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門限は二十四時。夜がどんなに遅くとも、十時までに起床する。挨拶をする。言葉使いは丁寧に。
他にもまだまだルールはある。
だらしない格好はしない。授業をサボらない。学業優先。不純な行為はしない。
当たり前といえば当たり前なことばかりだ。
龍哉が決めたルールは全く理不尽なものではない。そう頭では理解できるのだが、改めて言われるとウザい。
そう、ウザいことこの上ないのだ。
やっと成人と言われる年齢に達し、なんでも自由にできるはずなのに。
やれああしろだのこれはするなだの、すっかり子ども扱いだ。
「うぜぇー」
そんなルールを守ってしまう自分にもムカつく。
しかも、そのルールを決めた張本人は仕事でまだ帰ってこない。
「つーか、SMが仕事ってなんだよ。……頭おかしいんじゃねぇのかよ」
家主である穂仁原龍哉は世間でいうところのイケオジだ。歳を感じさせないスタイルの良さ。スマートで包容力があり、誰に対しても紳士的で優しい。
あの外見でドSっておかしいと思う。
面倒見のいい教師のような雰囲気とは裏腹に、龍哉はフェティッシュバーのオーナーをしている。
BDSM専門の会員制のバー。変態の巣窟だ。
それだけではない。この家の一室はさながらSM用のラブホのようなつくりになっていて、たまになんだかよくわからない客人が来る。一人だったりカップルだったりする客は、なんと龍哉とSMプレイをするために来るらしい。完全防音の部屋からは何も聞こえてこないが、明らかにおかしな格好で来る客もいるから、部屋ではそれなりに激しいことが行われているのだろう。
「マジ無理……。つーか、おっせぇ。帰ってこねぇじゃん。ムカつく」
課題をこなすためにパソコンと睨めっこしていた颯斗が、ちらりと壁の時計を見上げて顔を顰める。
もうすぐ日付が変わる時間だというのに、龍哉はまだ帰ってくる気配がない。
「うぜぇー」
きっとまたあのバーだ。そう思うと、なぜかむしゃくしゃして、胸がざわついた。
「あーやめだやめだ」
課題にも行き詰まった。資料が足りないせいで、これ以上は進まない。提出までまだ二週間ある。こういう日はさっさと寝るにかぎる。
颯斗はノートパソコンをさっと片付け、リビングを後にした。
他にもまだまだルールはある。
だらしない格好はしない。授業をサボらない。学業優先。不純な行為はしない。
当たり前といえば当たり前なことばかりだ。
龍哉が決めたルールは全く理不尽なものではない。そう頭では理解できるのだが、改めて言われるとウザい。
そう、ウザいことこの上ないのだ。
やっと成人と言われる年齢に達し、なんでも自由にできるはずなのに。
やれああしろだのこれはするなだの、すっかり子ども扱いだ。
「うぜぇー」
そんなルールを守ってしまう自分にもムカつく。
しかも、そのルールを決めた張本人は仕事でまだ帰ってこない。
「つーか、SMが仕事ってなんだよ。……頭おかしいんじゃねぇのかよ」
家主である穂仁原龍哉は世間でいうところのイケオジだ。歳を感じさせないスタイルの良さ。スマートで包容力があり、誰に対しても紳士的で優しい。
あの外見でドSっておかしいと思う。
面倒見のいい教師のような雰囲気とは裏腹に、龍哉はフェティッシュバーのオーナーをしている。
BDSM専門の会員制のバー。変態の巣窟だ。
それだけではない。この家の一室はさながらSM用のラブホのようなつくりになっていて、たまになんだかよくわからない客人が来る。一人だったりカップルだったりする客は、なんと龍哉とSMプレイをするために来るらしい。完全防音の部屋からは何も聞こえてこないが、明らかにおかしな格好で来る客もいるから、部屋ではそれなりに激しいことが行われているのだろう。
「マジ無理……。つーか、おっせぇ。帰ってこねぇじゃん。ムカつく」
課題をこなすためにパソコンと睨めっこしていた颯斗が、ちらりと壁の時計を見上げて顔を顰める。
もうすぐ日付が変わる時間だというのに、龍哉はまだ帰ってくる気配がない。
「うぜぇー」
きっとまたあのバーだ。そう思うと、なぜかむしゃくしゃして、胸がざわついた。
「あーやめだやめだ」
課題にも行き詰まった。資料が足りないせいで、これ以上は進まない。提出までまだ二週間ある。こういう日はさっさと寝るにかぎる。
颯斗はノートパソコンをさっと片付け、リビングを後にした。
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