自称泣きゲーのモブに転生~メーカーは泣けるとかほざいてるけど理不尽なヒロイン死亡エンドなんていらねぇ!!

荒星

文字の大きさ
51 / 88
イザナギ学院一年生編

第13話 龍の覚醒

しおりを挟む
「龍斗!?」

「羽虫が! 邪魔をするな!」

「グッ!?」

 龍斗は訓練用に学園から支給されている鋼の剣で切りかかるも、そんな剣でルシファーにダメージを与えられるはずもなく、ルシファーの腕の一振りでこちらまで弾き飛ばされてきた。

「おい龍斗! 無事か!?」

「大丈夫」

「どうして逃げなかった!」

「……僕は、もう友達が戦ってるのを見るだけなのは嫌なんだ」

 そう龍斗が言った瞬間、闘技場の観客席の方から声がした。

「そういう事よ! 悠馬!」

「もう守られてるだけっていうのは嫌かな」

「偶には私達の事を頼りにしてくれてもいいんだぞ? それとも、お前にとって私達は守られるだけの弱い人間か?」

「冬香とソフィア!? それに姉さんまで!?」

 俺が驚きながら声を上げると、三人はこちらに飛び降りてきた。

「よっと」

「どうして……」

「ああ、もう! さっきも言ったでしょ! 悠馬! 守られるだけで、アンタが戦ってるのを黙って後ろから見てるだけってのはもうご免なのよ! それに、悠馬と私はライバルでしょ! だから私はアンタの隣で戦う!」

「冬香……」

「うん。前みたいに悠馬が傷ついていくのを、何もしないで見てるのは……ね」

「そうだぞ悠馬。だから、偶には私達の事も頼れ」

「皆…分かった。一緒に戦おう!」

 そうして、俺達はルシファーと向かい合った。



「ほう? 話し合いは終わりか?」

「悪いな、わざわざ待ってもらって」

「ふっ、貴様ら羽虫が何をしようとも変わらぬからな」

「そうかよッ! 行くぞ!」

 俺は早速レイスラッシュを発動させて切りかかったが弾かれる。

「パニッシュメント・レイ!」

「ほう、良い魔法だ」

 俺が弾かれた隙をカバーする為に、攻撃しようとしたルシファーへソフィアが魔法を放つが腕一本で防がれる。

「行くぞ冬香!」

「はい師匠!」

 ソフィアの魔法を防ぐために攻撃をキャンセルしたルシファーに、冬香と茜は攻撃を仕掛けた。

「全く、俺は逃げろと言ったハズだが?」

「すみません。師匠」

「だが、その心意気。師匠としては誇りに思うぞ!」

「……はい!」

「グ……猪口才な!」

 二人は師弟特有の抜群なコンビネーションでルシファーを翻弄すると、ルシファーに大技を放った。

「冬香! 合わせろ!」

「わかりました!」

「ドラゴンズインパクト!」

「疾風切り・真!」

「中々やるようだな。だが!」

 ルシファーはそう言うと、全身から魔力を放出して二人を弾き飛ばした。

「キャッ!」

「グッ!?」

 弾き飛ばされた二人が無事なのを確認した後、俺は真司に声を掛けた。

「俺達も負けてらんねぇぞ真司!」

「あぁ! 僕はちゃんとした師匠じゃないけど、僕たちだって絆の深さならあの二人に負けてない! 行こう、悠馬!」

 俺達は頷きあうと、二人で連携しながらルシファーに突撃した。

「来るか! 神の気配を漂わせし者達、その中でも警戒に値する者よ!」

「一発キツイのお見舞いしてやる! 紫電一閃・真!」

 俺は走りながら疾風迅雷・真を発動させると、紫電一閃・真も発動させながら切りかかった。

「ぬおッ!?」

 ルシファーは両腕でガードするが、ルシファーの体から少しだけ血が噴き出す。

「僕の事も忘れないでよね! 明鏡止水!」

 そして真司の攻撃が決まったかと思ったが、ルシファーが直前で両腕のガードを解いて、バリアのようなものを張ったせいでルシファーまで攻撃が届かなかった。

 ーーだが!

