自称泣きゲーのモブに転生~メーカーは泣けるとかほざいてるけど理不尽なヒロイン死亡エンドなんていらねぇ!!

荒星

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イザナギ学院入学前編

寄り道 魅せろ! ダンジョン内男飯勝負!

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「ああー、クソ。マトモな飯が食いてー」

 そう俺が愚痴ると、真司は苦笑した。

「確かにダンジョン内だと、持ち込んで食べられるものって限られてるもんね。カップラーメンを持って来て、ダンジョン内でお湯を沸かして食べるか。なんか適当なパン買ってきて持ち込んで食べるか……他にもいろいろあるけど暖かいご飯は中々ね」

「クソッ……俺はそれでもちゃんとした飯が食べたいんだ!」

 現在、俺たちは『名もなき地下墳墓』内に居た。

 最近真司の弟子として週末は、キチンとエンフォーサー協会の管理下に置かれているダンジョンに潜っていたが、しかし冬休みということで、俺達はココに来ていた。
 無論、『メラム』の許可は取ってある。警備兼墓所内の見回りという名目だが。
 
 ーーそのついでにレベル上げとダンジョン攻略をしてしまっても構わんのだろう?

 脳内でそんな事を考えつつ、持ち込んだジャーキーをかじっていると俺はある事を思いついた。

 そういえば、ゲーム内ではドロップした魔物の肉やポーションの材料で料理を作って非常食としていた……めんどくさい時はキャラクターに生でかじらせていたが、それは置いといて。
 もしや、同じ方法で温かい料理が食べられるのではないか?

「なあ真司」

「なんだい悠馬」

「一回上がって、明日の昼にありったけの調味料と日持ちしそうな野菜持ってココに集合」

「え? え? 何言ってるのさ悠馬!???」

 そう戸惑う真司を無視し、俺は地上へ上がるために歩を進めた。



 一日後。

 俺たちは、もう一度『名もなき地下墳墓』に来ていた。

「よし、調味料と野菜は持ってきたか?」

「いや……持ってきたけど。何に使うつもり?」

 怪訝そうな顔をする真司を上手くはぐらかし、俺はダンジョンへと入っていった。

「まあまあ、それは後で話すから。それじゃあ出発!!」



 俺たちは、現在10層にてオークを狩っていた。

「なんで今頃オーク? ハッ!」

 真司はオークを刀で切り裂きながら、俺に質問して来た。

「ん? 良いから良いから。お! オーク肉とオークの骨ゲット!」

「な、なんでそんな素材で喜んでるのさ。なんか嫌な予感が……」

 そんなこんなで、50層の安全地帯まで狩りをして俺たちはそこに腰を落ち着けた。

「ふう、それにしてもどうしたのさ悠馬。普段は捨てるモンスターの肉とか使えないポーションの材料まで拾って」

「良い質問ですねえ、真司君」

「真司君!? ちょ、どうしたのさ悠馬。何処かで頭でも打った?」

「フフフ、お答えしよう。これより第一回! モンスターで作る、魅せろ! 男飯勝負を開始する!」

「なるほど、それじゃあお休み」

 そう言った瞬間、真司が昼寝をしようとしたので俺は慌てて止めた。

「待て待て待て、お前だってダンジョン内のモンスター肉は食えるって知ってるだろ? それに、味気ないカップラーメン生活よりも温かい料理を食えた方がいいだろ? な?」

 しかし、真司は起き上がらない。

「よぉしわかった。だったら美味いと思えるレシピがあったら、スキルオーブ一つやる!」

 その瞬間、真司はガバっと起き上がってきた。

「わかった。モンスターを使って料理すればいいんだね」

 ーー現金な奴。



「一品目俺から行くぞ、オークの豚骨ラーメンだ」

 説明しよう! オークの豚骨ラーメンとは。オークの骨を折って鍋にぶち込み、煮て醬油で味付けをしたスープに、インスタントの麵を入れた俺特製のラーメンである!

「さっきから素手でオークの骨をバキバキ折ってると思ったらコレか。というか悠馬さ、ちょっと力強すぎない? 僕よりもレベル、下だよね?」

「ん? そうだぞ、アレスの神意があるからな。物理攻撃力は強いんだ」

 アレスの神意も、ヘルメスの加護同様発展していた。効果はなんと、物理攻撃力に合計で230%の補正である。
 ちなみに他の付随効果は一切アップしていない、流石脳筋の神様だぜ! 
 ラスティアの仕様上、自分よりレベルが高い相手には物理が高くないと、クリダメを出そうと倍率を上げようとカスダメになりかねないのでありがたい限りである。

「なんかとんでもない話が聞こえてきたけど、聞かなかった事にするよ」

 この世界ではどうやら加護系スキルは、神に選ばれしものとして聖人扱いされるらしい。
 まぁ加護系がわんさか手に入る、神様も死にかけるようなダンジョンに潜ろうなんてこの世界じゃ自殺行為だしな。
 ちなみにソフィアも聖女様なのでアテナの加護は持ってるし、デメテルの加護はストーリー中盤で手に入れる。あの調子じゃアテナの加護は初期状態だろうが。
 というか加護の発展条件は神に打ち勝つこととされているのだが、ナム・タル君カテゴリー神様だったのか……

「じゃ、食ってくれ」

「スキルオーブの為だ。例え火の中水の中でも行って見せる!……オゲッ」

 そして俺の作った渾身のラーメンは、ペーストとなって何故か墓なのに水の流れている用水路へ、自然の一部として帰って行った。

「あー、やっぱり駄目だったか」

 真司は口を拭き、持ってきていた水で口をゆすぎながら俺に抗議してきた。

「当たり前じゃないか! なんだよあれ! 臭いし苦い! おまけに何だかドロドロしてたよ!?」

「いやー煮てる最中に変な臭いはしてたんだ。だけど食ったらうまいかなーと……」

 ーー次ッ!



「マンドラゴラと、マーマンのスープ。とりあえず作ってる最中は臭くなかったから大丈夫なハズ」

 真司が差し出してきたのは、マンドラゴラとマーマンの肉が入ったスープだった。

 俺は一気に飲み、噴き出して綺麗な虹を作った。

「オエッ、酸っぱいし苦いし臭い長靴の臭いがする。後マイサンがえらいことになってるんだけど」

「い、いや……あ。そういえばマンドラゴラって」

 ーー次。



「ワイバーンの香草焼き」

「臭いし硬いね」

 ーー次!

「ライカンスロープの蒸し焼き!」

「お前は俺にコレを丸ごと食せと?」

 ーー次!!

「レプラコーンの姿煮シチュー!」

「さっきの僕への仕返しかい!?」

 ーー次!!!

「ヒッポグリフのソテー」

「食えなくはないけどマズい」

 ーー次!!!!

「これはなんだい?」

「コカトリスのレバーの照り焼き」

「くぁwせdrftgyふじこlp!?!?」

 ーー次……


「ハアハア」

「もう嫌だもう嫌だもう嫌だ! 僕は帰るんだ! 帰って美味しいご飯を食べるんだ!」

 数時間後、俺たちの周りには失敗作が死屍累々と積み重なっていた。

「真司……これは?」

「……オークのカレー風味から揚げ」

 俺は恐る恐る口に入れた。

「普通に食べれる……」

「ほんとかい!?」

「けど……」

「けど……?」

「カップラーメン作って食った方が美味いな」

 そうして俺たちは諦めた。

 龍斗、ソフィア、冬香、姉さん、あとプレイアブルキャラの皆。今までゲームでバックの空き容量ケチってモンスターの肉生で食わせたり、ゲテモノ料理食わせたりしてホントにすみませんでした……
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