【完結/R18】恋人として君と過ごす日々

テルマ江

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酩酊と告白について・後編(柊山視点)

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「遥君、怒ってる?」
「怒っていません……恥ずかしいんです……」

 布団を頭から被ってミノムシのように丸まっている遥君に問いかける。隣に腰を下ろすと布団の上から彼の頭の辺りを撫でた。 

――やっぱり、丸まるのは癖なんだろうな
 
 彼の癖を発見する度に微笑ましい気持ちになるなと思いながら、苦笑した。
 先程、僕の行為を見て赤くなった遥君は、その後スッと青くなり僕の手を慌ててティッシュで拭った。僕はと言えば、遥君がこんなに慌てるのは新鮮だなとしみじみとした気持ちになりながら、コンドームを自分で処理し服を整えた。
 その後彼は少し泣きそうな顔になり、口をゆすぐか消毒してきて欲しいと懇願してきたので素直に従った。

――泣かせたいわけじゃないけれど、遥君の色々な顔が見れるのは楽しいな

 そうして、口をゆすいでから寝室に戻ると遥君が丸まっていたのだった。
 丸まる彼を見ていると、少しだけ意地の悪い気持ちが湧き上がってくる。

「遥君は、僕がああいうことするの、嫌だったのかな?」  

 少しだけ悲しげな声を作って言った。

「……いや、あの、嫌ではなくて……」

 そうすると遥君はモゴモゴと呟きながら布団から赤い顔を出してきた。僕は彼の顔を見つめながら隣で横になった。

「……だって、オレの舐めたりなんかしたら、その、汚いですし」
「汚くなんかないよ……」

 彼を布団から引っ張り出し、寝転んだまま抱きしめた。遥君は下着だけ付けて服はまだ着ていなかったので、中々扇情的な光景だ。

「ふふっ……服、僕が着せてあげようか?」
「う……いや、熱かったので……自分で着ます……」

 遥君が、僕の腕から抜け出ると上体を起こして、モゾモゾとシャツを着始める。

「……オレ、ああいうのは、びっくりしちゃって……」
「僕達、もっとすごいことしていると思うけどな……」

 僕も上体を起こして、スウェットを履こうとしている遥君の肩を抱いた。

「遥君がどんな反応するのかなって思うと、色々したくなるんだ」
「…………早速、オレを振り回しますね」
「そうだよ。僕は重いから、色んな君が欲しいんだ」
「の、望む所ですよっ……」

 遥君は赤い顔でそう言い、僕の額に軽くキスした。

「ねえ、口にキスしても良いかな……」
「え、宣言しなくても、す、好きにして頂いて大丈夫ですが……」
「いや……口を消毒とかゆすいで来てとか言われたから、そういう時にキスするの遥君は嫌なのかなあって」
「あ、あれは、敬久さんが、オレのを舐めたりなんかするからです!」

 そう言うと、唇を重ねられガブリと噛まれた。

「いたた……」
「……オレも、今度、敬久さんので同じことをしますからっ」

 初めて体を重ねた日もこんな風なやりとりをしたなと思いながら笑った。彼を引き寄せて応えるように唇を食みながら、遥君に同じことをされたら僕はどんな反応をするのかなと考えた。

「……はぁ……、背徳感が、すごいかもしれないなあ」
「……え?」

 遥君はスウェットを履くのをやめて、僕の腰に手を回しながら首を傾げた。

「……いや、君に、同じことをされたらどうかなと思って」
「背徳感って……」

 遥君は困惑したような顔をしたあとに、ニヤリと笑った。

「……遥君」
「同じことをしますからね」
「……さっきも、君そう言っていたよね」
「ははっ、オレだってあなたの色んな顔が見たいんですよ」

 楽しそうに笑いながら今度は優しく唇を食まれた。これはいつか仕返しがあるなと苦笑しながら、彼を抱き寄せて寝転んだ。

「……もう寝ようか、遥君」
「誤魔化さないでくださいよ。それに、オレ、シャワーを浴びに行きたいんですが……」
「ふふっ、一緒に入る?」
「ああ……もう……」

 赤い顔になって僕の胸に顔を埋めた。

「遥君、もうちょっと、このままでも良いかな?」

 遥君の心地いい体温を感じながらそう言うと、彼は小さな声で「はい」と言った。安心しきった呼吸音をずっと聞いていたくなり、彼の髪を撫でた。
 僕の胸に顔を埋める彼には、鼓動の早さが伝わってしまっているのだろうなと思いながら、一層強く抱きしめた。

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