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明晰夢とその顛末・後編(柊山視点)
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ベッドの端に腰掛け、布団に丸まった遥君を見つめながら持って来た水を飲んだ。遥君は普段やらないことをして疲れたのか、ウトウトしている。
「遥君、大丈夫?水、君の分もあるからね」
「……ぁ、ありがとうございます」
遥君がモゾモゾと起き上がると、僕に寄りかかった。熱いのか上半身は裸のままで下着だけ履いている。
「熱い?そうだ、体拭こうか。タオル濡らして来たのがあるから……」
「いえ……後でシャワー浴びますので……はぁ……敬久さん、優しいなあ……」
彼はふっと息を漏らすように笑って言った。
「君にだけだよ」
「……オレも、あなたに優しくしますから」
スリスリと猫のように頭を肩に擦りつけてくる。可愛いなと思い、頭を撫でた。
「……十分してもらっているよ」
「オレ、あなたにもっと色々あげたい……」
体を重ねた余韻が残っているのか、遥君の息遣いが熱っぽくなっている。
「あんまり、おじさんを甘やかしたらダメだよ……」
恋人として遥君を甘やかしたり、遥君に甘やかされたりするのは楽しい。けれど遥君は『もっと君が欲しくなってしまう』と甘えると、迷いなく『あげます』と返してくれる。僕のせいとはいえ、素直過ぎて心配に思う所がまた増えてしまった。
「ダメじゃないですし、敬久さんはおじさんじゃないです……」
頭を撫でられるのが心地良いのかトロンとした目で見つめてきて、ドキッとしてしまう。
「…………遥君、もしかして眠い?」
一瞬誘われているのかなと思ってしまったけれど、遥君は僕に頭を寄せたまま目を閉じ始めた。
「やっぱり、体拭いてあげるから、そのまま眠ったら良いよ」
「ぅ……すみません。何だか、ぼんやりしちゃって」
「朝、家まで往復したり……僕に、その……色々してくれたから疲れたんだよ」
サイドボードに水を置き、トレイに載せたタオルを持った。遥君にベッドの端から移動してもらい、体をタオルで拭いていく。タオルはお湯で濡らしたものを絞ったものだけれど、少しぬるくなっているような気がする。
「ちょっと冷たくなっているかな。お湯でまた、絞ってくるね」
立ち上がろうとすると手を止められた。
「いえ、丁度良いです……そのまま、してください」
やっぱり誘われているんじゃないかなと悶々としてしまう。そんな思いを吹き飛ばそうと、集中して彼の体を拭いていると遥君が腕にもたれかかってきた。
「どうしたの、遥君。眠い?」
「……眠いんですけど、ちょっと抱きしめて良いですか……?」
「ふふっ、良いよ」
タオルをサイドボードの上に置くと、遥君は腕を僕の背中に回してギュッと抱きしめた。僕も遥君の腰に手を回す。生身の肌が気持ち良くてさわさわと撫でてしまう。
「……それ気持ち良いです。もっと……触ってください」
遥君が小さく息を漏らし、彼も僕の背中を指でなぞるように撫でた。
「…………ねえ、遥君。僕のこと、もしかして誘ってる……?」
「……あ、ぅ、いや……その」
遥君は図星だったのかあたふたし始めた。体を少し離して、僕の顔を気まずそうな顔で見つめる。
「……ね、眠いのは本当ですし……でも、敬久さんと、少しだけイチャイチャしたいなって思って」
「ははっ、可愛いこと言うよね。遥君は……」
彼の腰を撫でると、遥君は身をよじった。
「じゃあ、イチャイチャしようか……」
「……す、少しだけっ、少しだけで大丈夫ですから!」
「少しってどのくらい?」
「……軽くキスしたり、撫でたり……とか……あんまり……その、やらしくならない感じで……」
遥君が頬を赤く染めながら、恥ずかしそうに言った。
「うん、分かったよ。じゃあ……触り方がやらしかったら言ってね」
難しい注文だなと思いながら、照れながら言う彼が可愛くて額に口づけた。
「触り方、やらしくなったら……その……それはそれで構いませんから」
「…………遥君って、たまに小悪魔みたいなこと言うよね」
人間性を試されている様子はないので、盛り上がったら色々しても良いということなのだろう。
「……小悪魔って」
「だって、今の君、ほぼほぼ脱いでいるのに、そんな風に誘って来るなんて……色々してしまうよ?」
「色々……何をするんですか。いや、やっぱり、言わなくて良いです……」
遥君はそう言うと僕に頭をグリグリと寄せてくる。堪らなくなって彼をそっと押し倒すと、困惑しながらも熱っぽい瞳で見つめられた。
「……敬久さんは夏バテ引きずってますし、ちょっとイチャイチャして……早く寝ましょうよ」
「僕は、もうだいぶ元気だよ」
間近で顔を見つめていると、引っ張られて彼の横に寝転ぶような体勢になった。
「……オレ、あなたに抱きしめられるの好きなんですよね。このままギュッとして欲しいです……」
遥君は横になったままこちらに顔を向けて、照れたように微笑んだ。
「うん……」
遥君が僕に微笑んでくれると、胸が苦しくなるような甘い切なさを感じる時がある。彼を腕の中に閉じ込めるように強く抱きしめた。
「僕、君のことがどんどん好きになっていくなあ」
「……オ、オレも好きです!」
