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喜島碧
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女木に鬼がやって来てから、数週間後
ある人物
友人のあの女が、女木村に戻ってきた。
「桃希ぃ~居るんでしょ!?」
芽木に泊まる場所なんてないから、乾本人の希望もあって、村の道場に泊まって貰っている。
そんな中アイツが芽木に帰って来たらしい。
「はぁ~。相変わらず田舎だね、女木は。」と、道場の戸を開けながらやって来たのは、オレと同い年の
喜島碧
オレとコイツは、ガキの頃から一緒で
武道を習う仲間でもある。
「喜島っ!オマエも戻ってきたのかよ。」
「ダメじゃん、桃希。弓道場も綺麗にしといてくんないと。さっき見てきたけど、ボロボロじゃん。」
「はぁ!? なんでオレが使いもされてねぇ、弓道場なんて綺麗にしなくちゃいけないんだよ?」
「だって、女木の若い人がやる決まりでしょ?。芽木
ここ
に住んでるんだから、それ位しないと。」
喜島は、弓道の腕前を磨く為に数年前から、弓道の名門に弟子入りしている。
「あっ!喜島さんお久しぶりです。」完全に挨拶に乗り遅れた、沙流が
乾と一緒に、こっちにやってきた。
「沙流、久しぶり。また前よりデカくなった??」
「そうですか?きっと、乾さんの稽古のお陰です。」とニコリと喜島に笑った。
「…はじめまして。沙流に空手を教えている、乾忠です。」と、喜島に向かって一礼した。
「そんなに、かしこまらないで下さいよ。かしこまられるような、人間じゃないんで。アタシ。」
「…ありがとう。」
「んで、弓道の名門に弟子入り中のオマエが、なんでココに居るんだよ??」
「ばあちゃんから
鬼がやって来て、村に被害が出たって聞いたからね。」
「…なるほど。復旧の手伝いをしてくれると、嬉しいよ。自分達もやってるんだけれど、人手が足りなくてね。」
「…でも、その前に、弓道場綺麗にしていいですか?戻ってきたからには、ここの弓道場使いたいんで。
桃希も沙流も手伝ってくれるよね?」
出た。喜島の姉貴モード。
やたら、姉貴感だしてくるんだよな、コイツ。
「決め付けるんじゃねえよ。」
「じゃあ、やってくれないの?」
「やりましょうよ、桃希さん。久しぶりに喜島さんに、会ったことですし。」
「ありがとー沙流っ。沙流は本当にいい後輩だよ。」
「わーかったよ。やりやぁいいんだろ??やりやぁ。」
そう言って、オレ達は掃除用具や弓道の用具を持って弓道場に行こうと
外に出た。
そうすると、
「ヴォォオーー!」数週間前に聞いた様な声が
芽木村の山間
やまあい
から聞こえ始めた。
「…また、来たのかよ!?」
「…山間の方からだな。まだ、各地に広がって居ない様だね、沙流。行くぞ!」
「はい!乾さん!」そう言って、荷物を置いて沙流と、乾は戦う準備を始めた。
その間も、「ヴォォオーー!」と大勢の鬼達がどこからともなくやってくる。
「…二人で行った所で迷うのは、目に見えてるから、アタシに着いて来て!」と、弓を元々背負っていた、喜島が二人に声をかけた。
「…それにしても、現れる鬼の数が尋常じゃないだろ!」
どんどんと、山間から鬼が村に押し寄せて来た。
「…桃希くんは、村の人達を安全な街に避難させてくれ!」
「退路だけは、俺達でなんとかするんで!桃希さんと、喜島さんは…!!」
「バカ言わないでよ!沙流っっ!芽木が危ないのに、逃げろっていうの!?」
「でもっ!!危なんで!」
「…大事な村守れないなんて、強くなった意味ないじゃん!」
そう言って、喜島は弓矢を構えた。
「…喜島さん。では、援護頼みます。自分と沙流だけでは、限界があるんで。」
というと、沙流と乾は鬼の方へと駆け出して行った。
「…桃希。アンタは、村の皆お願いね。
安全な場所まで太郎さんと、車で下ろしてあげて。」
「…あぁ。」
「避難させたら、戻って来て戦うこと!分かった!?」
「…ったく。分かってるよ。…死ぬんじゃねーぞ!」
そう言ってオレは、村の人達を安全な所に避難させることにした。
「…ありがと。」
その喜島の柄にもなく気弱なお礼を受け取った。
その後、オレも戦いに加勢したが
鬼の猛攻を押さえきれず、
芽木村は壊滅的な被害を受けた。
ひとつだけ、幸いだったのは
