色づく世界の端っこで

第一章

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「それで…。彩人兄さ。説明してもらうから、戻ろう施設に…ね。」

碧の目が笑っているけど笑っていない。


「……はい。」


「唯菜先生ただいま！！」

「あら？今日は、遊びに行くんじゃなかったのかしら。」

「それはね…。それより、唯菜先生知ってたよね？」

また、笑っているけど目が笑っていない笑顔で…。

「…まあ。なんとなく…ね。」

「じゃあ。部屋借りるね。」

「唯菜先生…。」
助けてほしくて言ったのに。

「いいわよ。私は、子どもたちのところにいるから。ゆっくり～。」


スルーされた。

部屋の中にある机を挟みお互いが向かい合うように座る

「もしかして、あの男の人は、父親？女の人が母親？」


「違う。父はあってるけど、女の人は、母じゃない。」


「そっか。じゃあ詳しく教えて…ね。」


「わかった。昔は、父と母と僕の3人暮らしだったけど、父のほうが浮気症でよく女の人がコロコロ変わってた。そして、いつも、癖のある女の人で、母も耐えてはいたが僕が五歳の頃とうとう母が離婚して新しい人と結婚して僕だけが一人ぼっちというか。母は、新しい人との子がいるから、一緒に連れていけないって言われて。父にも、無理出てけて言われて。ここに来たんだ。」


「…。彩人兄…。」


「でも、僕は、ここに来れてよかったと思うよ。碧に会えたしね。」


「ずるいじゃん。これ以上怒れないじゃん。」