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冬の訪れと高鳴る鼓動(此木視点)
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今週の金曜は時間の都合がついたので、敬久さんの家に来ていた。一旦家に帰り、着替えや荷物の準備をしてから来たので遅くなってしまった。もう二十二時を回っている。
「お帰り、遥君」
「た、ただいま、です……」
玄関のチャイムを鳴らすと、敬久さんが笑顔で迎えてくれた。オレもつられて笑顔になってしまう。
――敬久さんに『お帰り』って言われるの、何度言われても慣れないな……どうしても照れてしまう
玄関を上がるとギュッと抱きしめて頭をポンポンと撫でてくれた。
「遥君、ひんやりしているよ。外寒かったんだね」
敬久さんからはボディソープの匂いがした。お風呂上がりなのかもしれない。
「朝と夜の寒暖差が、段々冬みたいになっていますね……」
「そうなんだね。今度から迎えに行かせてよ……」
「いや、そこまでして頂くわけには……」
オレがモゴモゴと喋っていると、敬久さんはしばらく頭を撫でてくれた。
「カバンとコート預かるから、そのままお風呂入って来なよ」
「ありがとうございます。あ、こっちは着替えが入っているので、そのまま脱衣所に持って行きます……」
「うん、分かった」
敬久さんがそっと体を離すと、コートを預かってくれた。
――荷物、今日のために買った物が入っているから……緊張して来たな。服はパジャマにしようか。でも、今日はどうせなら、敬久さんの服が着たいな……
「……あの、やっぱり、敬久さんの服が着たいので……貸してください」
「ふふっ、どうしたの、急に」
「だ、だって……」
オレが言い淀んでいると、敬久さんはチュッと音を立ててキスをしてくれた。
「じゃあ後で持って行くから、温まっておいでよ」
「はい……」
彼はまたオレをギュッと抱きしめてから、スタスタと廊下を歩いて行った。
――くっ……敬久さんは、本当、優しいなあ……胸がドキドキする……
キスしてもらった唇をスリスリと撫でた。今回は時間を空けずに会えたのに、久々にキスされたような気がする。それだけ彼が恋しかったのだろうか。
――今日は頑張ろう……でも、引かれたりしないだろうか……いや、敬久さんはそんな反応はしない……しても困惑するくらいだろう。そうなったら、すぐ脱いで全部有耶無耶にしてしまえば良い
オレは後ろ向きな決意を抱きながら、浴室に向かった。
「お帰り、遥君」
「た、ただいま、です……」
玄関のチャイムを鳴らすと、敬久さんが笑顔で迎えてくれた。オレもつられて笑顔になってしまう。
――敬久さんに『お帰り』って言われるの、何度言われても慣れないな……どうしても照れてしまう
玄関を上がるとギュッと抱きしめて頭をポンポンと撫でてくれた。
「遥君、ひんやりしているよ。外寒かったんだね」
敬久さんからはボディソープの匂いがした。お風呂上がりなのかもしれない。
「朝と夜の寒暖差が、段々冬みたいになっていますね……」
「そうなんだね。今度から迎えに行かせてよ……」
「いや、そこまでして頂くわけには……」
オレがモゴモゴと喋っていると、敬久さんはしばらく頭を撫でてくれた。
「カバンとコート預かるから、そのままお風呂入って来なよ」
「ありがとうございます。あ、こっちは着替えが入っているので、そのまま脱衣所に持って行きます……」
「うん、分かった」
敬久さんがそっと体を離すと、コートを預かってくれた。
――荷物、今日のために買った物が入っているから……緊張して来たな。服はパジャマにしようか。でも、今日はどうせなら、敬久さんの服が着たいな……
「……あの、やっぱり、敬久さんの服が着たいので……貸してください」
「ふふっ、どうしたの、急に」
「だ、だって……」
オレが言い淀んでいると、敬久さんはチュッと音を立ててキスをしてくれた。
「じゃあ後で持って行くから、温まっておいでよ」
「はい……」
彼はまたオレをギュッと抱きしめてから、スタスタと廊下を歩いて行った。
――くっ……敬久さんは、本当、優しいなあ……胸がドキドキする……
キスしてもらった唇をスリスリと撫でた。今回は時間を空けずに会えたのに、久々にキスされたような気がする。それだけ彼が恋しかったのだろうか。
――今日は頑張ろう……でも、引かれたりしないだろうか……いや、敬久さんはそんな反応はしない……しても困惑するくらいだろう。そうなったら、すぐ脱いで全部有耶無耶にしてしまえば良い
オレは後ろ向きな決意を抱きながら、浴室に向かった。
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