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触れたい想い・前編(柊山視点)
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そして、十月の最後の週の土日は予定が合い、家に来ても良いと了承を得たので、上がり込んだのだった。
――とにかく……心を落ち着けて眠ろう……
遥君は僕の頭を撫でてくれているので、まだ起きているようだ。生身の胸に抱きしめられるのは心地良いのに、顔の近くにある胸の先端や健康的な肌にウズウズと欲望が湧き上がってしまう。
――禁止されているから、余計に触りたくなっているんだろうな。……こんな風に欲望を抱いているのを知られたら、気持ち悪がられるだろうか
後ろめたい気持ちを振り払い、今日の出来ごとを思い出しながら目を瞑ることにした。
今日の昼過ぎに、彼のマンションから少し離れた場所にあるコインパーキングに車を停めた。そして車の鍵をしまうキーケースを持つ度に、頬が緩んでしまった。
キーケースは遥君が誕生日にプレゼントしてくれたものだ。黒いレザー製の丈夫な作りで、使いやすい。僕が車のスマートキーをむき出しのまま様々な場所に置くので、見かねたのかもしれない。自宅の鍵も入るのでとても便利だった。
そして彼のマンションに上がり込むと、手土産に彼が好きな味だと言っていたコーヒーを渡した。遥君は早速コーヒーを淹れて、僕を歓待してくれた。
遥君の家は外観が古めかしいけれど、中はリノベーションされていてキレイだ。奥行きがあるタイプの1DKなので閉塞感は感じない。本棚が壁を占領しているので、狭いと言っているのだろう。
これまで、お茶を飲みに上がらせてもらったことはあったけれど、泊まるのは初めてなのでとてもワクワクしていた。
――触るのは禁止と言われていたけれど、少しだけイチャイチャできたのも嬉しかったな
二人がけのローソファで、コーヒーを飲みながら寛いでいると不意に目が合い、お互いいつもの癖でキスしてしまった。僕のマンションにいる時は、ソファで触れ合うのが習慣になっていたのでそのせいだ。
彼は「あ」と小さく声を上げたけれど、そのまま抱きしめてくれた。遥君が自分から僕に触る分にはOKということだった。判定が甘いようなのでホッとした。
しばらく一方的に抱きしめられたり、体中撫でられたり、キスされたりしたのだけれど、悪い気は全くしなかった。
――遥君にもみくちゃにされるのが悪くはなくて……寧ろ、彼が可愛くて良かった……その時は、まだ、耐えられたのにな
ある程度時間が経ち、これ以上は理性が引きちぎれるなと思い、遥君の肩を少しだけ押した。彼はハッとして、乱れた髪を直しながら僕から離れた。手で口元を押さえて「興奮してしまいました」と熱っぽい瞳で言われ、グッときてしまった。
――思えば、あの辺りから僕の理性がグラつき始めていたんだ
遥君は気まずくなったのか、食事の用意を早めにすると言って、そさくさとキッチンに向かった。手伝わせてはくれなかったので、手持ち無沙汰になりチラチラとキッチンの彼を盗み見ていた。
――とにかく……心を落ち着けて眠ろう……
遥君は僕の頭を撫でてくれているので、まだ起きているようだ。生身の胸に抱きしめられるのは心地良いのに、顔の近くにある胸の先端や健康的な肌にウズウズと欲望が湧き上がってしまう。
――禁止されているから、余計に触りたくなっているんだろうな。……こんな風に欲望を抱いているのを知られたら、気持ち悪がられるだろうか
後ろめたい気持ちを振り払い、今日の出来ごとを思い出しながら目を瞑ることにした。
今日の昼過ぎに、彼のマンションから少し離れた場所にあるコインパーキングに車を停めた。そして車の鍵をしまうキーケースを持つ度に、頬が緩んでしまった。
キーケースは遥君が誕生日にプレゼントしてくれたものだ。黒いレザー製の丈夫な作りで、使いやすい。僕が車のスマートキーをむき出しのまま様々な場所に置くので、見かねたのかもしれない。自宅の鍵も入るのでとても便利だった。
そして彼のマンションに上がり込むと、手土産に彼が好きな味だと言っていたコーヒーを渡した。遥君は早速コーヒーを淹れて、僕を歓待してくれた。
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これまで、お茶を飲みに上がらせてもらったことはあったけれど、泊まるのは初めてなのでとてもワクワクしていた。
――触るのは禁止と言われていたけれど、少しだけイチャイチャできたのも嬉しかったな
二人がけのローソファで、コーヒーを飲みながら寛いでいると不意に目が合い、お互いいつもの癖でキスしてしまった。僕のマンションにいる時は、ソファで触れ合うのが習慣になっていたのでそのせいだ。
彼は「あ」と小さく声を上げたけれど、そのまま抱きしめてくれた。遥君が自分から僕に触る分にはOKということだった。判定が甘いようなのでホッとした。
しばらく一方的に抱きしめられたり、体中撫でられたり、キスされたりしたのだけれど、悪い気は全くしなかった。
――遥君にもみくちゃにされるのが悪くはなくて……寧ろ、彼が可愛くて良かった……その時は、まだ、耐えられたのにな
ある程度時間が経ち、これ以上は理性が引きちぎれるなと思い、遥君の肩を少しだけ押した。彼はハッとして、乱れた髪を直しながら僕から離れた。手で口元を押さえて「興奮してしまいました」と熱っぽい瞳で言われ、グッときてしまった。
――思えば、あの辺りから僕の理性がグラつき始めていたんだ
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