色づく世界の端っこで

第一章

5

「え。…」
といきなり言われて、返信に困っていると、また音楽室のドアが開き、黒髪で眼鏡をかけている男子が入ってきた。
「おい。何してるんだ。君、ごめんな。悪気はないんだ許してくれ。さあ、行くぞ忙しいんだから。」
「えっ。ちょっと離してくれよ。僕はそこの君と話したいんだから。」
「関係ない。まずはこっちが優先だろ。」
と引きずるように音楽室のドアへと向かっているとき、
「ねぇ、君放課後向かいに行くからね。絶対だよ。」
と叫ぶように消えていってしまった。
一人音楽室に取り残された僕は。（今日は…早く帰ろう。）と心に決めた。放課後、急いで帰ろうとしたら、右隣りの席の夏海くんに引き止められた。
「あのさ、星井。今日さ少し俺に付き合ってくれないか。まだ、部活に入ってないのお前だけだろ。ちょっと見てもらいたい部活があるんだけど。」
僕は急いで、
「え。ごめん。無理。急いでいるから。…」
と言ってスーッと横を通り過ぎてあと一歩踏み出せば、教室と廊下との境目だというその時。
「ちょっと、星井。待っ…。」
「あ。いたいた。めっちゃ探したんだよ。良かった帰ってなくて。あー。もう帰るとこだったでしょ。危ない危ない。」
と今日の昼休みに音楽室であった。人の話を聞かない人とあってしまった。もう少しだったのに。走りだしてしまいたかったが、そこはドアの前。走れるわけがない。そう思っていると、廊下から、女子の叫び声が聞こえた。
「えーっ。あの人って、生徒会長の、日比野ひびの佐久さく先輩だよね。間近で見ると、超絶イケメンじゃん。かっこいい。」
と女子が話してるのが聞こえた。普通だったらふーん。と思っているところだが。生徒会長が話かけた相手は僕。そして、
「ねぇねぇ、あの子誰。」
「先輩と仲いいのかな。」
と言われて見られている。僕の関わりたくない人ベスト二位に入っている。ちなみに、一位は、先生。三位は、生徒に人気の先輩。四位は、クラスのリーダー的存在だ。もう僕は、倒れそうだった。（消えてしまいたい。）と無表情だか。心の中ではそう思っていた。