【完結】恋愛経験ゼロ、モテ要素もないので恋愛はあきらめていたオメガ男性が運命の番に出会う話

十海 碧

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 蓮は仕事をしながら優斗のことを考えていた。キスを思いだし赤くなる。
(また、キスしたいな)
 ドキン
 体中が火照りだす。
(え? ヒート?)
 7月初めにヒートが来たので、次は10月初めの予定。でも8月初めに優斗のラットで誘発されてヒートを起こしてしまった。一条先生が、相性のいいアルファがそばにいるとヒートを誘発してしまう場合があると言っていた。優斗と会うようになってヒートの周期が乱れてきているようだ。
(早めに飲まなきゃ)
 抑制剤を内服する。午前10時30分。アラームをセットする。1日1回24時間毎内服。飲むと症状が落ち着くが、時間が経つと性欲が高まる。抑制剤を乱用すると心臓に負担がかかったり、将来不妊になったりするらしい。
 いつもなら抑制剤が効いてくるとほぼ普通どおり生活できるようになるのに、今日は効き目がなく、どんどん熱く火照ってくる。やむを得ずベッドに潜り込んだ。
 ズボンとパンツを脱ぎ、前を扱き始めた。すぐ蜜を吐き出すが、すっきりせず、またムラムラして前が立ち上がってくる。もう一度蜜を出しティッシュで拭い取る。
(後ろが……)
 後孔からも何かが垂れてくるのが分かる。触るとぬるぬるした粘液でびしょ濡れになっている。指が抵抗なくするりと入る。恐る恐る後孔に左手の指を入れてみる。立ち上がっている前がふるふると震え、先端から蜜が滲み出す。堪えきれず右手で前を扱く。また蜜が出る。蜜を出しても体の熱は冷めず、逆にどんどん火照ってきた。いても立ってもいられない。
「沢渡さん」
 どうしていいか分からず、しくしくと泣いてしまった。
「蓮? どうしたの?」
 昼食に降りてこない蓮を呼びに柊里が来ており、蓮の泣き声で慌ててドアを開けた。ベータの柊里でさえ気付く位フェロモンが満ちていた。
「お父さん、ヒートが急にきて抑制剤飲んだけど全然効かなくてどんどん辛くなってくるの。どうしたらいいか分からない」
 柊里は少し躊躇って言う。
「病院に行って点滴してもらう方法もあるけど、沢渡君に来てもらうっていう方法もあるよ」
「沢渡さんに会いたい」
 蓮は叫んだ。
「分かった。ちょっと待ってて」
 柊里は部屋の外に出た。
(沢渡さん……)
 希望の光が見え、蓮の涙は止まった。小さく丸まり、自分を抱え込んで中から発する熱を耐える体勢を取った。

 柊里は優斗に電話した。優斗は昼休み中だったようで電話が繋がり、すぐ向かうと言った。柊里は優斗が来るまで、色々準備した。30分ほどで慌てた優斗がやってきた。
「蓮君は大丈夫ですか?」
「うん、今までヒートは規則正しく3か月周期で、抑制剤飲むとまあまあ普通に生活できてたんだ。でも、今回は予定よりかなり早く来て抑制剤飲んでも辛いみたい。抑制剤は乱用すると体に負担かかるから常用量は守った方がいいんだ。今回のヒートは運命の番の君を求めて起きてるんだろうね。蓮も望んでるしお願いします。抑制剤はピルの効果もあるから1日1回24時間毎飲ませてね。アラームセットしてある。今回は10時半に飲んだみたい。アラームのそばに1週間分の抑制剤置いてある。あと、蓮に番除けのチョーカーはさせてもらったから」
 蓮の部屋にもユニットバスと小さな冷蔵庫があるが、1階の浴室やキッチンも好きに使ってと説明。タオルとシーツの替えが入っているチェスト、洗濯物のボックスの位置を説明。ヒート明けには家政婦さんに来てもらうので汚しても気にしないよう説明された。
「俺はこれから仕事で時々缶詰めになるホテルに行くよ。何か困ったことがあったら電話ちょうだい」
 柊里はボストンバックとカートを引き出て行った。
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