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Rock this town(後半)
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夜もミナミデは自転車に乗る。
この街の夜は賑やかだ。酔って、あるいはしらふで、楽しそうに歩く集団やカップル、営業を終えた店の前を陣取って歌ったり占ったりする人たち、街いっぱいに人の声が溢れている。
街の外から帰ってくる人も多い。早く家に帰って疲れた身体を休めたい、そんなふうに早足で歩く人もいれば、癒しの気配に釣られるように右へ左へとよそ見をして、寄り道間近の人もいる。
ミナミデは帰宅する人の流れに逆走するような形で駅へと向かい、駅を抜けてからは酔っ払いを避けて自転車を走らせた。人の多さに負けて、朝以上のノロノロ運転だ。
スタジオに着いても、まだ他のメンバーの姿はなかった。今夜のミナミデは珍しく一番乗りになった。たまたま仕事の休みとスタジオ練習の日が重なったからだ。
たいていの日はベースのユーキが誰よりも先に着いている。性格なのか、一人だけ年下だからなのか、おそらくその両方だろうけれど、みんなよりも先に来て、最後に帰る。ユーキはそういうヤツだった。
入口のベンチに腰をおろし、メンバーが揃うまでなにをして待とうかと考えて、ミナミデはとりあえずスマホのパズルゲームを開いた。やりすぎて充電が無くなる日もあるくらいに、こればっかりやっているゲームだけれど、不思議と飽きない。パズルだけれどミナミデは考えたりしない。画面に広がっていく色をおおよそに把握して、あとは直感的に、線を描くように触れていく。ブロックがつながり、消えてはまたつながる。単調な繰り返しがなぜかおもしろく、止まらなかった。
「おっ、早いね!」
声をかけられて顔をあげるとユーキが立っていた。ユーキの後ろにはギターのアメミヤの姿も見える。
「珍しいじゃん」
二人が一緒にやってくるのはあまりないことだ。スマホの画面に視線を戻しつつ、ミナミデが言う。いきなりは止められないのがパズルゲームの特徴でもある。
「シフトが一緒だったんだ」
言い訳するような口調でアメミヤが言った。アメミヤはミナミデの言葉を別の意味で受け取ったらしい。いつも遅刻ギリギリ。ふだんのアメミヤはそんな感じだから、早く来た日のほうに言い訳が必要になる。
「いや、今日はボクが遅いんだよ。もうちょっぴり予約時間を過ぎてる」
ユーキが腕時計のフェイスを見せて言った。
「まじか!」
ミナミデは驚いて操作をミスした。ゲームオーバーを告げるベルが鳴る。
「うん、そろそろご……」
ユーキの言葉を聞き遂げずにアメミヤが受付に走って行った。
「そろそろ五分」
それでもユーキはきっちりと言い直し、ミナミデは慌てて席を立つ。バタバタとスタジオの扉をくぐった。
「ショーヘイは? 連絡あった?」
ギターのチューニングをしながらアメミヤが声をあげた。
「オレにはきてねぇよ」
マイクスタンドを伸ばしながらミナミデが答える。
「ボクにも」
ユーキはそう答えたものの、きちんと確認したいのだろう、モニターの上に出してあるスマホに触れてから、「やっぱりきてない」と言い直した。
「なんだよ、あいつが来ねぇと全体練の意味ねぇよ、なぁ?」
ムッとしてミナミデが言った。ドラムなしでは芯が定まらない。
ふだんは女のコから「ワカサマ」なんて呼ばれて調子にのっているボケ役のショーヘイだけれど、「音」に関して言えばショーヘイはバンドの要だ。テンポも勢いも、ベースもギターもボーカルさえも、すべての出来がショーヘイとの兼ね合いいかんにかかっている。みんなで音を合わせてこそのスタジオ練習だ。
「またどこかで道案内役を買ってでているのかもしれないよ」
まあまあとミナミデを宥める口調でアメミヤが笑う。バカが付くくらいの、いいヤツなのもショーヘイの特徴だ。しょっちゅう道を尋ねられては、観光ガイドのように案内に歩いている。
「ボク、ちょっとそのへんを見てこようか?」
気を遣ったユーキが立ち上がったところで、重い防音ドアがメリメリと音を立てた。
「すまん、遅れた」
ショーヘイが顔を出す。額といい、首筋といい、テカテカと汗が光っている。
「なに、大丈夫? なんかあったの?」
すぐに重い扉を請け負ってユーキが訊く。
「いやいやいや、実はひったくりに遭遇しまして」