張り合うようにそう言ってくるので、思わず笑顔になってしまう。
「君が側にいてくれるから、僕の全部も君にあげるからね……」
「…………近距離で殺し文句はやめてください」
蚊の鳴くような声で彼は呟き、僕にそっとキスしてくれた。
「遥君、大丈夫?水、君の分もあるからね」
「……ぁ、ありがとうございます」
遥君がモゾモゾと起き上がると、僕に寄りかかった。熱いのか上半身は裸のままで下着だけ履いている。
「熱い?そうだ、体拭こうか。タオル濡らして来たのがあるから……」
「いえ……後でシャワー浴びますので……はぁ……敬久さん、優しいなあ……」
彼はふっと息を漏らすように笑って言った。
「君にだけだよ」
「……オレも、あなたに優しくしますから」
スリスリと猫のように頭を肩に擦りつけてくる。可愛いなと思い、頭を撫でた。
「……十分してもらっているよ」
「オレ、あなたにもっと色々あげたい……」
体を重ねた余韻が残っているのか、遥君の息遣いが熱っぽくなっている。
「あんまり、おじさんを甘やかしたらダメだよ……」
恋人として遥君を甘やかしたり、遥君に甘やかされたりするのは楽しい。けれど遥君は『もっと君が欲しくなってしまう』と甘えると、迷いなく『あげます』と返してくれる。僕のせいとはいえ、素直過ぎて心配に思う所がまた増えてしまった。
「ダメじゃないですし、敬久さんはおじさんじゃないです……」
頭を撫でられるのが心地良いのかトロンとした目で見つめてきて、ドキッとしてしまう。
「…………遥君、もしかして眠い?」
一瞬誘われているのかなと思ってしまったけれど、遥君は僕に頭を寄せたまま目を閉じ始めた。
「やっぱり、体拭いてあげるから、そのまま眠ったら良いよ」
「ぅ……すみません。何だか、ぼんやりしちゃって」
「朝、家まで往復したり……僕に、その……色々してくれたから疲れたんだよ」
サイドボードに水を置き、トレイに載せたタオルを持った。遥君にベッドの端から移動してもらい、体をタオルで拭いていく。タオルはお湯で濡らしたものを絞ったものだけれど、少しぬるくなっているような気がする。
「ちょっと冷たくなっているかな。お湯でまた、絞ってくるね」
立ち上がろうとすると手を止められた。
「いえ、丁度良いです……そのまま、してください」
やっぱり誘われているんじゃないかなと悶々としてしまう。そんな思いを吹き飛ばそうと、集中して彼の体を拭いていると遥君が腕にもたれかかってきた。
「どうしたの、遥君。眠い?」
「……眠いんですけど、ちょっと抱きしめて良いですか……?」
「ふふっ、良いよ」
タオルをサイドボードの上に置くと、遥君は腕を僕の背中に回してギュッと抱きしめた。僕も遥君の腰に手を回す。生身の肌が気持ち良くてさわさわと撫でてしまう。
「……それ気持ち良いです。もっと……触ってください」
遥君が小さく息を漏らし、彼も僕の背中を指でなぞるように撫でた。
「…………ねえ、遥君。僕のこと、もしかして誘ってる……?」
「……あ、ぅ、いや……その」
遥君は図星だったのかあたふたし始めた。体を少し離して、僕の顔を気まずそうな顔で見つめる。
「……ね、眠いのは本当ですし……でも、敬久さんと、少しだけイチャイチャしたいなって思って」
「ははっ、可愛いこと言うよね。遥君は……」
彼の腰を撫でると、遥君は身をよじった。
「じゃあ、イチャイチャしようか……」
「……す、少しだけっ、少しだけで大丈夫ですから!」
「少しってどのくらい?」
「……軽くキスしたり、撫でたり……とか……あんまり……その、やらしくならない感じで……」
遥君が頬を赤く染めながら、恥ずかしそうに言った。
「うん、分かったよ。じゃあ……触り方がやらしかったら言ってね」
難しい注文だなと思いながら、照れながら言う彼が可愛くて額に口づけた。
「触り方、やらしくなったら……その……それはそれで構いませんから」
「…………遥君って、たまに小悪魔みたいなこと言うよね」
人間性を試されている様子はないので、盛り上がったら色々しても良いということなのだろう。
「……小悪魔って」
「だって、今の君、ほぼほぼ脱いでいるのに、そんな風に誘って来るなんて……色々してしまうよ?」
「色々……何をするんですか。いや、やっぱり、言わなくて良いです……」
遥君はそう言うと僕に頭をグリグリと寄せてくる。堪らなくなって彼をそっと押し倒すと、困惑しながらも熱っぽい瞳で見つめられた。
「……敬久さんは夏バテ引きずってますし、ちょっとイチャイチャして……早く寝ましょうよ」
「僕は、もうだいぶ元気だよ」
間近で顔を見つめていると、引っ張られて彼の横に寝転ぶような体勢になった。
「……オレ、あなたに抱きしめられるの好きなんですよね。このままギュッとして欲しいです……」
遥君は横になったままこちらに顔を向けて、照れたように微笑んだ。
「うん……」
遥君が僕に微笑んでくれると、胸が苦しくなるような甘い切なさを感じる時がある。彼を腕の中に閉じ込めるように強く抱きしめた。
「僕、君のことがどんどん好きになっていくなあ」
「……オ、オレも好きです!」
張り合うようにそう言ってくるので、思わず笑顔になってしまう。
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