない。普段ぞんざいでざっかけない態度と口調のデーティアが、今は淑女の顔で完璧なマナーでお茶会に臨んでいるのだ。
お茶会の後、フラニーがデーティアに尋ねた。
「おばあさまは本当は淑女なの?」
「いや、魔女だよ」
六歳のアンジーとフラニーは刺繍をはじめ針仕事と簡単な料理を教える。
朝食の後、全員で細々とした家事を片付けると、アンジーとフラニーに一時間ほど刺繍や縫物を教える。ジルはそばで白猫のジルを膝に乗せて、刺繍や縫物をしている三人のために、読み間違えをデーティアに直されながら声を出して本を読む。
その後、三人それぞれの進み具合に合わせながら書き取りと計算を教える。教えながらデーティアは調合用のテーブルで様々なものを作る。
昼食を作る前に、午前のティータイムをとる。
シャーリーがいる時は大人二人は紅茶を楽しむが、子供たちはカモミールやレモングラスのお茶にジャムを入れたものかヤギの乳だ。
昼食の後はアンジーとフラニーはお昼寝。
その間にジルに魔法を教えながら、熟成中のチーズを塩水で拭いてバターを塗る。商品の調合をする。
ジルに教えているのは魔力の扱い方だ。どのように魔力を引き出して素を織り上げるか、いかに早くいかに正確にできるか微妙な調整だ。
ジルは魔力が強く、飲み込みも早かった。
ジルが素早く魔力の素を織り上げることができるようになると、デーティアはそれを織る傍から解いていった。
苦労して織り上げた魔法を邪魔をされるが、デーティアは仕事の片手間にいとも簡単にやってのけるので、ジルは自分の未熟さを教えられているのだと悟り、何度でも繰り返す。
「辛抱強いことはいいことだよ。殊に魔法に関してはね。うちの家系は短気で癇癪持ちだからね」
デーティアはジルを褒める。
「あんたは癇癪と言うより癇性が強くて、それを負けん気に変えている。その調子でおやり」
ジルがデーティアの与えた課題を熟すごとに、デーティア独自の魔法を教える。それは王宮魔導士も知らないものだ。
アンジーとフラニーが昼寝から起きれば、魔法の授業は終わる。
午後のティータイムは三人にマナーを教えながら。
アンジーもフラニーも魔法を習いたがったが、デーティアにいつも言われてしまう。
「魔法測定が済んでからだよ」
「でもやりたいの!」気性の激しいフラニーが言う。
「おばあさまは測定できるのでしょ?」アンジーが問う。
「あたしから魔法を学びたかったら、ジルのように基礎学を終えてからだよ。あたしの魔法は正道じゃないからね」
デーティアは刺繍や料理や勉強を教えながら、注意深くアンジーとフラニーを観察した。
シャーリーから依頼された見極めのためだ。
親というものは産んだ時から将来の心配をしてしまうものなんだね。そして子供可愛さに見極められず悩むのは世の常かね。
アンジーはなんでも辛抱強く最後までやる。失敗したことは成功するまで何度でもやりたがる。
フラニーは途中で投げ出したり嫌がることが多い。失敗したことはやりたがらない。
二人に共通していることは、失敗すれば沈み込み、成功すれば喜ぶことだ。
デーティアは今まで二人を見てきて、判断したことをシャーリーに話した。
いや、王宮での報告なのでシャロンにだ。
「みんなフラニーが激しい性格だって困っているようだけどね、アンジーの方が困り者だよ。アレが黙っているのは自尊心が高すぎるからさ。強すぎて弱音が吐けない子だよ」
「わたくし、おとなしくて穏やかなだけではないと感じていましたが…」
シャロンはため息を吐く。
「フラニーが料理を嫌がって逃げ出すことを我慢が足りないって貶すけどね、アンジーが最後までやり遂げるのは、自分がやれないことを見せたくないからさ。逆にフラニーは工程が面倒で失敗を恐れて逃げ出す。アンジーは出来ないと笑われるのがいやで食らいつく」
笑うデーティア。
「あたしから見ればどっちもどっちさ」
シャロンはようやく笑う。
「フラニーは率直だが、アンジーは頑固者さ」
「それでおばあさま、どちらを選びますか?」
この質問が観察して判断を仰ぎたいと言う、依頼の本質だ。