背負っていたスネアケースをおろしながらショーヘイは深刻そうな顔をした。
「捕まえたの?」
防音ドアを最大限活用する大声でユーキが訊く。
「いえ、交番に」
「なんだ、ひったくられたほうか」
「まったく、めんぼくない」
ユーキとショーヘイの会話は下手な漫才の序盤のようだ。ゆるゆるとして一向に話が進みそうにない。
「どこでよ? なにを盗られた?」
アメミヤが加わってやっと、会話はきちんとした筋をなして動き出す。これもいつものことだ。
「前かごに入れていたトートバックをサラッと持って行かれまして、いや、財布とかケツポケットに入れているし、金目のものではないので、正直、なんで持って行かれたのかわからないのですが……」
「なんだよ、そのしゃべりかた!」
ここでツッコんでしまっては話が進まない。黙って聞くつもりがつい、ミナミデも口を出してしまった。
しゃべりが上手いとは言えないショーヘイのことだ、交番で話したそのまんまを、今またここで繰り返しているんだろう。わかっていてもダメだ。聞き流してはいられない。四人そろうと万事がこんな調子だった。
メンバー全員で何度か茶茶を入れ、混ぜっ返しながら聞いたショーヘイの話をまとめるとこうだ。
バイト帰りに自転車の前かごに入れていたトートバッグを持って行かれた。中にはバイトの制服と空になった水筒が入っていた。明日も朝から出勤予定だから制服がなくなってしまって、なにを着ていけばいいのかわからない。それよりなにより問題は水筒だ。飲み物なしで熱中症になったらどうしよう。
そんな思いがショーヘイの頭の中を行きつ戻りつしているらしい。
「ボクがペットボトルのお茶を買ってあげるよ!」
ユーキの優しい言葉にショーヘイが真顔で返す。
「ダメだ、ぬるくなったお茶なんて、まずくて飲めない」
ミナミデがぺチッとショーヘイの後頭部を叩く。ショーヘイは、なぜツッコまれたのかわからないという顔をしている。
「犯人の顔はみた? この街のヤツならすぐ見つかるんじゃない?」
アメミヤがまたいいことを言った。
たしかにそうだ。ショーヘイもミナミデとおなじくこの街の住人なのだ。犯人がわかれば捕まえて説教のひとつもできるじゃないか。水筒だって取り返せるかもしれない。
「いやあ、ニット帽をね、こう、深~くかぶってまして、はっきりと顔は見えなかったっす。黒っぽいナイロンのカッパみたいな、あれなんて言うんだったかな……」
「カッパって、ショーヘイさんいつもそう言うけどウインドブレーカーでしょ? しかもなに、その話し方」
ユーキが笑う。
「そうそう、ウインドブレーカー! それを着てました!」
「今の季節、そんな格好のヤツばっかりだからなぁ」
残念そうにアメミヤが言う。みんなの会話を聞きながら、ミナミデは額にへんな汗がにじむのを感じていた。
(犯人は昼間のあいつだな。ばあちゃんの代わりにおやじっぽいショーヘイを狙ったってことだろ。それじゃあ、オレのせいじゃねぇか!)
やけに顔が熱かった。ショーヘイに悪いような気がする。
「そんな感じで、現場からは以上です」
なにも知らないショーヘイはおどけて言う。
「災難だったな」
後ろめたさからミナミデが、いつもよりちょっとだけ優しく肩を叩くと、ショーヘイはセーフポーズをキメた。
「やったぜ、遅刻のお咎めなし!」
そんな言葉を口にする。
「調子に乗るな」
能天気なショーヘイの声にミナミデの罪悪感は吹き飛んだ。再びペチッと後頭部を叩き、ツッコミを入れる。
(ま、黙っときゃいい)
ミナミデはそう思い直した。
それにしてもショーヘイが金を持っていそうに見えたのかと思うとショックだ。たしかにショーヘイはみるからに貧乏バンドマンといった痩せたタイプではない。バイト帰りのバッグを持ち、さらにスネアを背負って荷物は多いけれど、それでもせいぜい疲れた兄ちゃんといったところじゃないか。
(トロそうなおやじだと思われたんだろうな)
自分を振り返っても、十代のころには三十過ぎの男なんて、おやじにしか見えなかった。それがいつしか自分たちが三十過ぎだ。いつのまにそんな時間が経ったのか。考えると恐ろしく、へんな感じもする。
「オレらももう立派なオヤジってことか」
ミナミデはついひとりごちた。
「オヤジ狩りってことじゃないっすか!」
ユーキがショーヘイの背中をつついて茶化す。
「いやいやいや」
ショーヘイはまた真意がわからないリアクションをする。
「狩られてたまるか。オヤジバンド上等!」
