死にゲーの世界のキャラに憑依したと思ったら、BL版の世界でした。 ~最悪領主になりきろうとしたが、日本人気質の所為でばれそうです~

番傘と折りたたみ傘

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一件落着?

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 怪しまれている俺に代わって、グランデが助け舟を出してくれた。

「レイル様は、お前に領地内で店を構えて欲しいと思っているのではないか」

「俺が、領地内でだと」

「そうすれば、様々な種類の武器や防具が手に入る。それ以上に、経済がまわり、領地内が豊かになる。そうですよね。レイル様」

 グランデが、ふわりと笑った。その表情に、ドキドキする。いやいや、それよりも、この助け舟に乗らなければ!

「そ、そうだ!」

 俺の答えに、眼を細めたままのロッドから不満が伝わってくる。どうすれば、レイルを信じて貰えるのだろう。ロッドに納得して貰わなければ。

「ロッドが居てくれれば……俺は、嬉しい」

 純粋に心の内から出た言葉だった。レイルの所為で、人生を踏み外してしまったロッドには、報われて欲しい。

 ロッドの怪しむ表情が、呆れたような表情に変わった。

「まぁ……依頼者から、暗殺依頼は取り下げられてるしな」

「え? 取り下げられているのか?」

 ロッドは自分の恨みでレイルを狙ったと思っていたが、どうやら別に依頼した人がいるようだ。レイルへの恨みが思っていた以上に酷いようだ。だが、取り下げしたという事というのはどういうことだろうか。

「依頼者の事は、守秘義務があるから詳しくは言えない。が、ここ数日のブレイド様の行いで取り下げる事にしたらしい。俺は、俺の条件を飲んでもらえれば、別に命はいらない」

「良かった」

 誰かというのは教えてもらえない様だが、取り敢えずは一安心して良いということだろう。ロッドもこれで暗殺者を辞め、武器屋を復帰するという事で一件落着という事だ。だが、そう簡単にはいかないと、それが世の常だと思い知らされる。

「レイル様、そうはいきません」

「え?」

 ほっとしていた俺に、グランデの一言が突き刺さる。

「未遂だといえ、彼はレイル様に服毒、暗殺を企てたのですよ」

「で、でも」

「そうだ。レイル様。良くて、領地追放。悪くて、死刑だ」

 いつの間にか、ライトが側に来ていた。ライトの言葉は、グランデの言葉をグッと俺へと押し込んでくる様だった。まるで、注射器で薬を押し込むようにだ。

「そ、そんな」

 グランデとライトへ向けていた視線をロッドへと向ける。俺の視線に気づいたロッドは肩をすくませた。仕方がないと、それが当たり前だという様な仕草だ。それで、良い筈がない。この世界も弱いものが損をするのか。力や権力、財のある者が徳をする。どこの世界も残酷だ。

「ですが、ここの領地内で一番の決定権を持つのは、レイル様です」

 グランデの言葉が、道を開いてくれた。

「あ……」

「私やライトが何を言おうと、決定権は貴方にあります。貴方が、何を望んでも叶います」

 そうだった。今は、俺がレイルだ。俺の言ったことや願ったことが現実になる。ロッドの命を奪う事もできるという事だ。いや、そんなこと望んでいない。しかし、領主として罰を与えなければ、二人とも納得してはくれないだろう。ロッドに何か罰を与えなければならないとしたら、何をすれば良いのだ。命の他に、ロッドにとって多少の苦で済んで、損をしないそんな方法……あるのだろうか。

 目を閉じて、考え直す。ロッドが好きなものは武器、そして嫌いなものはレイルだ。そうだ! これならば助けられるかもしれない。俺は、勇気を持って目を開けた。
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