「どちらがフィランジェ王国の王太子妃にふさわしいかって言うとアンジーだね。あの子の負けん気は筋金入りだよ。あれなら、どんな嫌がらせをされてもへこたれない。嫁いでも生まれた国の益を考えてくれるだろうさ」
「ではフラニーは?」
「フラニーは今は浮ついて生意気なところが目につくけどね、一度辛抱を覚えたら強いよ。あの子に直系でもないのに王の剣を司るダンドリオン侯爵家のスペード形の痣が出たのは天命さ。
国を守るダンドリオン侯爵家に降嫁させるのが最良だと思うよ。あの子はこのラバナン王国の剣を司る家にふさわしい。それにフィリパの件をいまだに忘れない、ダンドリオン侯爵家を押さえるのにも丁度いい」
フィリパは現国王の母親の名前だ。もう故人だがダンドリオン侯爵家は、フィリパにされた仕打ちを忘れていない。事あるごとに蒸し返すのだ。
「では今後、そのように教育致しますわ。おばあさま、ありがとうございます」
安堵したようなシャロンの顔が再び曇った。
「まだ心配事がおありかい?」
シャロンは言い淀んだが、思い切ったように切り出した。
「二人とも貴族らしい振る舞いを嫌いますの。お茶会やパーティーのような堅苦しい場になどいきたくないと…」
「おやおや、生意気だね。うちのティータイムで十分だと勘違いしておいでだね」
「おばあさまの家と王宮、切り替えるよう指導したいのです」
シャロンはくすっと笑って続けた。
「おばあさま、またティアになっていただけませんか?」
デーティアは一瞬怯んだ。額に手をやって天を仰いで覚悟を決めたように問う。
「今度は何をすればいい?茶会かい?」
「ええ、お茶会を数回と夜会を一回」
大きなため息をつくデーティア。
「五十年前はなんとかなったけどね、百年前に習ったモノが通じるかね?また講義を受けなきゃ」
「おばあさまの淑女のマナーは完璧ですわ」
「懐かしいね。それと同じ言葉をフィリパが言ったよ」
シャロンはふふっと笑う。
「おばあさまが王宮に残されたドレスを参考に、いくつか作りましたのよ。試着に参りましょう?」
ああ、この強かさがジルに受け継がれるといいねとデーティアは願った。
冬の社交シーズンの始まり、この国の第一位の地位にある有王太子妃が開いた最初のお茶会はごく私的なものだ。アンジェリーナとフランシーヌに礼儀作法を教えるブラウ伯爵夫人が採点するために参加する。
シャロンが主催して、アンジェリーナとフランシーヌ、同じ年の令嬢、ジンラース侯爵家のイヴリンとラディア伯爵家のソニア、そしてその母親たちを招いた。
アンジェリーナとフランシーヌが驚いたのは、藍色のドレスを着たデーティアが来たことだ。
ジンラース侯爵夫人、ラディア伯爵夫人、ブラウ伯爵夫人に完璧な淑女の礼をして、にこやかに挨拶をした。
シャロンはデーティアを紹介する。
「国王陛下の遠縁のティア様です」
王太子妃が敬称をつけることで、この場で第二位の地位にあるとほのめかす。
「みなさま、どうぞティアとお呼びくださいませ」
デーティアは淑やかに申し出た。
「イヴリン嬢、ソニア嬢、もうお茶会に出る及第点をいただいたとか。お祝いを受け取ってくださいませ」
そう言ってデーティア手製のレースのハンカチを渡す。片隅に薔薇の花とそれぞれの家紋が刺繍されている。
「ありがとうございます、ティア様」とイヴリン。
「とても綺麗です。レースのハンカチなんて初めてで嬉しいです」ソーニャが嬉しそうに言う。
「まあ、なんて見事なレースを。子供にはまだ早いと思っていましたが…大切にするのですよ」
「そうですわ。こんなレース、滅多に手にできませんよ」
2人の母親も喜ぶ。
「自尊心は大切にすればよい糧になりますもの」デーティアが微笑む。
このお茶会で、アンジェリーナとフランシーヌは、シャロンからもデーティアからもブラウ伯爵夫人からも何も言われなかった。いつもはビシビシと注意をされるので不思議だったが、なによりもデーティアの振る舞いに驚かされた。
アンジェリーナもフランシーヌも驚いた表情を隠せない。普段ぞんざいでざっかけない態度と口調のデーティアが、今は淑女の顔で完璧なマナーでお茶会に臨んでいるのだ。
お茶会の後、フラニーがデーティアに尋ねた。
「おばあさまは本当は淑女なの?」
「いや、魔女だよ」
27
あなたにおすすめの小説