自動操縦となったミナミデの手がペチッと、ショーヘイの頭に今日三度目のツッコミをいれた。
この街の夜は賑やかだ。酔って、あるいはしらふで、楽しそうに歩く集団やカップル、営業を終えた店の前を陣取って歌ったり占ったりする人たち、街いっぱいに人の声が溢れている。
街の外から帰ってくる人も多い。早く家に帰って疲れた身体を休めたい、そんなふうに早足で歩く人もいれば、癒しの気配に釣られるように右へ左へとよそ見をして、寄り道間近の人もいる。
ミナミデは帰宅する人の流れに逆走するような形で駅へと向かい、駅を抜けてからは酔っ払いを避けて自転車を走らせた。人の多さに負けて、朝以上のノロノロ運転だ。
スタジオに着いても、まだ他のメンバーの姿はなかった。今夜のミナミデは珍しく一番乗りになった。たまたま仕事の休みとスタジオ練習の日が重なったからだ。
たいていの日はベースのユーキが誰よりも先に着いている。性格なのか、一人だけ年下だからなのか、おそらくその両方だろうけれど、みんなよりも先に来て、最後に帰る。ユーキはそういうヤツだった。
入口のベンチに腰をおろし、メンバーが揃うまでなにをして待とうかと考えて、ミナミデはとりあえずスマホのパズルゲームを開いた。やりすぎて充電が無くなる日もあるくらいに、こればっかりやっているゲームだけれど、不思議と飽きない。パズルだけれどミナミデは考えたりしない。画面に広がっていく色をおおよそに把握して、あとは直感的に、線を描くように触れていく。ブロックがつながり、消えてはまたつながる。単調な繰り返しがなぜかおもしろく、止まらなかった。
「おっ、早いね!」
声をかけられて顔をあげるとユーキが立っていた。ユーキの後ろにはギターのアメミヤの姿も見える。
「珍しいじゃん」
二人が一緒にやってくるのはあまりないことだ。スマホの画面に視線を戻しつつ、ミナミデが言う。いきなりは止められないのがパズルゲームの特徴でもある。
「シフトが一緒だったんだ」
言い訳するような口調でアメミヤが言った。アメミヤはミナミデの言葉を別の意味で受け取ったらしい。いつも遅刻ギリギリ。ふだんのアメミヤはそんな感じだから、早く来た日のほうに言い訳が必要になる。
「いや、今日はボクが遅いんだよ。もうちょっぴり予約時間を過ぎてる」
ユーキが腕時計のフェイスを見せて言った。
「まじか!」
ミナミデは驚いて操作をミスした。ゲームオーバーを告げるベルが鳴る。
「うん、そろそろご……」
ユーキの言葉を聞き遂げずにアメミヤが受付に走って行った。
「そろそろ五分」
それでもユーキはきっちりと言い直し、ミナミデは慌てて席を立つ。バタバタとスタジオの扉をくぐった。
「ショーヘイは? 連絡あった?」
ギターのチューニングをしながらアメミヤが声をあげた。
「オレにはきてねぇよ」
マイクスタンドを伸ばしながらミナミデが答える。
「ボクにも」
ユーキはそう答えたものの、きちんと確認したいのだろう、モニターの上に出してあるスマホに触れてから、「やっぱりきてない」と言い直した。
「なんだよ、あいつが来ねぇと全体練の意味ねぇよ、なぁ?」
ムッとしてミナミデが言った。ドラムなしでは芯が定まらない。
ふだんは女のコから「ワカサマ」なんて呼ばれて調子にのっているボケ役のショーヘイだけれど、「音」に関して言えばショーヘイはバンドの要だ。テンポも勢いも、ベースもギターもボーカルさえも、すべての出来がショーヘイとの兼ね合いいかんにかかっている。みんなで音を合わせてこそのスタジオ練習だ。
「またどこかで道案内役を買ってでているのかもしれないよ」
まあまあとミナミデを宥める口調でアメミヤが笑う。バカが付くくらいの、いいヤツなのもショーヘイの特徴だ。しょっちゅう道を尋ねられては、観光ガイドのように案内に歩いている。
「ボク、ちょっとそのへんを見てこようか?」
気を遣ったユーキが立ち上がったところで、重い防音ドアがメリメリと音を立てた。
「すまん、遅れた」
ショーヘイが顔を出す。額といい、首筋といい、テカテカと汗が光っている。
「なに、大丈夫? なんかあったの?」
すぐに重い扉を請け負ってユーキが訊く。
「いやいやいや、実はひったくりに遭遇しまして」
背負っていたスネアケースをおろしながらショーヘイは深刻そうな顔をした。
「捕まえたの?」
防音ドアを最大限活用する大声でユーキが訊く。
「いえ、交番に」
「なんだ、ひったくられたほうか」
「まったく、めんぼくない」