村民全員の避難が間に合い
人的被害が出なかった事だけだ。
[吉備じーちゃんが、驚いて腰を抜かしてしまった以外は、目立った怪我もなかった。]
ある人物
友人のあの女が、女木村に戻ってきた。
「桃希ぃ~居るんでしょ!?」
芽木に泊まる場所なんてないから、乾本人の希望もあって、村の道場に泊まって貰っている。
そんな中アイツが芽木に帰って来たらしい。
「はぁ~。相変わらず田舎だね、女木は。」と、道場の戸を開けながらやって来たのは、オレと同い年の
喜島碧
オレとコイツは、ガキの頃から一緒で
武道を習う仲間でもある。
「喜島っ!オマエも戻ってきたのかよ。」
「ダメじゃん、桃希。弓道場も綺麗にしといてくんないと。さっき見てきたけど、ボロボロじゃん。」
「はぁ!? なんでオレが使いもされてねぇ、弓道場なんて綺麗にしなくちゃいけないんだよ?」
「だって、女木の若い人がやる決まりでしょ?。芽木
ここ
に住んでるんだから、それ位しないと。」
喜島は、弓道の腕前を磨く為に数年前から、弓道の名門に弟子入りしている。
「あっ!喜島さんお久しぶりです。」完全に挨拶に乗り遅れた、沙流が
乾と一緒に、こっちにやってきた。
「沙流、久しぶり。また前よりデカくなった??」
「そうですか?きっと、乾さんの稽古のお陰です。」とニコリと喜島に笑った。
「…はじめまして。沙流に空手を教えている、乾忠です。」と、喜島に向かって一礼した。
「そんなに、かしこまらないで下さいよ。かしこまられるような、人間じゃないんで。アタシ。」
「…ありがとう。」
「んで、弓道の名門に弟子入り中のオマエが、なんでココに居るんだよ??」
「ばあちゃんから
鬼がやって来て、村に被害が出たって聞いたからね。」
「…なるほど。復旧の手伝いをしてくれると、嬉しいよ。自分達もやってるんだけれど、人手が足りなくてね。」
「…でも、その前に、弓道場綺麗にしていいですか?戻ってきたからには、ここの弓道場使いたいんで。
桃希も沙流も手伝ってくれるよね?」
出た。喜島の姉貴モード。
やたら、姉貴感だしてくるんだよな、コイツ。
「決め付けるんじゃねえよ。」
「じゃあ、やってくれないの?」
「やりましょうよ、桃希さん。久しぶりに喜島さんに、会ったことですし。」
「ありがとー沙流っ。沙流は本当にいい後輩だよ。」
「わーかったよ。やりやぁいいんだろ??やりやぁ。」
そう言って、オレ達は掃除用具や弓道の用具を持って弓道場に行こうと
外に出た。
そうすると、
「ヴォォオーー!」数週間前に聞いた様な声が
芽木村の山間
やまあい
から聞こえ始めた。
「…また、来たのかよ!?」
「…山間の方からだな。まだ、各地に広がって居ない様だね、沙流。行くぞ!」
「はい!乾さん!」そう言って、荷物を置いて沙流と、乾は戦う準備を始めた。
その間も、「ヴォォオーー!」と大勢の鬼達がどこからともなくやってくる。
「…二人で行った所で迷うのは、目に見えてるから、アタシに着いて来て!」と、弓を元々背負っていた、喜島が二人に声をかけた。
「…それにしても、現れる鬼の数が尋常じゃないだろ!」
どんどんと、山間から鬼が村に押し寄せて来た。
「…桃希くんは、村の人達を安全な街に避難させてくれ!」
「退路だけは、俺達でなんとかするんで!桃希さんと、喜島さんは…!!」
「バカ言わないでよ!沙流っっ!芽木が危ないのに、逃げろっていうの!?」
「でもっ!!危なんで!」
「…大事な村守れないなんて、強くなった意味ないじゃん!」
そう言って、喜島は弓矢を構えた。
「…喜島さん。では、援護頼みます。自分と沙流だけでは、限界があるんで。」
というと、沙流と乾は鬼の方へと駆け出して行った。
「…桃希。アンタは、村の皆お願いね。
安全な場所まで太郎さんと、車で下ろしてあげて。」
「…あぁ。」
「避難させたら、戻って来て戦うこと!分かった!?」
「…ったく。分かってるよ。…死ぬんじゃねーぞ!」
そう言ってオレは、村の人達を安全な所に避難させることにした。
「…ありがと。」
その喜島の柄にもなく気弱なお礼を受け取った。
その後、オレも戦いに加勢したが
鬼の猛攻を押さえきれず、
芽木村は壊滅的な被害を受けた。
ひとつだけ、幸いだったのは
村民全員の避難が間に合い
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