 真司の攻撃は本体にこそ届かなかったものの、バリアを破ることには成功し、ルシファーはその衝撃でのけぞった。

「青龍突き!」

「ガハッ!?」

 姉さんはへ攻撃を仕掛け、ルシファーの意表を突き薙刀でルシファーを吹き飛ばした。

「今だ、龍斗!!」

「ハァァァァ!」

 そのルシファーの隙をつくように、龍斗が切りかかったその時。

「図に乗るなよ! 人間がァ!!!」

 ルシファーがカッと眼を見開くと、龍斗は見えない何かに攻撃を弾かれる。

「なッ!? 剣が!」

 その何かにぶつかった拍子に折れた剣を見て驚く龍斗に、ルシファーの魔法が
炸裂し闘技場の床を転がった。

「ガッ!?」

「龍斗!」

 俺は慌てて龍斗へ駆け寄った。

「無事か、龍斗!」

「ゲホッ……まだ……戦える……」

「その怪我じゃ無茶だ! もう十分だ! お前はよくやった! そこで休んでろ!」

 俺は龍斗を闘技場の隅に寝かせると、今尚戦っている姉さん達の元へ戻った。

「水面切り!」

「ホーリーパニッシュメント!」

「ボルケーノ・ブレイク!」

「かまいたち!」

「甘いわ!」

 ルシファーに攻撃を仕掛けるも、弾き飛ばされる皆を見ながら、俺はイグニススラッシュを発動させた。

「クソったれ!!」

「フン、我に傷をつけたのは認めよう。しかし、その程度だ」

「なッ!?」

 ルシファーは俺のイグニススラッシュを避けると、俺の懐に潜り込み腹部に魔法を放った。

「ゲホッ!?」

 俺は闘技場の壁に叩きつけられ、血反吐を吐き地面に倒れ込んだ。

 ーーこれは……無理か? 

 そう思った瞬間。龍斗を寝かせていたはずの場所から光が迸った。

 その光が収まるとそこには瞳を銀色に輝かせ、黒い剣。ラスティア内最強装備の一つ、竜剣バハムートを手に持った龍斗が立っていた。

「ぬ!? この気配は! 貴様! 一体何者だ!」

「僕は1-Sクラスの鳴神龍斗。君を倒す、ただの学生だよ」

 そう言って龍斗はルシファーに剣をかざしながら、ルシファーに宣言した。

 あの状態はスキル『覚醒』の効果で、ラスティアでは最終決戦。ヒロインが死んだ後の龍斗の怒りか、ソフィアが死の間際に渡した神気込みの生命エネルギーにて解放されるスキルだ。
 時限強化だが、一時的に全ステータスに1000%の補正が掛かるぶっ壊れスキル。我らが主人公が全プレイアブルキャラの中でも最強たる所以だ。
 そして、竜剣バハムート。本来であれば『名も無き地下墳墓』奥深くに封印されている装備。
 この武器も装備するとステータスへ洒落にならない補正が掛かる上、とある超威力の必殺技が放てる。
 本来のラスティアでは、この二つともまだ龍斗が持っている筈がないのだが、俺はこの二つを最初から持っている状態の龍斗を知っていた。
 コミック版ラスティアの龍斗。
 コイツは最初からオーク相手に覚醒を使いこなし、Eランクダンジョンのゴブリン相手に竜剣バハムートを振るった。
 そんな蛮行をやってのけたことから、俺達ラスティアプレイヤーからは恨みも込めて公式チートの改造廚と呼ばれていた。

 ーーお前、コミック版改造廚龍斗かよ!?

 俺はルシファーと相対する龍斗を見ながら、心の中で叫んだ。
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業

ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

処理中です...