ユーキとショーヘイの会話は下手な漫才の序盤のようだ。ゆるゆるとして一向に話が進みそうにない。
「どこでよ? なにを盗られた?」
アメミヤが加わってやっと、会話はきちんとした筋をなして動き出す。これもいつものことだ。
「前かごに入れていたトートバックをサラッと持って行かれまして、いや、財布とかケツポケットに入れているし、金目のものではないので、正直、なんで持って行かれたのかわからないのですが……」
「なんだよ、そのしゃべりかた!」
ここでツッコんでしまっては話が進まない。黙って聞くつもりがつい、ミナミデも口を出してしまった。
しゃべりが上手いとは言えないショーヘイのことだ、交番で話したそのまんまを、今またここで繰り返しているんだろう。わかっていてもダメだ。聞き流してはいられない。四人そろうと万事がこんな調子だった。
メンバー全員で何度か茶茶を入れ、混ぜっ返しながら聞いたショーヘイの話をまとめるとこうだ。
バイト帰りに自転車の前かごに入れていたトートバッグを持って行かれた。中にはバイトの制服と空になった水筒が入っていた。明日も朝から出勤予定だから制服がなくなってしまって、なにを着ていけばいいのかわからない。それよりなにより問題は水筒だ。飲み物なしで熱中症になったらどうしよう。
そんな思いがショーヘイの頭の中を行きつ戻りつしているらしい。
「ボクがペットボトルのお茶を買ってあげるよ!」
ユーキの優しい言葉にショーヘイが真顔で返す。
「ダメだ、ぬるくなったお茶なんて、まずくて飲めない」
ミナミデがぺチッとショーヘイの後頭部を叩く。ショーヘイは、なぜツッコまれたのかわからないという顔をしている。
「犯人の顔はみた? この街のヤツならすぐ見つかるんじゃない?」
アメミヤがまたいいことを言った。
たしかにそうだ。ショーヘイもミナミデとおなじくこの街の住人なのだ。犯人がわかれば捕まえて説教のひとつもできるじゃないか。水筒だって取り返せるかもしれない。
「いやあ、ニット帽をね、こう、深~くかぶってまして、はっきりと顔は見えなかったっす。黒っぽいナイロンのカッパみたいな、あれなんて言うんだったかな……」
「カッパって、ショーヘイさんいつもそう言うけどウインドブレーカーでしょ? しかもなに、その話し方」
ユーキが笑う。
「そうそう、ウインドブレーカー! それを着てました!」
「今の季節、そんな格好のヤツばっかりだからなぁ」
残念そうにアメミヤが言う。みんなの会話を聞きながら、ミナミデは額にへんな汗がにじむのを感じていた。
(犯人は昼間のあいつだな。ばあちゃんの代わりにおやじっぽいショーヘイを狙ったってことだろ。それじゃあ、オレのせいじゃねぇか!)
やけに顔が熱かった。ショーヘイに悪いような気がする。
「そんな感じで、現場からは以上です」
なにも知らないショーヘイはおどけて言う。
「災難だったな」
後ろめたさからミナミデが、いつもよりちょっとだけ優しく肩を叩くと、ショーヘイはセーフポーズをキメた。
「やったぜ、遅刻のお咎めなし!」
そんな言葉を口にする。
「調子に乗るな」
能天気なショーヘイの声にミナミデの罪悪感は吹き飛んだ。再びペチッと後頭部を叩き、ツッコミを入れる。
(ま、黙っときゃいい)
ミナミデはそう思い直した。
それにしてもショーヘイが金を持っていそうに見えたのかと思うとショックだ。たしかにショーヘイはみるからに貧乏バンドマンといった痩せたタイプではない。バイト帰りのバッグを持ち、さらにスネアを背負って荷物は多いけれど、それでもせいぜい疲れた兄ちゃんといったところじゃないか。
(トロそうなおやじだと思われたんだろうな)
自分を振り返っても、十代のころには三十過ぎの男なんて、おやじにしか見えなかった。それがいつしか自分たちが三十過ぎだ。いつのまにそんな時間が経ったのか。考えると恐ろしく、へんな感じもする。
「オレらももう立派なオヤジってことか」
ミナミデはついひとりごちた。
「オヤジ狩りってことじゃないっすか!」
ユーキがショーヘイの背中をつついて茶化す。
「いやいやいや」
ショーヘイはまた真意がわからないリアクションをする。
「狩られてたまるか。オヤジバンド上等!」
自動操縦となったミナミデの手がペチッと、ショーヘイの頭に今日三度目のツッコミをいれた。
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