自称泣きゲーのモブに転生~メーカーは泣けるとかほざいてるけど理不尽なヒロイン死亡エンドなんていらねぇ!!

荒星

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イザナギ学院一年生編

第24話 フラグの建設は計画的に。

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「洗濯当番? ……え? ……は?」

 ――……あ。

「え、えっと。そのだな……」

「そ、そう! わたし日本の洗濯機には疎くって、円華さんにお願いして洗濯を一緒にさせて貰ってるの!」
 
 最早何が何だかわからない事を口走ったソフィアの腕を掴み、部屋の隅に移動してから俺達は小声で話し始める。

「もう少し上手い言い訳は無かったのか!? 最早言い訳として成り立ってないレベルだぞ!!」

「だ、だって!」

「あんなの誤魔化せる訳ないだろ! むしろ、あれで誤魔化せたらピュア過ぎて心配になるレベルだわ!」

「話は終わった?」

「ひ、ヒィ!」

 俺達が小声で話していると、ぬっと背後から冬香が顔を出した。

「そ、そうなんだよ! ほら、日本と海外だとタグの表記が違うだろ? だからソフィアの一人暮らしの支援ってことで、洗濯だけはウチと一緒にするんだよ!」

 ――む、無理だ! こんなので誤魔化せる訳がない!

「あっ、そうだったんだ! てっきり悠馬とソフィアが同居してるのかと思ったわよ。そういうことだったのね」

 ――噓……。まさかこやつ、ちょろい?

「そ、そう! そういうことだったんだよ。ハ、ハハハ……」

「アッハハハハ……なーんだ。ビックリした……って、んなわけないでしょうが! てか、そういう事ってどういうことよ!?」

「デスヨネー……」

「ねえソフィア?」

「は、はい!」

「アンタ。確か結構な豪邸に住んでる上に、お付きのメイドさん達も居たわよね?」

「え、えっと……」

「そ・う・よ・ね?」

「はいそうです……」

「で。そこからどうして、コイツの家に転がり込む事になったわけ?」

「い、いや。待ってくれ! ソフィアは……ヒ!?」

 ――なんか冬香の後ろに不動明王が見えるんですけど……!?

「黙りなさい。さて、二人共。正座」

「ちょ、待ってくれ! 説明を!」

「そうだよ冬香! 私達の話を!」

「正座」

「「ハイ」」



「……ハァ。で、あの愉快なマスコットキャラがソフィアの家を吹っ飛ばして、悠馬の提案でソフィアが悠馬の家に住むことになったと」

「「ハイ、その通りです……」」

 俺達は、冬香に正座しながら一通り事情を話した。

「我はマスコットキャラではな……ゲボラッ!?」

 ロトはマスコットキャラ呼びに抗議する為飛び出したが、アッパーカットを食らって天井にめり込みピクピクと痙攣する。

 ――さらばロト、お前の事は一週間くらい忘れない。

 ――ロト、お前はいい奴だったよ……まだ関わりあって数時間しか経ってないけど。

 そしてロトは地面に落ちると、ピクリとも動かなくなった。

「へーなるほどね……」

 ――お願いします! アッパーカットだけは!

「あのー冬香? 怒って……ない?」

 ソフィアが恐る恐る尋ねると、冬香は満面の笑みで言った。

「うん、全然怒ってないわよ!」

 ――噓だッ! ……って、なんで俺らは冬香に怒られてるんだ? 不健全だから?

「ねえ悠馬?」

「な、なんでございましょうか。冬香殿」

「言葉遣いおかしくなってるわよ? ところで、正当な理由さえあれば良いの?」

「……何が?」

「アンタの家に居候するのって理由さえあれば良いの?ほら、お姉さんもソフィアも受け入れてるわけなんだから」

「へ? いや、まあそりゃあ……。てか、どうしてそんな事を?」

「アンタは気にしなくって良いわよ。それじゃあソフィア? 一緒に帰りましょうね……?」

「あ、あのー今の冬香は怖いから。遠慮させて……」

 そうしてソフィアが逃げようとした瞬間、冬香はソフィアの肩を掴む。

 どうやらソフィアの運命は決まったようだ、俺は心の中で合掌した。

 ――悪いなソフィア……南無三。

「一緒に帰りましょうね?」

「ハイ」

「それじゃ、私達は帰るから」

「お、おう……」

 ――本当になんだったんだ?




 そして、後日。

「ただいまー。お腹減った、今日の晩……御飯……」

「お帰りー悠馬」

「へ?」

 ――なんで冬香がここに……?

「えっと、冬香。なんで冬香がここに居るのでせう?」

「言葉遣いが変になってるわよ、悠馬。それは……」

「それは俺が説明しよう」

 声のした方を見ると、茜がケーキに手を伸ばしながら得意げな顔をしていた。

「学園長、それは悠馬の分のケーキです。勝手に手を付けたら叩き出しますよ殺しますよ

 キッチンから出てきた姉さんがそう言うと、茜を睨みつける。

「は、ははは……」

「それでは学園長、説明をどうぞ」

「ハイ……。悠馬、実は最近。メラム内でお前を保護……実質的な軟禁状態にして、邪神教団から守った方が良いんじゃないかという、過激な意見が出始めていたんだ」

「それまたどうして……?」

 ――ロトの事は知らないハズ……。

 俺は眉を顰めながら茜の話を聞く。

「最近邪神教団の幹部を撃退した上、堕天の王を倒しただろ?」

「撃退したのは嘉義鴎将ですけど……」

「それでも、お前が大いに貢献したのは間違いないだろう? それにお前は以前から邪神教団と相対して、一定の戦果を挙げ続けている。そのことに目を付けた上のお偉いさんが、間違っても邪神教団側に寝返らないよう、お前の事を手駒に出来ないか画策してたんだよ。」

「面倒な……」

「だが俺としてはそんな事は望まない、お前があんな奴らの仲間になるなんてあり得ないしな。俺はお前の軟禁計画を白紙にするためにお偉方へ掛け合って、俺はある条件を引き出した。それはお前とお前の家族に、監視員を付けることだった」

「そこで、私の出番って訳。事情も知らないやつが四六時中家に居るよりも、私の方が良いでしょ? ロトの事とか。私なら適当な報告書でっち上げて、誤魔化せるし」

 ――いやいやいや! 冬香は龍斗の監視員だろ!?

「りゅ、龍斗は良いのか?」

「ん? 龍斗の事なら妹弟子に任せたわ」

 ――あの妹系後輩キャラのサブヒロインか……。

「姉さん、姉さんはどう思う?」

 俺は咄嗟に、姉さんへと聞いた。

「これを断れば、悠馬と一緒に暮らせなくなってしまうんだろ? なら、私はこの話を受けた方が良いと思う。それに、妹がまた一人増えるみたいで少しワクワクするからな。も、もちろん悠馬は特別だぞ!? 弟ってことだけじゃない、悠馬は……その、私にとって世界でたった一人のヒーローなんだから」

「姉さん……」

「え、なんだこの空気。凄く居心地が悪いんだが、コイツら一応姉弟って立ち位置なんだよな?」

「コホン! で、結局アンタは受けるの? 受けないの?」

 冬香の咳ばらいが聞こえ、俺達は慌てて冬香へと視線をもどした。

「そうだな……ごめん、冬香。虫のいい話だって分かってるけど頼めるか?」

 俺が遠慮がちに尋ねると、冬香は胸を張って答える。

「任せときなさい!」

「ただいまー。やっと買えたよー、今日発売のギャルゲー……。って、え? 冬香? なんでここに?」

 案の定、帰宅してきたソフィアが目を丸くする。

「えー……。今日から我が家の一員となる上田冬香さんです……」

「今日からよろしくね? ソフィア」

「えー!?」

 そしてまた一人、この家の住人が増えた……まあスペース的には後二人住めなくもないけど。




 それから更に一日後。

「悠馬ー! お客さんだぞ!」

「あー、はいはい! 服着たらすぐ行く!」

 髪を急いで乾かした後、服を着てリビングに向かう。

「どういうことですの! 鈴木悠馬!」

 そこには涙目で俺を見つめるエミリーヌと、背後に不動明王と邪悪なオーラを放つ女神を浮かび上がらせた冬香とソフィアが居た。

 ――神様。俺はなにか悪いことをしましたか?
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