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
『婚約破棄された悪役令嬢ですが、嫁ぎ先で“連れ子三人”の母になりました ~三人の「ママ」が聞けるまで、私は絶対に逃げません~』
放浪人
恋愛
「母はいりません」と拒絶された悪役令嬢が、最強の“ママ”になるまでの物語。
「君のような可愛げのない女は、王妃にふさわしくない」
身に覚えのない罪で婚約破棄され、“悪役令嬢”の汚名を着せられたクラリス。 彼女が新たに嫁いだのは、北方の辺境を守る「氷の公爵」ことレオンハルト・フォン・グレイフだった。
冷え切った屋敷で彼女を待っていたのは、無表情な夫と、心に傷を負った三人の連れ子たち。 「僕たちに、母はいりません」 初対面で突きつけられた三つの拒絶。しかし、クラリスは諦めなかった。
「称号はいりません。私が欲しいのは――あなたたち三人の『ママ』になれる日だけです」
得意の生活魔法『灯(ともしび)』で凍えた部屋を温め、『鎮(しずめ)』の歌で夜泣きを癒やし、家政手腕で荒れた食卓を立て直す。 クラリスの献身的な愛情は、頑なだった子供たちの心を解きほぐし、やがて不器用な夫の氷の心さえも熱く溶かしていく。
これは、不遇な悪役令嬢が「最強の母」となり、家族を脅かす元婚約者や魔獣たちを華麗に撃退し、最愛の家族から「ママ」と呼ばれるその日までを綴った物語。
結婚初夜、「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と夫に言われました
ましゅぺちーの
恋愛
侯爵令嬢のアリサは婚約者だった王太子テオドールと結婚した。
ちょうどその半年前、アリサの腹違いの妹のシアは不慮の事故で帰らぬ人となっていた。
王太子が婚約者の妹のシアを愛していたのは周知の事実だった。
そんな彼は、結婚初夜、アリサに冷たく言い放った。
「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と。
【短編】記憶を失っていても
あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
7年以上前の記憶のない平民出身のラチェルは、6年前に娘のハリエットを生んでからグリオス国のアンギュロスの森付近の修道院で働きながら暮らしていた。
そんなある日ハリエットは見たことのない白銀色の大樹を見つけたと、母ラチェルに話すのだが……。
これは記憶の全てを失ったラチェル──シェシュティナが全てを取り戻すまでのお話。
※氷雨そら先生、キムラましゅろう先生のシークレットベビー企画開催作品です( ´艸`)
王女と2人の誘拐犯~囚われのセリーナ~
Masa&G
ファンタジー
王女セリーナが連れ去られた。犯人は、貧しい村出身の二人の男。だが、彼らの瞳にあったのは憎しみではなく――痛みだった。
閉ざされた小屋で、セリーナは知る。彼らが抱える“事情”と、王国が見落としてきた現実に。
恐怖、怒り、そして理解。交わるはずのなかった三人の心が、やがて静かに溶け合っていく。
「助けてあげて」。母の残した言葉を胸に、セリーナは自らの“選択”を迫られる。
――これは、王女として生きる前に、人としての答えを、彼女は見つけにいく。
お姫様は死に、魔女様は目覚めた
悠十
恋愛
とある大国に、小さいけれど豊かな国の姫君が側妃として嫁いだ。
しかし、離宮に案内されるも、離宮には侍女も衛兵も居ない。ベルを鳴らしても、人を呼んでも誰も来ず、姫君は長旅の疲れから眠り込んでしまう。
そして、深夜、姫君は目覚め、体の不調を感じた。そのまま気を失い、三度目覚め、三度気を失い、そして……
「あ、あれ? えっ、なんで私、前の体に戻ってるわけ?」
姫君だった少女は、前世の魔女の体に魂が戻ってきていた。
「えっ、まさか、あのまま死んだ⁉」
魔女は慌てて遠見の水晶を覗き込む。自分の――姫君の体は、嫁いだ大国はいったいどうなっているのか知るために……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる